目元の印象を変えることができる目頭切開について、一重まぶたの方にも効果があることをご存じでしょうか。
一重まぶたをコンプレックスと感じている方にとって、最初に思い浮かぶのが二重整形ではないでしょうか。
ですが一重まぶたの二重整形は、目頭切開と同時に行うことでより高い効果を得られる場合があります。離れ目など、お悩みの内容によっては目頭切開のみでも改善が可能です。
こちらの記事では、一重まぶたの目頭切開をした場合の印象の変化・手術方法・リスク・術後の注意点を解説します。理想の目元を実現するための参考にしていただければ幸いです。
一重まぶたの目頭切開
目頭切開は、目頭にある蒙古ひだを切開する美容外科手術の1つです。蒙古ひだとは、目頭を覆っている皮膚を指します。
蒙古ひだがあると、涙湖(目頭のピンク色をした粘膜の部分で、涙丘と表現されることもある)や目頭側の白目の一部が隠れた状態になります。
そのため、目が小さく見える・目と目の間が離れて見える原因となる場合が多いです。
蒙古ひだの程度は人によりますが、日本人をはじめとする東洋人は蒙古ひだがある方が多いといわれています。
同様に日本人に多い目の特徴が一重まぶたです。一重まぶたの方が目頭切開を行う場合のパターンをご紹介します。
目頭切開と同時に二重術を行う
目頭切開により、一重まぶたの方の二重整形の効果を高めることが可能です。蒙古ひだがある状態で二重整形をすると、ひだにより上まぶたが引っ張られてしまうためもとに戻りやすいといわれています。
また蒙古ひだのある目元は平行型の二重がつくりにくく、奥二重や末広型の二重になりやすい特徴があります。
そのため、目頭切開による蒙古ひだの切除と同時に二重術を行うことで、後戻りしにくくはっきりとした平行型の二重を形成しやすくなるのです。
一重まぶたから平行型の二重まぶたへの整形を考えている方は、目頭切開も視野に入れて検討してみてください。
ただし、二重整形にあたって目頭切開が効果的かどうかは人によって異なります。クリニックで実際に顔を見てもらいながら医師と相談することをおすすめします。
なお二重整形以外にも、目尻切開・眼瞼下垂などの目元の整形手術は目頭切開と同時に施術が可能な場合が多いようです。
一重まぶたのまま目頭切開で目を大きくする
二重整形などほかの方法を組み合わせず、目頭切開だけでも印象の変化が期待できます。
特に目の小ささや離れ目の原因が蒙古ひだにある場合は、二重にしなくても目頭切開により印象が改善する可能性が高いです。
一重まぶたは、顔のほかのパーツとのバランスやアイメイクの仕方次第で、魅力的な個性となり得ます。
目頭切開は目を横に大きくする効果があるため、一重まぶたのままでもバランスのとれた目元にすることが可能です。
二重まぶたにする必要はない場合は、目頭切開を選んでみてはいかがでしょうか。
目頭切開をするとどのように印象が変化する?
目頭切開をした場合に期待できる印象の変化を解説します。目頭切開は施術範囲の小ささに対して、得られる変化が大きい施術方法といえます。
理想の目元が目頭切開で実現できるかの参考にしてみてください。
目が大きくなる
目頭切開は目を大きく見せる効果があります。蒙古ひだに覆われて隠れていた目頭の白目部分や涙湖が見えるようになることで、目の横幅が広がるためです。
目頭切開の手術では、蒙古ひだの切除程度の調節が可能です。自然な形で目を大きくしたい場合は涙湖が少しだけ見える程度に、より大きく見せたい場合は涙湖が完全に見えるように施術します。
離れ目が改善する
目頭切開には離れ目を改善する効果もあります。左右の目の間が離れすぎている状態が離れ目です。バランスが悪く見えるほか、平面的で鼻筋が通っていない印象を与えることがあります。
目頭切開により蒙古ひだを切除すると目が内側に広がったように見えるため、結果的に目と目の間の距離が近くなるのです。
一般的に「左目の横幅:左目と右目の間隔:右目の横幅」が「1:1:1」で等間隔に近いほど、美しく見えるといわれています。
離れ目でお悩みの方は、目頭切開によりバランスがよく見える目の配置に近づけられます。
ただし目頭切開をしすぎると、寄り目がちになってバランスが崩れてしまうためご注意ください。
顔の印象が明るくなる
