年々、美容医療において見た目の美しさへの注目が男女問わず高くなっています。特に目は人の視線を集める部位であり、大きくぱっちりとした目が美しいとされてきました。
ほとんどの日本人は一重であり、外見の印象の向上のために美容医療で二重にする方も多くいます。
この記事では、目の大きさを変える方法の1つである目頭切開について見ていきます。
目頭切開だけでなく、二重整形を一緒に行うことができ、目元を優しい印象に変えることも可能です。
手術を考えているけど目元にメスを入れる手術に対して、不安に感じる方もいるでしょう。
少しでも不安を軽減できるよう、目頭切開の経過・ダウンタイム・仕事復帰についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目頭切開手術の痛み
目頭切開の手術とは、日本人の8割以上の人に見られる蒙古襞(もうこひだ)を切開する手術です。
蒙古襞は目頭を覆っているため、切開することでパッチリとした大きな目に見せることができます。
小さな傷で目元の印象を自然に変えることができるため、注目を集めている美容整形の1つです。手術をする際には麻酔を使用し、痛みを感じないようにして行います。
麻酔が効いていれば、痛みは感じませんが、効果が切れてくると痛みを感じはじめます。では、麻酔前後と抜糸時の痛みを見ていきましょう。
麻酔を行う時の痛み
目頭切開の手術を行う前に、麻酔を行っていきます。局所麻酔を使用するため、注射器で目頭に麻酔薬を注入します。針を刺して行うため、注射の針を刺す時に痛みが生じるでしょう。
また、麻酔薬を注入する際にも痛みが生じることがあります。注射をした後は、麻酔の効果を確認しながら、必要に応じて麻酔薬を追加します。
追加の麻酔を注射する際には麻酔が効いているため痛みは感じません。クリニックによっては、切開する部位に表面麻酔を貼り付けるところもあります。
ほかにも、目薬タイプの麻酔を使用し、さらに痛みを感じないようにするクリニックもあります。
麻酔が切れた時の痛み
手術が終了し2〜3時間経過すると麻酔が切れてくるため、ズキンズキンといった痛みが出現します。
施術後を含め、3〜5日程は痛みを感じるでしょう。
ほとんどのクリニックでは、施術終了後に化膿止めや痛み止めを処方してくれるため、適宜内服しながら経過を観察していきます。
ただし、服用した薬による体調の異常や痛みが治まらない場合はすぐに施術したクリニックにご相談ください。
抜糸のときの痛み
目頭切開の手術をしてから約5〜7日後に抜糸します。縫合した糸をピンセットでつまみながらハサミで切っていきます。
抜糸する際の痛みはほとんどありません。ほとんどの方は術後7日で抜糸しますが、目頭の状態によってはさらに1週間程開けて抜糸を行うこともあります。
目頭切開手術後の痛みはどのくらい続く?
目頭切開の手術後の痛みは、術後3〜5日程続くでしょう。
ほとんどの場合、クリニックから痛み止めも処方してもらえるため、痛みを感じたときには薬を内服しコントロールしていきます。
また、市販薬の痛み止めでも効果はあるでしょう。
しかし痛み止めが効かなかったり、痛み止めを飲んだことによる体調不良を起こしたりした方は、すぐに手術したクリニックに連絡し、診察してもらいましょう。
目頭切開手術後の経過
手術を受ける方のほとんどは、仕事をしていたり、学校に通っていたりする方ではないでしょうか。
なるべく周囲の人たちに手術をしたことを知られたくないと、考えている方も少なくありません。
手術後には一時的ですが、ダウンタイムや切開した部分の清潔を保つために生活を制限する必要があります。
制限に備えて、手術の前にあらかじめ仕事などのスケジュールを調整しておくことも大切です。では、目頭切開の手術後の経過を見ていきましょう。
術後1週間
施術した直後には、切開した部分に内出血が見られたり、腫れたりする場合があります。
麻酔が切れてくると痛みも出現してくるでしょう。
しかし、これらの症状は5日程で改善することがほとんどです。術後7日程経過し、創部に問題がなければ抜糸します。
抜糸する前はアイメイクができませんが、抜糸後からアイメイクが可能です。
そのため、傷痕を隠すこともできます。ほかにも、手術をしてから以下のような注意点があります。
