女性らしさをアピールできる体の部位と言えば皆さんはどこを思い浮かべますか? 胸やお尻、唇などが挙げられるかと思います。中でも胸は、ボディラインにメリハリをつけたり、女性らしい洋服を着こなしたりするために重要な部位で、日頃からケアに努めている方も少なくないでしょう。
一方で、「加齢によってハリがなくなってきた」「胸が小さくなってきた」と悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。そこで本記事では、胸を大きくする方法についてご紹介します。バストアップのために日常生活で意識するポイントや、胸を大きく見せるコツ、手術方法などについても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
胸が大きくなる仕組み
乳房には、授乳期に母乳を作り出す「乳腺」という組織があります。この乳腺を守るためにつく脂肪の量によって胸の大きさが変わるため、乳腺が太く発達すればするほど胸は大きくなります。乳腺は女性ホルモンが活発に働くことで発達します。
思春期に徐々に胸が大きくなることをイメージしていただければ、仕組みを理解しやすいでしょう。ただ、年齢を重ねるにつれて女性ホルモンの分泌量は少なくなっていき、増やすこともできません。そこで大切なのが、女性ホルモンの分泌量を維持できるよう心がけることです。そうすることでボリュームやハリのある胸を手に入れることができます。
胸を大きくするための食事の改善
ここからは胸を大きくする方法をご紹介していきます。まずは食事面からです。体を健康的に保つために必要な栄養素を摂取するように、胸を大きくするために必要な栄養素を効率よく取り入れていくことが大切です。
効果的な栄養素と食材
バストアップに効果的な栄養素を6つご紹介します。また、その栄養素が含まれている食材も併せてご紹介しますので、ぜひ食事に取り入れてみてくださいね。
まず1つ目が「大豆イソフラボン」です。乳腺を発達させるには「エストロゲン」という女性ホルモンが重要なのですが、大豆イソフラボンはエストロゲンと似たような働きをしてくれるのが特徴です。その名の通り大豆に含まれているのはもちろんですが、豆腐や納豆、豆乳などにも多く含まれています。
2つ目は「ボロン」という栄養素です。日本語では「ホウ素」と言い、エストロゲンの分泌量を増やしたり、血液中のエストロゲンの濃度を高めたりする作用があるミネラルの一種です。主にキャベツやりんごといった野菜・果物に含まれていますが、熱や酸化に弱い成分のため、サラダなどにして生の状態で食べることをおすすめします。
3つ目は「タンパク質」です。タンパク質は骨や筋肉、皮膚などを作るため、美容のために意識して摂取している方も多いでしょう。タンパク質には、肉や魚・卵から摂取できる動物性タンパク質と、豆加工食品から摂れる植物性タンパク質がありますが、どちらも大切な栄養素なのでバランスよく摂るのがおすすめです。
また、タンパク質を構成する「アミノ酸」も欠かせない栄養素の1つです。アミノ酸には20種類あり、そのうちの9種類は体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。肉や魚・卵・大豆などが、アミノ酸を多く含んでいます。
これらの栄養素を胸まで届けるために血行をよくする「ビタミンE」や、クーパー靱帯を構成するコラーゲンの生成を助ける「ビタミンC」なども重要な栄養素ですので、かぼちゃやアボカド、アーモンド、レモン、キウイ、ブロッコリーなどをバランスよく食べるようにしましょう。
押さえると良いポイント
バストアップに効果的な栄養素をご紹介しましたが、これらをただやみくもに食べれば良いわけではありません。栄養バランスが乱れるとバストアップどころか健康的に過ごすことができないため、まずは普段の食事でバランスよく栄養を摂取することを意識しましょう。また、「バストアップに必要な栄養素だから」と言って食事の量が増えてしまうと、小食の方は食べきれなかったり、かえって肥満の原因になってしまったりします。食べ過ぎには十分注意しましょう。また、これらの方法を実践したからと言ってすぐに胸が大きくなるわけではありません。栄養を摂取してから徐々に効果が見えるようになるため、長期的な改善を目指すことが重要です。毎日コツコツと続けるためにも、無理なく取り組める方法で行いましょう。食事で栄養を補えない場合は、サプリメントを活用するという選択肢もあります。
