豊胸手術にはいくつか種類がありますが、そのひとつがシリコンバッグ豊胸と脂肪注入豊胸を掛け合わせたハイブリッド豊胸です。比較的新しい豊胸手術であるハイブリッド豊胸とはどのような手術なのでしょうか。ほかの豊胸手術と合わせて、その内容やメリット・デメリットを確認しておきましょう。また、ハイブリッド豊胸を受けるクリニックの選び方のコツもご紹介します。事前にしっかりと情報を整理しておくことで、満足のいく施術につながるはずです。
豊胸手術の種類
豊胸手術は、シリコンバッグ豊胸手術、脂肪注入豊胸手術、ヒアルロン酸豊胸手術の3種類が基本です。そこへ、より自然な見た目にすることができるハイブリッド豊胸手術という比較的新しい手術方法が加わりました。それぞれの特徴を見ていきましょう。
シリコンバッグ豊胸手術
シリコンバッグ豊胸手術は、豊胸手術の中でも特にポピュラーな方法の一つです。この手術では医療用のシリコンバッグを乳房内に挿入し、バストのボリュームを増やします。シリコンバッグ豊胸手術の最大の特徴は、即効性がある上に望むサイズや形状に近づけやすいことです。シリコンバッグの種類は多岐にわたり、患者さんの体型や希望に合わせたカスタマイズが可能です。
シリコンバッグの挿入には主に二つの方法があります。一つは乳輪の下部からの挿入で、もう一つは脇の下からの挿入です。乳輪下の手術では傷跡が目立ちにくくなるという利点がありますが、術後の感覚に影響がある可能性があります。一方、脇の下からの手術では傷跡が隠れやすく、乳房の感覚に影響が少ない傾向があります。
ただし、シリコンバッグ豊胸手術にはいくつかのリスクも存在します。例えば、バッグの破損や漏れ、体への拒絶反応、乳房の硬化などが挙げられます。また、定期的な検査が必要であったり、長期的に考えるとバッグの交換を続ける必要があることもあります。
脂肪注入豊胸手術
脂肪注入豊胸手術は、自分の体の脂肪を利用することでより自然な仕上がりを目指す手術方法です。体の他の部分から採取した脂肪を乳房に注入することでバストのボリュームを増やします。
脂肪注入豊胸手術の大きな特徴は、人工物を使用しないため体への拒絶反応が少ないことです。また、触り心地が非常に自然で見た目も自然な仕上がりとなります。さらに、脂肪吸引により体型のシェイプアップも期待できるため、トータルでのバランス改善が可能です。
しかし、この手術にも注意点があります。まず、注入できる脂肪量には限りがあるため、大幅なサイズアップを望む方には不向きかもしれません。また、採取した脂肪の一部は体に吸収されるため、効果が安定するまでには時間がかかることがあります。さらに、脂肪を採取する部位によっては、その部位の形状に変化が生じる可能性もあります。
ハイブリッド豊胸手術
ハイブリッド豊胸手術は、シリコンバッグと脂肪注入の両方の利点を併せ持つことが最大の特徴です。つまり、シリコンバッグによる即効性と、脂肪注入による自然な仕上がりを同時に得ることができるのです。
手術の流れとしては、まず小さめのシリコンバッグを挿入し、その周囲に自己の脂肪を注入する形で行われます。これにより、バストに必要なボリュームはシリコンバッグが提供し、かつ脂肪注入によってバスト全体の柔らかさや自然な動きを実現できます。この2つの組み合わせにより、人工的に見えがちなシリコンバッグ豊胸手術の欠点がカバーされ、より自然なバストを作り出すことが可能になります。
ハイブリッド豊胸のメリット
ハイブリッド豊胸手術は、シリコンバッグ豊胸手術と脂肪注入豊胸手術を合わせたものです。2つの手術の良いとこ取りですが、具体的にはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
自然な触り心地
ハイブリッド豊胸手術の最大のメリットの一つは、触り心地が自然な仕上がりになることです。シリコンバッグだけの使用に比べて、脂肪注入を組み合わせることで、より柔らかく自然な触感を実現することが可能です。ハイブリッド豊胸手術では、シリコンバッグが必要なボリュームを提供し、脂肪がその周囲を覆う形で注入されるため、本来の乳房のような柔らかさを実現できます。このため、自然な感触を重視する方には特に適した手術方法と言えるでしょう。
違和感のない見た目
