鏡を見るたびにまぶたのたるみが気になる、視野が狭くなったなどで悩んでいませんか。
まぶたのたるみの原因はさまざまですが、1つには加齢による筋力の低下でまぶたのハリがなくなってきたことが考えられるのです。
なお、まぶたのたるみを眼瞼下垂といいますが、眼瞼下垂が進行すると頭痛や肩こりなどの症状が出ることもあるのです。
この眼瞼下垂の治療には二重の手術で行われる埋没法や切開法が効果があるといわれています。本記事ではまぶたのたるみの原因や二重の手術方法を詳しく解説します。
まぶたのたるみをどうにかしたいと悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
まぶたのたるみの主な原因は?
まぶたがたるむと視界が狭くなり見えづらくなるほか老けて見えるなど見た目の印象も変わってしまいます。
まぶたのたるみの主な原因とされるものに以下があります。
- 加齢による筋力の低下
- 皮膚のハリの低下
- 眼瞼下垂
この項では、3つの症状の原因を詳しくみてみましょう。
加齢による筋力の低下
1つ目は加齢による筋力の低下です。年齢を重ねると体中の筋力が低下しますが、まぶたの筋力も低下します。
上眼瞼挙筋の末端部の腱膜は伸びたり緩んだりしてまぶたを上下させていますが、加齢によってこの腱膜の弾力性がなくなってくるのです。
また、眼瞼腱膜はいったん伸びてしまうと弾力性を再生できないため、緩んだ腱膜を手術で持ち上げる必要があるでしょう。
皮膚のハリの低下
2つ目は皮膚のハリの低下です。体内にはヒアルロン酸やコラーゲンといった物質があり、これらが肌にハリや潤いを与えています。
年齢を重ねるとヒアルロン酸やコラーゲンの生成が衰え、皮膚のたるみを引き起こします。またまぶたはとても薄いので、アイメイクや洗顔でも日々ダメージを受け続けているとたるみやすくなるでしょう。
たるんだまぶたは上げづらいので、無理に上げようとしておでこの筋肉に負荷がかかるため頭痛・肩こり・眼精疲労が起きる原因となることがあります。
眼瞼下垂
3つ目の眼瞼下垂の原因は、加齢や先天性と後天性の2つに分けられます。後天性の原因としてはなんらかの病気の影響などが挙げられます。以下が主な眼瞼下垂の原因です。
- 先天性眼瞼下垂:生まれつき眼瞼の筋肉が弱い
- 腱膜性下垂:加齢・コンタクトレンズ・アトピー性皮膚炎・花粉症など
- 上眼瞼皮膚弛緩:皮膚のたるみ
- 筋原性下垂:筋緊張性ジストロフィー・重症筋無力症など
- 神経原性下垂:動眼神経麻痺・脳梗塞の後遺症など
上記のほかにも腫瘍や偽性眼瞼下垂(まぶたが重いので開けづらい)なども眼瞼下垂の分類としてあげられます。
まぶたのたるみによる二重の悩みは?
まぶたがたるむことにより一重まぶたの人が二重になったり、二重の人が三重まぶたになったりすることがあります。
これは加齢によってまぶたの脂肪が減少したり眼輪筋が伸びたりして、まぶたが下がることによって起こります。
そのため目が小さくなったように感じることや、視野が狭くなるなどの見た目の変化が気になってくるのです。
ここからは、まぶたがたるむことで生じる二重の人の悩みについて解説します。
幅が狭くなった
まぶたのたるみは二重ラインに変化が起きる場合があります。若い頃は眼輪筋の働きでまぶたがしっかり持ち上げられていますが、老化が進むとまぶたの筋力も低下するのです。
そのため、まぶたの重みで二重の幅が狭くなることやラインの数が増えることがあります。
自力でまぶたを持ち上げられれば元のきれいなラインを取り戻せるのですが、伸びた腱膜が自然に修復されることはないため難しいでしょう。
元のラインに戻したい場合は、まぶたにヒアルロン酸の注入を施すことで潤いとハリを与えるか二重の手術が必要になります。
くぼみができてしまった
まぶたのくぼみの原因として考えられるのは眼窩脂肪の減少と眼輪筋の低下です。この2つは以下の理由によって生じます。
- 加齢
- 体重減少
- パソコンやスマートフォンの長時間の使用
- 眼瞼下垂
まぶたのくぼみは疲れた印象や老けた見た目になります。加齢以外の原因は生活習慣を改善することである程度は改善する見込みがあります。
また、眼輪筋を鍛えたり血流を促したりするのもくぼみ解消につながるので、日頃から意識して眼輪筋を動かしてみるとよいでしょう。
まぶたのたるみは埋没法で改善できる?