胸を大きくするためのトレーニング
続いては、胸を大きくするためのトレーニングをご紹介します。まずは、なぜトレーニングで胸が大きくなるのかを見ていきましょう。
トレーニングで胸が大きくなる理由
乳腺の発達によってバストアップすると前述しましたが、トレーニングをすることで直接乳腺が発達するわけではありません。胸を支えている大胸筋を鍛えることで胸が前面に押し出されるため、バストアップが期待できるのです。また、大胸筋はクーパー靱帯とつながっているため、この大胸筋を強固にすることで、バストが上向きでハリのある状態に近づきます。さらに、トレーニングによって肩周りや背中の筋肉も鍛えられ、正しい姿勢を保ちやすくなります。バストを小さく見せてしまう猫背や巻き肩といった悪い姿勢の改善が目指せます。
効果的なトレーニング
トレーニングで鍛えるべき部位はやはり「大胸筋」です。大胸筋を鍛えるためにおすすめのトレーニングは「プッシュアップ」という方法で、「腕立て伏せ」と言えばイメージしやすいかと思います。一般的なプッシュアップは手と足だけを床について行う方法ですが、筋トレ初心者の方であれば膝をついて行う方法もあります。ポイントは、胸の筋肉を使っていることを意識すること、おなかにも力を入れて腰が反らないようにすることです。5秒ほどかけてゆっくり体を上げ下げし、10回程度くり返しましょう。これはご自身の体重を使って行う「自重トレーニング」ですが、負荷に限界があるため、ある程度筋力がついてきたらマシンやダンベルなどの重りを使ったトレーニングもおすすめです。
胸を大きくするための市販製品
近年では、バストアップが期待できると言われている製品も多く販売されています。
バストアップクリーム
バストアップクリームには、タンパク質でできており弾力を持たせる作用のある「エラスチン」や植物性エストロゲンを多く含む「プエラリア・ミリフィカ」が成分として入っています。含有成分や量によって少し幅はありますが、数千円で手に入れることができ、手術のようなダウンタイムもないため誰でも手軽に取り入れられることがメリットです。ただ、毎日朝と夜にクリームを塗ることを面倒に感じてしまったり、効果を実感できるまで時間がかかったりしてしまうことがデメリットとして挙げられます。また、時間がかかればそれだけクリームにかかる費用も多くなってしまうため、トータルで考えると費用が万単位になってしまうことを想定しておきましょう。プエラリア・ミリフィカはマメ科の植物のため、大豆アレルギーを持っている方はアレルギー症状が出る可能性もあります。
バストアップクリームに含まれる「エラスチン」や「プエラリア・ミリフィカ」については、バストサイズの増加や形状改善に関する科学的根拠が限定的であることに注意が必要です。これらの成分が皮膚の弾力を改善する効果を持つ可能性はありますが、実際のバストサイズの増加に直接的な効果があると断定するには、さらなる科学的研究が必要と言われています。
サプリメント
バストアップを目的としたサプリメントも販売されています。主に、女性ホルモンを整える、美容に効果的な栄養素を補える成分が配合されており、乳腺の活性化や肌の弾力アップが見込めます。代表的な成分としては、イソフラボンやチェストツリー、プエラリア・ミリフィカ、プラセンタ、コラーゲン、マカなどが挙げられます。ただ、サプリメントは医薬品ではないため即効性はなく、効果にも個人差があります。効果効能を表示しないよう義務づけられているにも関わらず、「必ず効果がある」などの広告がされている商品もあるため注意しましょう。また、健康被害が起こるリスクがないかも購入時にチェックするようにしましょう。特にプエラリア・ミリフィカは、皮膚障害や腹痛・嘔吐、月経不順などの健康被害が報告されており、日本医師会から注意喚起が出されています。使用する場合は医師の指示を仰ぐことが大切です。
胸を大きくする豊胸手術
