「性交渉のときに痛みや出血がある」「女性器の形が変かもしれない」と女性特有の悩みをもっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、性や体に関する悩みはデリケートな問題のためなかなか周りに相談しにくいでしょう。
性交時に毎回痛みや出血がある場合や挿入できない場合は、処女膜強靭症の可能性があるかもしれません。
パートナーとの性交が上手くいかないと悩んでいる方は、一人で悩まずに早めに病院を受診してみましょう。
処女膜強靭症は治療が可能なので、原因・症状・手術方法などを正しく理解して今後の生活に役立ててください。
処女膜強靭症の症状や処女膜切開手術の効果
- 処女膜とは何ですか?
- 処女膜とは、膣の入り口部分にあるヒダ状の膜のことを指します。処女膜には小さな穴が空いていて、月経のときの出血やおりものが排出するのはこの小さな穴です。
処女膜は厚さが1mm程度の非常に薄く柔らかいことが一般的で、性交渉・自慰行為・運動などの刺激で損傷して痛みや出血する場合もあるため強い刺激には注意してください。しかし、処女膜の形状は人それぞれ異なり元々硬くて分厚い場合もあります。
- 処女膜強靭症とはどのような症状ですか?
- 処女膜強靭症とは処女膜が硬いために膣の開口部分が狭い状態で、次のような症状や悩みが挙げられます。
- 性交時に挿入ができない
- 性交時に激しい痛み・出血がある
- パートナーや自分の指も入らない
処女膜強靭症の場合でも処女膜に小さな穴が空いていて、月経時は問題なく出血があるため普段の自覚症状がないことがほとんどです。そのため、初めて性交渉をしたときやタンポンをつけようとしたときなどに気づくことが多いでしょう。
さらに、婦人科検診での機械の挿入でも強い痛みを感じることがあり、この場合も処女膜強靱症の可能性があります。
- 原因について教えてください。
- 処女膜の形状は個人差が大きく、ほとんどは生まれつきの形です。そのため、処女膜強靭症の原因は先天的なものと考えてください。処女膜が生まれつき柔らかい場合は性交時に破れることがありますが、処女膜強靭症の場合は指やペニスで無理に処女膜を広げようとするのはやめましょう。強い痛みがトラウマになり今後の性交渉も難しくなる可能性があります。
- 処女膜切開手術の効果について教えてください。
- 処女膜切開術を受けることで、これまで性交渉ができなかった方でも痛みや出血の心配がなく性交渉ができるようになります。また、性交渉はできても毎回強い痛みがあった方も手術後はスムーズな性交渉が可能です。他にも、タンポンを入れられるようになるといった効果もあります。処女膜切開手術を受けるメリットは、これまで性交渉が苦痛に感じていた方でも性生活を楽しめるようになることです。
また、性生活を楽しめるようになることでパートナーとの関係がよくなったり妊活に前向きに取り組めたりといったメリットを見出すこともできます。さらに、日帰りで済む手術なので仕事などで忙しい方でも手術を受けやすいことがメリットです。処女膜切開手術の大きなデメリットはありませんが、腫れ・痛み・内出血といった術後のダウンタイムがあることを理解しておきましょう。
また、出血・感染・処女膜の後戻りのリスクもあるため、不安を感じる場合は手術を受ける前に担当医とよく話し合ってください。
- 処女膜切開手術はどのような人におすすめですか?
- 処女膜切開手術は、次のような悩みをもっている方におすすめの手術です。
- 性交渉のときに痛くて挿入できない
- 性交渉のときに毎回痛みや出血がある
- パートナーや自分の指も入らないほど膣の入り口が狭い
- 性交渉でパートナーが満足できない
主に性交時の悩みをもつ方に処女膜切開手術はおすすめです。他にも、まだ性交渉をしたことがない方は、「自分が処女膜強靭症でないか」「挿入できないのではないか」などの不安や悩みをもつ方も少なくありません。まだ症状がなくても将来に備えて自分が処女膜強靭症でないか、一度クリニックを受診してみることもおすすめです。
さらに、処女膜切開手術は入院の必要がない日帰り手術のため、仕事や家事などで忙しい方も安心して手術を受けることができます。
処女膜強靭症の受診科・処女膜切開手術の手術方法
- 処女膜強靭症の治療を受けるには何科を受診すればよいですか?