- 目元にシャワーを当てない
- 極力入浴を控える
- 過度な飲酒はしない
- 煙草を控える
- 激しい運動は避ける
普段の生活でコンタクトレンズを使用している方は、術後3日程使用ができません。コンタクトで生活している方は、眼鏡の準備もしておきましょう。
また、切開した部分が完全に塞がるまでは、細菌やウイルスなどによる感染症を起こしやすい期間でもあります。
感染症を予防するために手術後には化膿止めを処方されるため、飲み切るようにしましょう。
術後1ヵ月
術後1ヵ月経過すると、傷跡はきれいに治っていることが多いでしょう。赤みが残ることもありますが、自然に軽快していくので、過度に心配する必要はありません。
手術を受けた方のなかには、ほとんど完成に近いような目元になる方もいます。傷跡が残っていても、コンシーラーやファンデーションでカバーできる程度の傷です。
また、術後2週間〜1ヵ月を過ぎると、特に日常生活や運動の制限はありません。目元に症状が残っている方は、刺激をなるべく与えないように生活していくとよいでしょう。
術後3ヵ月
術後3ヵ月過ぎると傷痕の赤みも落ち着き、周囲の皮膚の色と大差ない状態まで回復します。赤みが続きやすい方だと、6ヵ月程改善までに時間がかかることもあります。
また、傷の治りが遅い方も、傷跡が気にならない状態になるまで6ヵ月程かかるでしょう。ダウンタイムの症状や傷跡の治りには個人差があります。
傷跡が化膿したり痛みが悪化したりしなければ、定期的な診察を受けながら様子を観察していきましょう。
目頭切開手術のダウンタイムについて
目頭切開の手術は30〜40分程で終了し、クリニック内で術後30分程休息を取り、その日のうちに自宅へ帰宅できます。日常生活に支障をきたす程の重たいダウンタイムはほとんどありません。
目頭切開の手術で使用される手術方法は、Z型形成法とW型形成法(内田法)などが挙げられます。
- Z型形成法:眼が下の蒙古襞にZ型に切開し、2つの三角形の皮弁を入れ替える方法
- W型形成法:Z型形成法よりも蒙古襞を大きく除去する方法。目は大きく開きやすくなるが、傷跡が残りやすいデメリットもある
皮膚の切開方法が異なり、施術時間は大差ありませんが、W型形成の方がダウンタイムにかかる期間はやや長い傾向があります。
また、目頭切開のダウンタイムは1〜2週間程度で、内出血や腫れなどの症状が現われます。では、ダウンタイムの期間と症状を順番に見ていきましょう。
ダウンタイムの期間
ダウンタイムの期間は約1〜2週間です。しかし、目頭切開の形が定着するまでには3〜6ヵ月程かかります。
ダウンタイム中は、目元や傷跡には触らないようにするのが大切になります。
創部を触ることで、傷から細菌やウイルスによる感染症を発症するリスクがあるためです。
傷跡や縫合している糸が気になったり、症状が気になったりしても、ダウンタイムの期間は必要以上に触らないことが大切です。
ダウンタイムによく出る症状
ダウンタイムによく出る症状は、痛み・内出血・腫れなどです。痛みのほとんどは、痛み止めの内服でコントロールできます。
- 痛み:術直後から数日間
- 内出血:術直後から1~2週間程度
- 腫れ:術直後から1~2週間程度
また、内出血や腫れは時間経過で軽快することがほとんどです。ほかにも、傷跡の赤みがでたり、皮膚が硬くなったりしますが3ヵ月程で改善するでしょう。
内出血や痛みなどの症状を抑える方法として、保冷剤などを使用して冷やす方法があります。冷やすことで血管が収縮し、症状の軽減につながります。
万が一、傷跡から膿が出てきたり、赤みや痛みが改善しない場合は担当した主治医に相談しましょう。
目頭切開手術の仕事復帰までの期間
目頭切開の手術をしても、日々の生活や仕事に支障がでる程のダウンタイムはないため、翌日から仕事が可能です。
しかし、術後は抜糸するまでアイメイクは行えません。目頭の傷跡をメイクで隠せないため、どうしても傷跡が目立つ可能性があります。
周囲に手術を行ったことを知られたくない方は、仕事を休んだり、在宅で仕事したりすることをおすすめします。
ほかにも、大型連休や年末年始に目頭切開の手術を行う方法も検討してもいいかもしれません。また、あらかじめ外出しなくてもいいように買い物などを済ましておくこともおすすめです。