まぶたのたるみを改善する方法に埋没法があります。埋没法というのは二重まぶたの美容外科手術で行われるもので切らずに行う手術です。
切開法に比べて手術時間やダウンタイムが短い傾向にあり、手術費用も抑えられるでしょう。ただし、埋没法が適さないまぶたがあります。
- まぶたが分厚い
- まぶたの脂肪が多い
- 目をこする癖がある
埋没法は細い医療用の糸でまぶたを固定させる手術です。上記のような条件がある場合は糸が緩む可能性が大きいので埋没法の手術はできないと判断されることがあります。
埋没法の特徴
二重手術の埋没法は手術時間が短くリスクも少ない傾向にあるため、整形が初めての人にも受け入れやすい施術といえるでしょう。以下で埋没法がおすすめな人を紹介します。
- 二重の整形が初めて
- 皮膚切開に抵抗がある
- 普段から二重ラインを作っている
- 二重の左右のバランスが悪い
- まぶたの脂肪が少ない
上記は埋没法で二重ラインが形成しやすい人です。埋没法は仕上がりに満足できない場合はもとに戻すことも可能です。
切らずに二重にできる
埋没法は、皮膚を切らずに重瞼線の裏側と上眼瞼挙筋の間を医療用の極細の糸をつなぎ合わせて固定することで二重を作ります。
糸は皮膚内部に埋め込まれるので外部から見えることはありません。埋没法には2つの施術方法があります。
- 挙筋法=上眼瞼挙筋とまぶたの皮膚を結ぶ方法
- 瞼板法=まぶたの内側の瞼板と皮膚を結んで糸を固定する方法
なお、瞼板法は瞼板が硬いため挙筋法より糸が緩む可能性が少なくなります。
手術時間が短い
埋没法の施術時間は約15~20分と短く、手術の負担が少ないのが特徴です。
手術を行う際は、点眼麻酔や笑気麻酔で局所麻酔の注射の痛みを軽減します。そのため、痛みに弱い人も安心して手術を受けることができるでしょう。
手術に使用する針や糸は、内出血を抑えるために極力細いものを使用しています。手術後は帰宅して患部を暖め過ぎないようにするとよいでしょう。
なお、腫れが引けば術後2~3日程で目元のメイクも可能になります。
腫れが少ない
埋没法は切開をしないので腫れは少ない方ですが、まぶたはデリケートな部分のため手術後2、3日は強い腫れがでることがあります。
一般的には術後1~2週間程で腫れがひいていきますし、抜糸の必要もありません。そのため、学校や会社などで長期間休めない人や周りに知られたくない人におすすめです。
また、埋没法は眼瞼下垂が起きにくく腫れも少ないというメリットがあります。
瞼板法は、眼瞼下垂が起きにくいため手術前の状態に戻ったりラインの幅が変わったりすることがほとんどありません。
ただし、まぶたの裏側に糸がでるので眼球の傷つきには注意が必要です。
埋没法を希望する場合は、瞼板法と挙筋法のどちらを選択するかはメリット・デメリットを考慮して担当医とよく相談して決めましょう。
糸が取れてしまうことがある
埋没法は、切開法と比べると固定力が弱いのでまぶたが厚い人は糸が緩んだり取れたりして元の状態に戻ってしまうことがあります。
また、埋没法は糸が外れてもやり直しがききますが、何度も施術をするとまぶたに糸が溜まりすぎて負担が大きくなります。そのため、埋没法の再施術は3~4回程が限界です。
埋没法はまぶたから糸を回収することも可能ですが、手術後の経過日数に応じて難易度が上がるので取り出すことができない場合もあります。
このようなことから、まぶたに脂肪が多い人や厚い人には埋没式は向いていないと考えられます。
その場合は、脂肪切除やたるみの切除ができる切開法を検討してみるとよいでしょう。
二重術の埋没法と切開法の違いは?