目頭切開により、表情を明るい印象に変えることができます。蒙古ひだが厚い方は、目頭が陰りやすく暗い印象に見えてしまうことがあります。
目頭切開により目頭の厚みのある皮膚をなくすことで、白目がはっきりと見える華やかな印象の目元に変えることが可能です。
目つきが悪く見える・きつい印象に見えるなどのお悩みを持つ方は、目頭切開により顔の印象を明るくできるでしょう。
大人っぽい印象になる
大人っぽい印象に変えられるのも、目頭切開による効果の1つです。
日本人は西洋人に比べて幼い印象を持たれることが多いですが、写真で見比べてみると目元の特徴の違いが大きいことがわかるのではないでしょうか。
シャープな目頭で大人びた顔立ちに見える西洋人に対して、蒙古ひだがある日本人は目元が丸っこく可愛らしい印象を持たれやすいといえます。
目頭切開により西洋人に近い切れ長の目元にすることで、顔全体の雰囲気を大人っぽくできます。
目頭切開のリスク
目頭切開は目元や顔全体の印象を良くする効果がありますが、医療行為のためリスクもあります。
詳しい手術方法は後述しますが、メスを使って皮膚を切開し、縫合するのが目頭切開です。
目頭は顔のなかでも特に目立つ場所であるため、考えられるリスクを認識し、万が一の場合の対応策も考えたうえで施術を受けるようにしましょう。
理想の仕上がりにならないことがある
目頭切開に限らず美容整形全般にいえることではありますが、完全に理想どおりの姿になることはできません。
手術前の理想や効果への期待が高すぎると、無理のある手術を行ってしまうことになりかねません。
例えば目頭切開では、目を大きくしたいために切開幅を広くしすぎると、寄り目になり不自然さが目立ってしまいます。
もとの顔立ちとのバランスが重要となるため、クリニックで実際に顔を見てもらいながらカウンセリングを受けることをおすすめします。
また仕上がりのイメージにずれがないよう、事前に担当医師とよく話し合うことも大切です。
左右差が出ることがある
目頭切開は左右の両方の目頭に対して施術するため、仕上がりに左右差が出ることがあります。
人間の目はもともと左右非対称であり、どのように気をつけていてもわずかな左右差が出てしまうことは知っておきましょう。
ダウンタイムが長い
目頭切開はメスを使う手術のため、美容整形手術のなかでもダウンタイムが長い部類に入ります。
個人差はありますが、患部が落ち着き自然な仕上がりになるまでは3ヵ月程度かかります。起こりうる代表的な症状は、痛み・腫れ・内出血・赤み・硬化などです。
手術中は麻酔により痛みはほぼありませんが、術後3~5日は軽い痛みがあります。クリニックによっては鎮痛剤を処方してもらうことも可能です。
腫れは術後3日前後が強く、徐々に引きながら3週間程度続きます。初期の腫れは患部を冷やすことで抑えられますが、濡らさないよう注意が必要です。
内出血は1~2週間程度で落ち着き、赤み・硬化がおさまるまでは3ヵ月程度かかることが予想されます。
しばらく傷跡が残る
目頭切開の手術でメスを入れた部分は傷跡になり、目立たなくなるまで1~3ヵ月程度かかります。傷の治り具合や傷口の目立ちにくさは切開法によっても変わりうるため、カウンセリング時に確認しましょう。
大抵の方は3ヵ月でほとんど傷跡がわからなくなる程度になじみますが、体質によっては白い線や赤く盛り上がった形で傷跡が残る場合があります。
また、傷が治る過程でかゆみが出ることがあります。傷口が開いてしまうため、かいたりこすったりしないようにしましょう。
目頭切開の手術方法
目頭切開の手術は目頭に局所麻酔をし、メスで切開(場合によっては切除)し、縫合する流れになります。手術時間は30~40分程度です。
目頭切開の際の代表的な切開法は、次の4種類です。
- W法
- Z法
- 三日月法
- リドレープ法(韓流切開法)
クリニックによっては対応していない切開法もあり、クリニックの方針や患者さんの状況に応じた術式が選ばれます。
W法は目頭をW型に切開し、蒙古ひだを切除して縫合します。後戻りしにくく、大きな変化をつけることが可能です。一方でダウンタイムが長く、切除を伴うためもとに戻せないというデメリットがあります。