ハイブリッド豊胸手術は、見た目の自然さも大きな魅力です。シリコンバッグによってハリのある形状が土台にでき、その上に脂肪注入による柔らかな輪郭が組み合わされることになるため、乳房の自然な曲線美を表現できます。バストの全体的な形状や輪郭が改善され、違和感のない自然な外観を実現することが可能です。特に、服を着たときの自然なラインが他の方法に比べて優れていると評価されています。
微調整可能
ハイブリッド豊胸手術は微調整が可能であるという点も重要なメリットです。シリコンバッグの大きさや形状、脂肪の量や注入する位置を調整できるので、患者さん一人ひとりの希望に合わせたカスタマイズが行えます。これにより、患者さんの体型や希望するバストのイメージに合わせて細かいデザインが可能になります。結果として、より満足度の高い結果を得ることができるというわけです。
ハイブリッド豊胸のデメリット
理想的なバストに加え、自然な見た目や触り心地が実現できるハイブリッド豊胸手術ですが、デメリットもあります。ハイブリッド豊胸手術のデメリットについて知っておきましょう。
高い費用
ハイブリッド豊胸手術の最も大きなデメリットの一つは、費用の高さです。シリコンバッグと脂肪注入の両方を組み合わせるため、それぞれの手術に必要な費用が加算されます。さらに、高度な技術と経験を持つ医師が必要なため、その分のコストも上乗せされることが一般的です。結果として、他の豊胸手術と比較して治療費が高額になりがちです。
ダウンタイムの重さ
ハイブリッド豊胸手術のもう一つのデメリットは、ダウンタイムの重さです。シリコンバッグの挿入と脂肪注入の両方を行うため、単一の手術よりも回復に時間がかかることがあります。特に、脂肪注入部分での腫れや痛みが長引くことがあり、完全に落ち着くまでには数週間を要する場合があります。また、術後は定期的なフォローアップが必要で、日常生活への影響も大きくなる可能性が高いです。仕事やプライベートのスケジュールを考慮し、ダウンタイムを十分に取れるタイミングで手術を受けることが望ましいでしょう。
ハイブリッド豊胸の副作用と注意点
ハイブリッド豊胸はメリットも多い手術ですが、手術における副作用や注意点もあります。手術を検討している場合は、事前にリスクを知っておきましょう。
副作用
ハイブリッド豊胸手術は、術後2週間程度は腫れや内出血が起きやすくなります。ただし、腫れや内出血が現れても徐々に落ち着いていきますので、安静を心がけてゆったりと過ごしてください。また、シリコンバッグを入れたことで、元の胸の左右の形や大きさの差が強調されることや、バッグの周辺にペコペコとした感覚が生じること、まれですがバッグが破損することがあります。また、治癒の過程で皮膚が硬く感じられることがありますが、3～6ヶ月程度は様子を見ましょう。
身体の副作用としては、乳輪や乳頭に知覚異常をきたす場合があります。また、まれではありますが麻酔による副作用や感染のリスクがあります。ほかにも傷跡が目立ったり、しびれなどの神経障害が出たりする可能性もあります。気になる点があれば、担当医に相談しましょう。
注意点
手術後は、清潔や安静を維持するのが最優先です。ハイブリッド豊胸手術では、シャワーは翌日から可能ですが、傷口は優しくこすらないようにしましょう。入浴は術後1週間経ち、抜糸をしたあとから可能となります。なお、抜糸するまでは飲酒・喫煙を控えるようにしてください。
美しいバストを保つために、バストバンドは医師の指示に従ってしっかりと着用しましょう。医師が許可するまではブラジャーの着用も控えるようにしてください。なお、変形してしまう可能性がありますので、術後3ヶ月程度はバストマッサージを控えておくほうが良いでしょう。
ハイブリッド豊胸の施術の流れ
ハイブリッド豊胸手術とはどのような流れで行われるのでしょうか。手術前のカウンセリングから、手術後のアフターフォローまで、ハイブリッド豊胸手術の施術の流れをご紹介します。
カウンセリング
まずはカウンセリングで、医師に悩みや希望をしっかりと伝えるようにしましょう。豊胸手術のプロが、理想の胸の形やボディラインに合った方法を提案してくれます。しっかりと話を聞いてくれるか、信頼できる医師かどうか、カウンセリングで見極めることも大切です。
手術説明
担当する医師から、具体的な手術の方法や副作用、術後の経過について説明を受けます。手術説明の際に、施術や契約内容を曖昧にしてしまうと、後々のトラブルにもなりかねません。疑問点や不安点などは必ず事前に確認して、納得した上で手術に臨みましょう。