目頭切開手術の効果やリスク
傷跡は目立たなくなるとはいえ、一時的に目頭には本来はない傷ができてしまいます。しかし、目頭を切開することで、目元の印象や悩みを解決できるメリットがあります。
目頭切開の手術をはじめ、どのような手術でも、100%安全で副作用がない手術はありません。ここでは治療の効果はもちろんですが、手術によるリスクも踏まえて確認していきましょう。
効果:優しい印象に見せることができる
目頭切開で目頭に丸みが出るように切開することで、目元を優しい印象に見せることができます。また、若々しいような印象も与えられます。
目頭を少し切開しただけでも、目の形が変化し自然にイメージチェンジできるでしょう。
多くの方が美しいと感じる目元は、左右の目の幅とその間の距離が「1:1:1」の比率であるとされています。
目だけでなく、口や鼻などの顔のパーツとのバランスももちろん大切です。
効果:目を大きく見せることができる
目頭切開を行うことで目の横幅を広げることが可能です。蒙古襞により、目元に幼い印象を与えやすくなります。
切開により眼の横幅が広がると目が大きく見えるようになり、目力も上がります。
幼い印象の目元から、大人な印象の目元へと変えることが可能です。また、二重にしたい方や二重の形を整えたい方にも目頭切開はおすすめできます。
蒙古襞を切開していない場合だと、蒙古襞に引っ張られてしまい、二重の形が崩れてしまうことがあるためです。
目頭切開に二重整形を加えることにより、幅広二重や平行二重のようなよりパッチリとした目元になるでしょう。
効果:離れ目を解消する
日本人は目頭の上にまぶたが重なっている「蒙古襞」の方が多くいます。蒙古襞によって左右の目の間隔が開くことで、離れ目になっているかもしれません。
目頭の切開により離れ目を解消でき、左右のバランスが取れた目元になるでしょう。
切開する幅は数mm程ですが、目元の印象は大きく変わります。離れ目で悩んでいる方は、目頭切開を検討してみてはいかがでしょうか。
リスク:傷跡・赤みが落ち着くまでの期間が長い
目頭切開の手術では、皮膚を切っているため、傷跡や赤みが落ち着くまでの時間がかかることがあります。
術後1ヵ月で症状の改善が認められることが多いですが、症状の改善までに3〜6ヵ月かかる方もいます。
ほとんどの場合、メイクで隠すことができる程度の赤みや傷跡のため、仕事や外出時にはメイクで隠すことがおすすめです。
傷跡や赤みは時間とともに改善するので、焦らずに経過を観察していきましょう。
リスク:理想の仕上がりにならないこともある
離れ目ではない方が目頭の切開を行うと、目元の印象がきつくなったり、寄り目になったりするかもしれません。
ほかにも、理想の仕上がりについて以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
- 目頭の開きが足りない
- 目頭の形に左右差がある
- 目頭が見えすぎている
- 平行型の二重にならない
理想の仕上がりにならなかった時の残念に感じる気持ちは、想像以上といえるでしょう。
自分の理想を叶えるためには、手術前のシミュレーションで担当の医師と細かく打ち合わせを行うことが大切です。
また、手術方法にもよりますが、修正が可能な場合もあります。修正についても、あらかじめ主治医やクリニックに確認しておくことをおすすめします。
まとめ
ここまで目頭切開の経過・ダウンタイム・仕事復帰について解説しました。目頭を数mm切開するだけでも、目元の印象は大きく変化するでしょう。
離れ目の方・目元の印象を変えたい方におすすめの美容医療です。目頭切開と同時にできる手術は二重整形だけでなく、目尻切開・涙袋形成も行えます。
目元以外に整形したい部分があれば、パーツのバランスを考えながら行うことがおすすめです。
ダウンタイムも少なく、ナチュラルな変化を得られるため、「周りの方に知られたくない」と考えている方にピッタリの方法です。
自分自身が理想としている目元になるために、まずはカウンセリングができるクリニックに受診してみてはいかがでしょうか。そして、目頭切開で理想の目元を手に入れましょう。
参考文献