上記の解説からわかるとおり、埋没法は手軽な二重の施術方法といえるでしょう。。
その反面、埋没法には向き不向きな人がいるのも事実ですが、どうしてもまぶたの切開に抵抗があるという人は埋没法を試してみてもよいでしょう。
ただし、切開法が半永久的な効果の持続が期待できる一方、埋没法は個人差はあるものの持続期間に限りがある場合があります。
そこで、ここからは埋没法と切開法という2つの二重の施術方法を比較しながらそれぞれの特徴を解説します。
埋没法と切開法のどちらの施術を受けるか迷われているのなら、ぜひ参考にしてください。
手術の方法
埋没法の手術は、希望する重瞼線の裏側と上眼瞼挙筋または瞼板を医療用の極細針と強度のある糸で数ヵ所結び目を作って二重を作る方法です。
挙筋法と瞼板法の2つの施術方法があります。なお、埋没法で作った二重は仕上がりに満足できなかった場合にはやり直しやもとに戻すことが可能です。
一方、切開法は皮膚を切開し、切開部より瞼板や挙筋腱膜と皮下組織を縫い合わせる手術です。
まぶたが厚く埋没法が向いていない人も切開法だと希望する二重を作ることができるでしょう。ただし、仕上がりに満足できなかったとしてももとに戻せません。
手術時間
埋没法の手術時間は10~20分程度になります。そのため体への負担が少なくて済みます。一方の切開法の手術時間は60~90分程かかるのが一般的です。
なお、埋没法は抜糸の必要がなく内出血による腫れが引くのを待つだけですが、切開法は術後1週間程して皮膚の癒着がみられたら抜糸をします。
また、埋没法では二重の幅を0.5mm単位で決めることができますが、患者さんの顔立ちごとに適した二重幅が異なるので事前のシミュレーションで確認してください。
ダウンタイム
埋没法のダウンタイムですが腫れのピークは2~3日程で、内出血などが治まるまでには2週間程かかります。埋没法の術後に現れる症状は以下のものがあります。
- 瞼板の痛み
- 微熱
- 腫れ
- ゴロゴロする
- 内出血
- ひきつれ感
- 目の乾燥
細かい赤みを含めても、2週間程度で落ち着くでしょう。切開法の副作用とダウンタイムは以下になります。
- 痛み・微熱:1週間程
- 腫れ・内出血:1~2週間程
- 傷口の赤み:3ヵ月程
ダウンタイムには個人差がありますが、まぶたは腫れやすいため麻酔が切れると鈍痛が生じることがあります。
鎮痛剤の処方も可能なため痛みが我慢できない時は担当医に相談しましょう。
費用
美容外科で二重の手術をする場合は審美性も兼ねた手術をするため、自由診療となり保険の適用外になります。
埋没式の一般的な手術費用は10万円(税込)前後で、切開法では25万~60万円(税込)程度です。施術の難易度によって加算される場合があります。
自由診療では使用する薬剤や施術範囲などのさまざまな条件により費用が変動します。詳しくは施術を希望する医療機関に問い合わせましょう。
埋没法はプチ整形とも呼ばれ、施術が簡単なため、切開法よりも費用が抑えられます。
眼瞼下垂であれば保険の適用が可能ですが、その場合は主な目的が治療に準ずるため審美性を重んじることはできません。
まぶたのたるみをセルフケアで改善する方法はある?
まぶたのたるみのセルフケアを紹介します。まぶたのたるみは眼輪筋のゆるみが原因で起こるのです。
眼輪筋はパソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることも筋肉が固まってしまい、まぶたのたるみの原因を作ることになります。
眼輪筋を鍛えるセルフケアを5つ紹介します。
- 目を細める:下まぶたに力を入れて細めて20秒キープ5回
- ピースサイン:人差し指を目尻、中指を目頭にあてて目線を上げながら持ち上げる10回
- ウインク:左右各5回
- まばたき:目だけ上・下・右・左の順で向いて各5回まばたきをする
- 眼球を動かす:目を開いて∞を書くように眼球を動かす左右5回
いずれも1日3セットずつ行うとよいでしょう。
まぶたのたるみのセルフケア2つ目は目元の保湿ケアです。乾燥を防ぐためにエイジングケア効果や保湿力の高いアイクリームを使用してマッサージを行います。
その時はあまり力を入れ過ぎないようにしましょう。そして、まぶたのたるみ改善のためのセルフケア3つ目は食生活の改善です。
食生活を改善すると体内からたるみのケアを促すことができます。肌にはコラーゲン・アミノ酸・ビタミンCをバランスよく取ることが大事です。
- コラーゲン:ゼラチン・手羽先・フカヒレ・牛すじ・鶏皮など
- アミノ酸:マグロの赤身・アジ・さんま・鰹・鶏肉・牛肉・卵
- ビタミンC:柑橘類・赤ピーマン・緑ピーマン・キウイ・ブロッコリー
まぶたは乾燥することでもたるみの原因となります。上記の食品を積極的に摂取することで肌やまぶたに潤いとハリを与えることが期待できるでしょう。
まとめ
本記事では、二重を作る際の埋没法と切開法の違いやまぶたのたるみの原因について解説しました。
まぶたがたるむことで、視野が狭まり物が見づらくなったり、見た目が老けて見えたりするなど気になる点が出てくるでしょう。
その場合、まぶたのたるみ取りの施術で改善することができますが、前述の眼瞼下垂が生活に支障があると判断されると健康保険が適用されます。
ただし、保険適用の施術には審美性は組み入れられません。費用はかかりますが審美性も希望するのであれば美容外科などで相談することをおすすめします。
なお、まぶたがたるむのは多くの場合加齢が原因ですが、早い段階で保湿ケアやストレッチなどで眼輪筋を鍛えることで進行を遅らせることができます。
セルフケアで改善できない場合は、本記事を参考に二重の施術でまぶたのたるみを改善する方法も検討していただければ幸いです。
参考文献