ヒアルロン酸注射には副作用があるのでしょうか?
本記事ではヒアルロン酸注射の副作用について以下の点を中心にご紹介します。
- ヒアルロン酸注射で起こる可能性がある副作用
- ヒアルロン酸注射で起こる可能性がある重篤な副作用
- 適切にヒアルロン酸注射を受けるために
ヒアルロン酸注射の副作用について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
ヒアルロン酸注射で起こる可能性がある副作用
- ヒアルロン酸注射の副作用で内出血が起こった場合、どのくらいで良くなりますか?
- ヒアルロン酸注射は、皮膚に注射針を刺す美容施術のため、内出血が副作用として生じる場合があります。内出血は、注射針が皮膚の下の血管を破ることで発生し、施術直後よりも翌日以降に現れやすいです。
内出血は、血管が破れて血液が周囲の組織に漏れ出る状態を指します。この血液は徐々に体内に吸収され、肌の色も元の状態に戻ります。肌表面の色は、最初は青紫色で、次第に黄色に変わり、最終的には元の肌色に戻ります。
内出血が起こった場合、大体の方は数日~2週間ほどで薄くなり、最終的に消えます。しかし、個々の体質や状態により、回復までの期間は異なる場合があります。
- ヒアルロン酸注射は痛みを感じやすいですか?
- ヒアルロン酸注射は、皮膚に注射針を刺すため、一時的に痛みを感じることがあります。特に顔は他の部位よりも敏感で、予防接種や採血より痛みを感じやすいです。しかし、多くの場合、施術の際には麻酔を使用しますし、施術後も施術部位を冷却することで、痛みを和らげられるとされています。
施術後には、麻酔が切れた後に痛みや違和感を感じることもあります。痛みや違和感は、体内に異物を入れるために起こるもので、多くの場合は数日から1週間程度で気にならなくなります。
- ヒアルロン酸注射で腫れた場合、血行が良くなることは避けたほうがいいですか?
- ヒアルロン酸注射後の腫れは、一時的な反応であり、数日で自然に治まるとされています。しかし、血行を良くする行動、例を挙げると入浴、激しい運動、飲酒などは、症状を悪化させる可能性があるため、避けましょう。施術後数日間は、できるだけ安静に過ごし、不要な刺激を避けることが重要です。
ただし、2週間以上経過しても腫れが治まらないなどといった症状が長く続く場合は、アレルギーの可能性があります。そのような場合は、すぐに医師の診察を受け、適切な処置を受けることが重要です。
- チンダル現象について教えてください
- チンダル現象は、ヒアルロン酸製剤が体内に吸収されず、皮膚の浅い部分に留まり続けることで起こる、青白く透けて見える現象のことです。特に目の下や肌が薄い箇所では、チンダル現象が起こりやすいとされています。
チンダル現象は、部位に対する適切なヒアルロン酸製剤の選択と、医師の専門の技術により、問題を回避できるとされています。したがって、ヒアルロン酸注射を受ける際には、経験のある医師を選び、施術前に十分なカウンセリングを受けることが重要です。
チンダル現象を解消するためには、ヒアルロン酸を溶かす「ヒアルロニダーゼ」という成分の製剤を注射することが良いとされています。
ヒアルロン酸注射で起こる可能性がある重篤な副作用
- ヒアルロン酸注射で起こる可能性がある血管閉塞について教えてください
- ヒアルロン酸注射の副作用で重篤なものの一つが血管閉塞です。これは、ヒアルロン酸が血管内に注入され、血管が閉塞し、栄養が行き渡らないためにその部位が壊死する状態を指します。
特に、眉間や上眼瞼内側などの部位や、ほうれい線やマリオネットラインの注入時には、血管閉塞が起こりやすいとされています。
血管閉塞を予防するには、解剖学を熟知した医師に施術を依頼すること、血管を刺さないマイクロカニューレを使用することが推奨されます。
- ヒアルロン酸注射で皮膚壊死する恐れはありますか?
- ヒアルロン酸注射は誤った手法で行われると皮膚壊死のリスクがあります。前述したように、血管内にヒアルロン酸が注入されると、血栓が形成されて血流が悪くなり、皮膚組織が壊死する可能性があります。壊死している場合は、皮膚の色が白から紫、最終的には黒へと変化するとされます。
- ヒアルロン酸注射で失明することはありますか?
- ヒアルロン酸注射は、誤った手順により失明を引き起こす可能性があります。血管に誤って注入されたヒアルロン酸は血栓を形成する恐れがあり、特に鼻や眉間へのヒアルロン酸注入はそのリスクが高く、動脈内に注入してしまうことで「動脈塞栓」を引き起こし、その先の組織への血流を阻害する可能性があります。動脈塞栓が目に続く血管に影響を及ぼすと、失明のリスクが高まります。
- 重篤な副作用が起こった場合どのような対処法がありますか?
- ヒアルロン酸注射の重篤な副作用が発生した場合、対処法はいくつかあります。 血管閉塞が起こった場合は、ヒアルロニダーゼ製剤を含むヒアルロン酸溶解注射を用いてヒアルロン酸を分解します。これにより、血管閉塞を阻止し、副作用を抑えます。
適切にヒアルロン酸注射を受けるために
- 適切にヒアルロン酸注射を受けるためにはクリニックの選び方は重要ですか?
- ヒアルロン酸注射を適切に受けるためには、経験があり、カウンセリングが丁寧な医師が在籍しているクリニックを選ぶことが大切です。
また、ヒアルロン酸の注射は、ただ薬剤を注入するだけでなく、施術後には、様々な副作用が現れる可能性もあるため、万一の事態にも対応できるようなアフターケアが整っているクリニックを選択するのが良いでしょう。
また、施術費用が極端に安いクリニックは、トラブルへの対応が十分でない可能性が否定できません。術後の経過は重要であり、軽度な副作用が長引く場合や稀に見られる重篤な副作用に至るまで、全ての問題に対して丁寧に対応してくれるクリニックを選ぶことが大切です。
- どのような基準で医師選びをしたらいいですか?
- ヒアルロン酸注射は医療行為であるため、施術の副作用や日常生活に及ぼす影響についても詳しく説明してくれるクリニックを選ぶことが重要です。
ヒアルロン酸注射の結果は、医師の技能に左右されます。そのため、納得のいく仕上がりを得るためには、医師に関してもきちんとした調査が必要です。医師の所属する団体や資格の種類をチェックすることが一つの手段となります。
特に、日本美容外科学会または日本形成外科学会に所属している医師を選ぶことがおすすめです。学会に所属する医師は、一定以上の高水準な知識が求められます。また、学会では新しい治療法や研究成果の発表が行われるため、所属している医師は、新しい知識や技術を常に更新しているとも評価できるでしょう。
施術を検討する際には、所属組織だけでなく、資格や過去の症例などの情報もチェックしておくことが重要です。
編集部まとめ
ここまでヒアルロン酸注射の副作用についてお伝えしてきました。ヒアルロン酸注射の副作用の要点をまとめると以下の通りです。
- ヒアルロン酸注射は、皮膚に注射針を刺すため、一時的に痛みを感じることがある
- ヒアルロン酸注射で起こる可能性がある重篤な副作用には、「血管閉塞」「皮膚壊死」「失明」などがある
- 施術の副作用や日常生活に及ぼす影響についても詳しく説明してくれるクリニックを選ぶことが重要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。