目の下のたるみやくまが気になることはありませんか。目元は老化があらわれやすい部位で、少しでも若く見られたい想いから悩む人も少なくありません。
たるみやくまを改善するには手術が必要といわれています。皮膚の状態によって症状が異なるため、一人ひとりに合わせた手術方法を選ぶ必要があるでしょう。
そこで、この記事では目の下のたるみ取り・くま取りの手術方法やダウンタイムについて解説します。クリニック選びのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目の下のたるみ取り・くま取りについて
目の下のたるみやくまは、主に肌の老化と色素沈着が原因でおこります。どちらも生理的な現象であるため、日頃のケアで予防はできても治療することは難しいでしょう。
見た目の印象をパッと変えるのであれば、手術を受けることをおすすめします。手術方法はさまざまで、それぞれの症状に合わせた適切な施術を医師が選択します。
それゆえに医師の技量が大きく影響するといっても過言ではありません。また、手術はリスクを伴います。
リスクを減らすためには自身の目の下のたるみやくまの原因を把握し、適切な処置を受けられる医療機関を選ぶことが大切です。
目の下のたるみができる原因は?
目の下のたるみができる原因は肌の弾力低下・眼輪筋の衰え・脂肪が押し出されるの3つです。つまり、老化が大きな要因といえます。
顔の皮膚のなかでも特に目元は皮膚が薄く、加齢の影響を受けやすいため、若いうちからケアをすることが大切です。ここでは目の下のたるみの原因を詳しく解説します。
肌の弾力低下
肌の弾力は皮膚組織の真皮にある膠原線維と弾力線維で保っています。これらの線維がダメージを受けることで、肌の弾力低下を引きおこすのです。
ダメージを受ける原因として、加齢や紫外線の影響が考えられます。加齢は線維を作り出す線維芽細胞の機能低下により、膠原線維の減少や弾力線維の変性がおこります。
また、肌の水分量を保つ成分であるヒアルロン酸も加齢により減少するため、乾燥肌も加齢が影響しているといえるでしょう。
さらに紫外線は真皮の線維を変性させるため、肌の弾力低下を防ぐには日頃から日焼け対策をすることが大切です。目元は皮膚が薄いため、肌の弾力低下の影響を受けやすい部位といえます。
そのため、日々の紫外線対策や保湿を続けることが必要です。
眼輪筋の衰え
眼輪筋とは目の周りを覆っている輪状の筋肉で、まぶたを閉じる働きがあります。目元の皮膚は眼輪筋によって支えられていますが、衰えてくるとハリがなくなり、たるみの原因となるのです。
眼輪筋の衰えは加齢だけでなく、パソコンやスマートフォンの使い過ぎによるまばたきの減少も原因となります。使わない筋肉は衰えるものであり、眼輪筋も同じです。
まばたきの頻度が少ないと、筋肉が凝り固まってしまうことで血行不良を引きおこし、充分な栄養が供給されないことでたるみを引きおこすと考えられます。
眼輪筋は鍛えていれば衰えることはないと考えることもできますが、加齢に伴い線維芽細胞の働きが弱まるため、残念ながら少しずつ衰えてしまいます。
また、眼輪筋を酷使することで皮膚に刺激が与えられ、しわの原因になることもあるので使い過ぎに注意しましょう。
脂肪が押し出される
眼球は眼輪筋だけでなく、眼窩脂肪によって支えられています。しかし、加齢に伴って眼輪筋が衰えると眼球が重力によって下がり、支えの眼窩脂肪が前方に押し出されるようになるでしょう。
それゆえに押し出された脂肪は目の下のふくらみの原因となります。目の下のふくらみは目袋ともいわれ、症状の改善のためには手術で余分な脂肪を取り除く処置が必要となります。
なお、頬の脂肪が少ない人は顕著に見た目にあらわれてしまうため、年齢に関係なく老けた印象を与えてしまうかもしれません。
目の下のくまの原因・種類は?