施術
まずは脂肪吸引のためのマーキングを行います。麻酔後に、皮膚に小さな穴を開けて、脂肪吸引する部位に薄い局所麻酔を撒布します。必要な分の脂肪を吸引しながら、吸入部の美しいボディラインを形成していきます。なお、採取した脂肪細胞は不純物を取り除いておきます。 バスト部分にシリコンバッグを挿入したあと、バストのデザインを確認しながら脂肪を注入し、理想のバストを作りあげていきます。
術後診察
手術後は脂肪吸引部位の血腫予防のために、同部を圧迫します。麻酔からの回復状態や後出血の有無を確認してから、基本的には当日に帰宅可能です。術後の状態によって痛み止めなどを処方してもらうこともできます。
アフターフォロー
アフターフォローとして、基本的には術後7日目と術後1ヶ月頃に診察を受けます。診察の際には、バストラインや脂肪吸引した部位の腫れや内出血などを確認します。不安点や疑問点があれば、検診の際に担当医師に相談しましょう。
ハイブリッド豊胸を受けるクリニックの選び方
ハイブリッド豊胸手術は決して安い費用ではありません。理想のバストの実現はもちろん、副作用やリスクがある中で手術をするのなら、クリニック選びにはこだわることが大切です。ここではハイブリッド豊胸手術を受けるクリニック選びのポイントをご紹介します。
症例写真を確認する
クリニックを選ぶ際には、そのクリニックでの症例写真に目を通しておくと良いでしょう。実際の症例写真を見ることで、自分の理想のイメージを明確にすることができますし、理想の形がまだ定まっていない方にとっても参考になります。こうなりたいという理想の姿がある方は、症例写真を見て自分のイメージと近いかどうか確認しておきましょう。症例写真がしっくりくるかどうかで、医師との相性を見ることもできます。何となく症例写真を見るのではなく、細かい部分や医師の技術・センスに注目して見てみることをおすすめします。
医師の経歴や経験を確認する
ハイブリッド豊胸手術に限らず、美容整形において成功の鍵となるのは医師の技量です。しかし、数あるクリニックの中から高い技術力を持つ医師を探すのは至難の業と言えます。専門知識がない状態でどの医師の技術力が高いかは判別できないことがほとんどでしょう。
医師選びの際にひとつの目安となるのが経歴・実勢・症例数です。高い技術力を持つ医師は経験豊富である傾向にあります。実際に多くの患者に対応してきた医師であれば、安心して任せることができるでしょう。ハイブリッド豊胸手術を希望するなら、ハイブリッド豊胸手術の実績を多く持つ医師を探すようにして、その内容をチェックすることをおすすめします。医師の経歴や実績、症例数はクリニックのホームページに記載されていることが多いものです。医師が個人で運営しているSNSなどにプロフィールや症例写真を掲載している場合もあります。気になる医師やクリニックを見つけたら、ホームページやSNSをチェックしておきましょう。
カウンセリングを受ける
美容整形においては担当医師との相性や信頼関係の構築が重要なポイントになります。事前調査で気になる医師を見つけたら、実際にカウンセリングを受けてみると良いでしょう。ネットなどの情報も大切ですが、実際に会ってみると印象が変わることも多いものです。本人と会って話してみて、自分の理想を叶えてくれるかどうかを見極めましょう。最近では無料カウンセリングを行っているクリニックが多いので、気軽に受けることができます。
また、カウンセリングの際には、こちらの相談に親身に乗ってくれるか、質問に対して真摯に回答してくれるか、希望や要望をよく聞いてくれるかなど、安心して任せられるかどうかも合わせてチェックしておきましょう。
まとめ
豊胸手術の種類のうち、シリコンバッグ豊胸と脂肪注入豊胸を合わせたのがハイブリッド豊胸手術です。ボリュームを出しつつ、自然な仕上がりにできるのがハイブリッド豊胸手術の魅力です。ただし、ハイブリッド豊胸手術は美しい理想のバストを実現できますが、デメリットがあることも理解しておきましょう。手術を検討している場合は、医師選びにもこだわるのが成功のコツです。事前に医師の経歴や実績、症例などをよくチェックして、相性の良い医師を見つけましょう。
参考文献
電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。