「時間をかけずに胸を大きくしたい」「手術に抵抗がない」という方にご提案したいのは豊胸手術です。豊胸手術には、シリコンバッグ豊胸手術、ヒアルロン酸豊胸手術、脂肪注入豊胸手術の3つがあります。それぞれの内容や手術にかかる時間、ダウンタイムなどをご紹介していきます。
手術の種類
それぞれの手術について解説します。
・シリコンバッグ豊胸手術
脇や胸の下などを切開して、そこからシリコン製のバッグを挿入することでバストを大きくする方法です。大きさや形・高さ・質感が異なるさまざまなシリコンバッグがあり、なりたい仕上がりに近いものを選ぶことができます。手術時間は3~4時間ほどで、腫れや内出血は約1~2週間、痛みも約3日~1週間で落ち着くとされています。
・ヒアルロン酸豊胸術
ヒアルロン酸を注射器で注入する方法です。メスを使用しないため大きな傷跡は残らず、シリコンバッグ手術よりもダウンタイムが短いのが特徴です。
・脂肪注入豊胸手術
患者さん自身の脂肪を注入してバストをサイズアップさせる方法です。主におなかや太ももの脂肪を使用します。拒絶反応が起きにくいのが特徴で、手術にかかる時間はおよそ2時間です。個人差はありますが、術後は筋肉痛のような痛みや強い腫れ、内出血が現れることがあります。だいたい1~2週間で治まります。
手術のリスクと費用
手術には胸が大きくなるというメリットだけでなく、デメリットやリスクももちろん存在します。
シリコンバッグ豊胸手術のデメリットとしては、傷跡が残ってしまうことです。また、触り心地は自然のものよりも少し硬く感じるでしょう。ヒアルロン酸豊胸手術のデメリットとしては、ヒアルロン酸が少しずつ体に吸収されていくことで、効果を持続できないことです。かといって何度もくり返すことは、乳房の中で瘢痕組織が形成されることも珍しくないため、推奨されていません。後から他の豊胸手術をしたいと思っても、感染症のリスクが高く行えない場合もあるため、持続性を求める方は他の方法を選択するのが望ましいでしょう。脂肪注入豊胸手術は、どれくらいの脂肪が定着するかわからず、仕上がりが予想できないことがデメリットです。
費用としては、シリコンバッグが100~150万円程度、ヒアルロン酸は10ccあたり約10万円で1カップ上げるためには100万円(50~100cc)程度、脂肪注入豊胸手術は100万~130万円程度が相場となっています。
胸を大きく見せるテクニック
最後に、胸を大きく見せるテクニックについてご紹介します。実際に胸が大きくなるわけではありませんが、ちょっとしたポイントを押さえることで女性らしさがアップします。ぜひ試してみてください。
姿勢の改善
背中が曲がったいわゆる「猫背」という状態で長い時間を過ごすと、首や肩が凝ったり引き締まっているはずの筋力が低下してたるみにつながったりします。スマートフォンやパソコンの普及、在宅ワークなどによって猫背になると、バストの位置が下がってしまうため、こまめに姿勢を正すことを意識しましょう。ポイントは、肩甲骨をグッと中心に寄せるようにして胸を開くこと、おなかをへこますように力を入れることです。最初は正しい姿勢をキープするのはつらいかもしれませんが、気付いたときに意識していくことで自然と身についていきます。
胸が大きく見える衣服
下着や服装でバストアップ効果を狙うのも1つの方法です。近年では、猫背を改善する補正下着や、脇の脂肪が外に流れないよう支えてくれるブラジャーなども販売されていますので、このようなグッズを購入するのも良いかもしれません。また、バストとウエストのメリハリを見せるために、おなか周りが締まっている洋服を選んだり、胸元が開いた服を着たりすると、胸を大きく見せることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 大きな胸に憧れを持つのは悪いことではありません。生活習慣の見直しやトレーニング、市販製品、豊胸手術などのあらゆる方法から、ご自身にとって身体的負担・経済的負担が少ないものを選択することをおすすめします。もし、自分にとってどのような方法が合うかわからないという場合は、美容外科など、専門的な知識のある医療機関に相談してみましょう。
参考文献