目の下のくまの原因は血行不良・たるみ・色素沈着などが挙げられ、くまは色によって3種類に分かれます。
原因が異なることで見た目に大きな変化があらわれるため、それぞれに適した処置をする必要があるでしょう。くまの原因と種類を解説します。
血行不良(青くま)
青くまは血行不良が原因でおこるくまです。目元の皮膚は薄く、血行不良によりうっ血がおこると皮膚に青っぽく浮きでてしまいます。血行不良をおこしてしまう原因は下記に挙げられます。
- 寝不足
- ストレス
- 冷え
- ホルモンバランスの乱れ
- 貧血 など
血行不良を改善するためには、規則正しい生活を心がけ、血流を良好に保つ必要があるでしょう。
たるみ(黒くま)
黒くまはたるみが原因でおこるくまです。たるみとは眼球を支えている筋肉のゆるみや脂肪の減少によりおこる老化現象のことです。
本来、眼球は眼窩脂肪と複数の筋肉によって支えられていますが、加齢により筋肉の収縮力が低下、または痩せにより脂肪量が減少することで眼球の位置が前方に動きます。
眼球の位置が変わることで、目の下に影が生じてしまうのです。
色素沈着(茶くま)
茶くまはメラニンの蓄積による色素沈着でおこるくまです。下まぶたは皮膚が薄いため、皮膚がたるんでしまうとちりめんじわという細かいしわが生じてしまいます。
色素沈着がおこると、一か所に集まったしわによって色調が暗く見えてしまうわけです。色素沈着がおこる原因は下記に挙げられます。
- 紫外線
- 乾燥
- 摩擦による刺激 など
肌へダメージが蓄積されることでターンオーバーが乱れてしまい、メラニンが蓄積されてしまいます。
目の下のたるみ取り・くま取りの手術方法
目の下のたるみ・くまはさまざまな原因でおこります。年齢や骨格などが影響し、それぞれ症状が異なることから一人ひとりに合わせた治療をしなければなりません。
手術方法は5種類あるため、詳しく解説します。
下眼瞼切開法
下眼瞼切開法は症状に応じて施術方法が皮弁法と筋皮弁法に分かれます。症状が目の下および下まぶたのしわや軽度のたるみであるならば、皮弁法で処置します。
皮弁法はまつ毛の下側を切開し、たるみの原因の眼窩脂肪を取り除いた後、しわになっている部位である2〜4ミリ程度の余剰皮膚を切除する治療です。
切開範囲が狭いため、術後の腫れが少ないことが特徴です。しわに加えて、重度のたるみの症状があれば筋皮弁法を用います。
筋皮弁法は下まつ毛を切開して眼窩脂肪を除去した後、ゆるんだ眼輪筋を目尻の方へつり上げ、頬骨の骨膜に固定します。
その後に余剰皮膚を切除するため、皮弁法よりもたるみの症状改善が期待できるでしょう。しわやたるみの症状に応じて、皮弁法と筋皮弁法を使い分ける必要があるといえます。
経結膜脱脂法
下まぶたの裏側にある結膜から余分な脂肪を取り除く施術です。くまや目の下のたるみ・ふくらみの治療に有効です。
目の下のふくらみは外側・中央部・内側の3か所から余分な脂肪を取り除くことで改善できます。なお、切開部位が小さいことや裏側からの切開であることから、傷が目立ちにくい特徴があります。
目の内側の皮膚は治癒力が高いという理由から傷口の縫合をしないため、抜糸の必要はありません。それゆえに通院の回数が抑えられ、短い時間で治療を終えることができます。
ハムラ法
正式名称を眼窩脂肪移動術といい、目の下の凹凸を改善するために眼窩脂肪を移動させる施術です。
下まぶたには外側・中央部・内側の3か所に脂肪があり、くぼみが生じている部位へ余分な脂肪を移動させることで凹凸をなくします。
そのため、ハムラ法の適応は目の下にたるみとしわがあり、加えてたるみの下に凹みが生じている状態であることです。
施術方法は、まつ毛の下側を切開し、余分な眼窩脂肪を切除します。目の下のくぼみが埋まるように眼窩隔膜と脂肪を移動し、眼窩隔膜を滑膜に固定、さらに眼輪筋を目尻の方へつり上げ頬骨の滑膜に固定します。
余剰皮膚を切除し、傷口を縫合して終了です。約1週間後に抜糸するため、メイクはしばらくできません。また、腫れ・浮腫み・内出血などの症状が2週間前後続くため、安静に過ごすようにしてください。
レーザー治療
レーザー治療は、皮膚を傷つけずにくまやたるみの原因を取り除く施術です。切開をしないため痛みを感じにくく、真皮にまで届くレーザーはコラーゲンの産生や新陳代謝の促進効果を与えます。
眼窩脂肪が原因のたるみは、脂肪を取り除く施術が効果的ですが、眼窩脂肪の減少により術後にくぼみのリスクを伴います。
そのため、眼窩脂肪をむやみに切除する治療はおすすめできません。