- 処女膜強靭症の治療は、主に次の診療科で受診することができます。
- 婦人科
- 美容外科
- 女性泌尿器科
処女膜強靭症は、女性特有の症状で周りにはなかなか相談しにくい問題ですが、婦人科・美容外科・女性泌尿器科で正しく診察・治療が可能です。中には女性器形成専門のクリニックもあります。すぐに手術をするわけではなく、手術の必要かあるかどうかカウンセリングと内診を行って治療に進みますので、まずは楽な気持ちで受診してみてはいかがでしょうか。
- 処女膜切開の手術はどのように行われますか?
- 処女膜切開の手術は、局所麻酔を用いる手術で所要時間は15分程度です。処女膜の一部を切開する方法とリング状に切開する方法があり、もともとの処女膜の状態に合わせて選択します。手術当日は、着替えや手術部位の消毒を済ませ、婦人科検診のときのベッドに横になり局所麻酔を行う流れです。
その後、処女膜を切開・切除します。切開・切除した部分の止血をした後は、必要な部分を縫合し手術は終了です。局所麻酔を行うため手術をする部分の痛みを感じることはありません。また、希望に合わせて静脈麻酔の併用も可能です。静脈麻酔をする場合は眠っている間に手術を受けることが可能なので、自身の希望を担当医師に事前に伝えるようにしてください。
処女膜切開手術の費用や注意点
- 処女膜切開手術の費用はどのくらいですか?
- 処女膜切開手術の費用は、病院によって大きく差があります。処女膜強靭症と診断された場合に保険適用になる病院もありますが、一般的には自由診療となります。費用相場は約14万〜40万円(税込)と幅広く、カウンセリングや検査で別途費用がかかる病院もあり病院によって違いがあることを理解しておきましょう。
- 手術後の生活で注意すべきことはありますか?
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- 手術当日はガードルで圧迫する
- 手術後数日は出血の可能性があるためタンポンを使用する
- 手術後に痛みを感じた場合は医師の指示に従って痛み止めを使用する
- 患部を清潔にしておく
- 入浴・温泉・プールは手術後1週間は控える
処女膜切開の手術当日は腫れや痛みを緩和するためガードルを使用し、手術後数日は出血する場合があるためタンポンを使用しましょう。手術当日から翌日まで痛みを感じることもありますが、日常生活に問題はなく痛み止めの服用で対応します。また、シャワーは手術当日から可能で、感染を防ぐためにも清潔にしておくことがおすすめです。
しかし、シャワーは可能ですが入浴・温泉・プールは感染のリスクがあるため、手術後1週間は控えるようにしましょう。
- 手術後はいつから性交渉が可能ですか?
- 処女膜切開の手術後、4週目から性交渉は可能ですが、傷口に痛みがある場合は控えてください。手術の傷は1ヶ月程度で落ち着きますが、傷口が硬かったり違和感を覚えることもあります。術後の経過は個人差があるため、自身の体や気持ちと向き合い性交渉に取り組むか考えてみましょう。
しかし、手術をしても精神的な面に問題がある場合にはまだ性交渉が難しい場合もあります。痛みへの恐怖心が残っている場合は、カウンセリングなども上手に利用して性交渉へのトラウマを克服してみることもおすすめです。
編集部まとめ
性交渉のときに挿入できない方や毎回強い痛みや出血がある方は、処女膜強靭症の可能性があります。
誤った知識で処女膜を無理に広げようとしても、痛みが増すだけで根本的な解決にはなりませんので、早めにクリニックを受診することがおすすめです。
また、処女膜強靭症は先天的な原因がほとんどのため、性交渉が上手くいかないのは自分のせいだと過度に自身を責めることはやめましょう。
クリニックで正しく診断・治療することでトラウマを克服して、パートナーと幸せな生活を送ってください。
参考文献