Z法は目頭をZ型に切開し、角になった皮膚を入れ替えて縫合する切開法です。W法ほどの大きな変化はつけられませんが、皮膚を切除しないためある程度はもとに戻せる・ダウンタイムが短いなどのメリットがあります。
三日月法はあまり選ばれなくなっている方法です。蒙古ひだの部分を三日月型に切開・切除して縫合しますが、大きな変化をつけようとすると傷跡が目立ちやすくなってしまうためです。
リドレープ法は韓国で使われることが多く、韓流切開法とも呼ばれます。目頭から下まぶたまでを切開し、切除はせずに皮膚を移動させて縫合します。
傷跡が残りにくく後戻りしにくい点がメリットです。一方で、Z法やW法と比較すると変化の程度は小さくなります。
目頭切開と二重整形を同時に実施する場合は、形成する二重の形によって適した切開法を選ぶ場合もあります。
目頭切開の手術を受けた後の過ごし方・注意点
目頭切開の手術を受けた後、抜糸までの期間は日常生活に影響があります。手術当日に帰宅できますが、手術の7~10日後に来院し抜糸するのが一般的です。
手術を受けてから抜糸までの期間にどのような影響があるのか、その過ごし方と注意点を解説します。
なお制限期間はクリニックによって異なる場合があるため、実際に施術を行ったクリニックの指示に従うようにしてください。
洗顔・入浴
洗顔は水洗いであれば手術の翌日から可能です。洗顔料・石鹸を利用した洗顔は抜糸後から可能となります。
シャワーは手術の翌日から可能ですが、入浴は抜糸後まで控えましょう。浴槽への入浴は血行をよくし、傷の治りを遅くしてしまうためです。
メイク
アイメイク以外は当日から可能です。抜糸後までは拭き取りタイプのメイク落としを使うようにしてください。アイメイクは抜糸の翌日から可能です。
抜糸後に患部の傷跡や腫れが気になる場合は、アイメイクで隠すことができます。
運動
抜糸までは運動を控えましょう。傷口が開いてしまったり血行がよくなり腫れやすくなったりする可能性があるためです。
抜糸後は運動が可能ですが、様子を見ながら徐々に行うようにしてください。患部に痛みや違和感が生じた場合は、運動を中止しましょう。
仕事復帰
仕事の内容や痛みの程度によりますが、術後1週間~1ヵ月程度で仕事復帰が可能と考えるとよいでしょう。
人に会わずに済む仕事の場合は、鎮痛剤などを使用することで手術当日から復帰が可能です。人と接する仕事の場合は、抜糸までの1週間程度は休暇を取ることをおすすめします。
抜糸前は目頭に糸が残った状態で手術跡が目立つにも関わらず、メイクで隠すことができないためです。痛み・強い腫れ・内出血が起こる可能性が高く、仕事に集中できないことも考えられます。
1ヵ月程度で症状が治まり傷跡が目立ちにくくなることが多いため、可能であれば1ヵ月は休暇を取ると安心です。なお、コンタクトレンズの使用や飲酒は1週間後から可能です。
目頭切開で失敗した場合修正する方法はある?
目頭切開で失敗した場合は再手術で修正が可能ですが、完全にもとに戻すことは不可能です。目頭切開の効果は半永久的に続くため、自然にもとに戻ることはありません。
目頭切開の失敗例としては、変化が少なく効果が感じられない場合や、蒙古ひだを切除しすぎて寄り目になってしまった場合などがあります。
修正方法として代表的なのは、逆Z法・V-Y法・下眼瞼皮弁(フラップ)法などの方法です。目頭切開の手術時に皮膚の切除を伴う切開法をとった場合は、修正できる範囲が限られる場合があります。
修正の結果は不安定になりやすいため、修正が必要となるような過度な目頭切開をしないよう注意しましょう。
まとめ
一重まぶたの目頭切開は、平行型の二重整形の効果を高めるといわれています。一重まぶたのままでも、目頭切開により目の横幅を大きくすることや離れ目の改善が可能です。
明るく大人びた印象にできる目頭切開ですが、理想の仕上がりにならない・左右差が出る・ダウンタイムが長い・傷跡が残るなどのリスクもあります。
目頭切開は麻酔後に切開し縫合する流れで手術を行い、1週間後に抜糸が必要です。術後に通常の生活に戻るまでは1週間程度、自然な目元になるまでは3ヵ月程度かかります。
失敗した場合は修正が可能ですが再手術が必要となり、完全にもとに戻すことはできません。
一度の手術で済むよう、仕上がりのイメージを事前に担当医師と共有しておくことが大切です。
参考文献