レーザー治療のように自然治癒力を促す治療法もあるため、リスクを抑えた治療を受けたい方、初めてのたるみ取りやくま取りを考えている方におすすめの治療法といえます。
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸は肌の水分を保持する働きがあり、目の下に注射することでくぼみや・たるみ・くまの改善効果が期待できます。
なお、青くま・黒くまに効果はありますが、茶くまには効果がありません。ヒアルロン酸注射の方法は片側につき5分程度で3〜4回針を刺して注入して終わりです。
ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されるため、持続時間は数ヵ月〜2年程度といわれています。そのため、ヒアルロン酸注射は根本治療ではなく、対症療法といえるでしょう。
初めてのたるみ取りやくま取りを考えていて、痛みの少ない施術を希望している人は検討してみてはいかがでしょうか。
目の下のたるみ取り・くま取り手術のダウンタイム
ダウンタイムとは術後にあらわれる一過性の副反応に対して、それらの症状が回復するまでの期間を指します。副反応の例は以下のとおりです。
- 腫れ
- 赤み
- 痛み
- 内出血
- 目がかすむ など
個人差がありますが、ダウンタイムの期間は約1週間続くといわれています。副反応がでてしまっても時間の経過で改善するため、心配する必要はありません。
また、腫れを抑えるためにテープなどで患部を固定し、安静に過ごす必要があります。なお、血行がよくなる入浴や運動なども控えなければなりません。
術後は1週間程の副反応がでる期間があることを覚えておきましょう。副反応に対して適切なアフターケアをすることでダウンタイムの期間が短縮されるかもしれません。
例えば、腫れや赤みがひどい場合は冷やすことで炎症を抑えることができます。具体的な対応については担当の医師に確認することが大切です。
クリニック選びのポイントは?
目の下のたるみ取り・くま取りは高い技術が必要な施術です。医師の技量によって術後の仕上がりに大きく影響を与えるでしょう。
そのため、信頼できる医師がいるクリニックを選び、不安がない状態で手術を受けることが大切です。丁寧なカウンセリングを実施しているか、症例写真が豊富か、なども信頼できるポイントです。
ここでは、クリニック選びのポイントを解説します。
正規のトレーニングを受けた医師が所属しているクリニックを選ぶ
正規のトレーニングとは、美容外科学会専門医になるために国が指定した研修を受けることや手術の経験を積むことです。
一定期間のトレーニングを終えて、初めて美容外科学会専門医となれるのです。また、美容外科学会専門医は患者さんの健康だけでなく、幸福を保つ役割が担われます。
それゆえに高い技術力と幅広い知識が要求され、トレーニングは美容外科学会専門医になった後も継続して実施されます。
正規のトレーニングを続けている医師が所属しているクリニックでは、安心して施術を受けることができるでしょう。
メリットもデメリットも詳しく説明してくれるクリニックを選ぶ
クリニックを選ぶ時に注目されがちなものが費用が安い・痛みが少ない・仕上がりがきれいなどのメリットに関するものばかりです。
ですが、手術にはリスクがつきものです。豊富な経験を積んだ美容外科学会専門医であってもリスクからは避けられません。
そのため、手術を受ける際はメリットだけでなく、デメリットを詳しく説明してくれるクリニックを選んだ方がよいでしょう。
なぜなら、手術を受けた後に後悔するのは患者さん本人だからです。先述したとおり、手術にリスクはつきものであるため、デメリットの説明が少ないのはおかしな話です。
患者さんの立場を考えれば、メリットと同じくらいデメリットを詳しく説明しなければなりません。患者さん目線で施術をしてくれるクリニックは信頼できるといえるでしょう。
まとめ
目の下のたるみ・くまの原因は肌の老化や色素沈着などの生理的なものです。日々のケアなどで予防はできても改善は難しいでしょう。
気になる方は信頼できる医師がいるクリニックで相談しましょう。たるみ取り・くま取りの手術は症状によって施術方法が異なります。
術後は腫れや赤みなどのダウンタイムが生じます。仕上がりも大切ですが、ダウンタイムがどのくらい続くのか、などの術後のケアも大切です。
手術を受ける際は、信頼できる医師がいるクリニックを選び、安心して治療していただけると幸いです。
参考文献