目元は年齢が出やすい部分であり、目元にあるたるみやクマは、性別を問わず老けた印象を相手に与えてしまいます。本記事では目の下のたるみやクマと大きく関係する眼窩脂肪について詳しく解説します。いつまでも若々しい明るい目元を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
眼窩脂肪とは
そもそも眼窩脂肪とはなんなのでしょうか。ここでは眼窩脂肪そのものの説明と、それがあることによって目元が受ける影響について紹介します。
- 眼窩脂肪とはなんですか?
- 眼窩脂肪とは一言でいうと、目の周辺にある脂肪のことです。眼球をすっぽりと覆っている部分のことを眼窩(がんか)と呼び、眼球を覆っている上下のまぶたの中に存在する脂肪の塊が入った袋のことを眼窩脂肪と呼びます。
- 眼窩脂肪は年を重ねるとどうなりますか?
- 眼窩脂肪は、年齢を問わず誰にでもあるものですが、年を重ねるごとに眼球を守っている筋肉が衰えてくることが原因で、今まで目立たなかった眼窩脂肪が下まぶたの前方に押し出され、ふくらみとなって目の下に現れてしまいます。この眼窩脂肪によるふくらみは、別名目袋ともいわれ、放置しておくとどんどん進行していき、大きくなっていくのです。眼窩脂肪が前に出てくると、目の下がふくらんでたるみの原因となります。そのことで目立つクマができたり、不健康に見えたりして、結果的に活力のない老けた印象を受ける顔になってしまいます。眼窩脂肪は物理的にぷっくりと出てくるものなので、化粧などをしてもカバーが難しく、なんとかしたいと悩んでいる方が多いのが現状です。
- クマがふくれているのはなぜですか?
- 眼窩脂肪が多いのには、大きく分けて2つの可能性が考えられます。1つ目は、遺伝的要因です。眼窩脂肪で悩む方の中には若い人も少なからずいますが、そうした方は生まれつき眼窩脂肪が多いタイプである場合がほとんどです。体重が増減しても眼窩脂肪自体は大きく変化しないといわれており、目元のふくらみが若い頃から目立つ人は、眼窩脂肪が生まれつき多いと考えられます。2つ目は加齢による変化です。眼窩脂肪の量に変化がなくても、この脂肪を支えている靱帯や筋肉がゆるんでくることが原因で目元や頬がたるみ、より目元のふくらみが目立ってしまうのです。
眼窩脂肪を減らす方法
- 眼窩脂肪を自力で減らす方法はありますか?
- 眼窩脂肪は、自力で減らしたり無くしたりすることは難しいとされており、眼窩脂肪を減らしたい場合には外科手術によって取り除く方法が一般的です。眼窩脂肪をなくすマッサージ方法などがインターネット上で紹介されているので、悩んでいる方の場合はすぐに実践してみたいと思うでしょう。しかし、目元への摩擦や刺激が余計に皮膚をたるませ、ふくらみを目立たせてしまうこともあるので、むやみやたらに実践するのはおすすめしません。確実に減らしたい方は、美容外科的処置を検討するようにしましょう。広く行われている方法として、眼窩脂肪溶解注射、経結膜脱脂、眼窩脂肪移動術(ハムラ法・裏ハムラ法)があります。
- 眼窩脂肪溶解注射について教えてください。
- 先ほども説明したように、自力でのケアやトレーニングでは眼窩細胞を減らすことはできません。そのため、眼窩脂肪による目元のたるみやクマが目立ってきたときに検討してほしいのが、眼窩脂肪溶解注射です。これは、メスを使わずにクマの軽減が期待できる施術です。この注射には眼窩脂肪を溶かす働きがある成分が含まれているので、目元のふくらみに直接的にアプローチすることができます。施術の流れとしては、下まぶたの眼窩脂肪が目立つあたりに麻酔を行った上で眼窩脂肪溶解注射を打ちます。施術の際は、皮膚表面ではなくまぶたの裏側に注射するため、注射跡が目立たず術後すぐにメイクをすることも可能です。メスを使わず注射だけで行う施術なので、施術時間やダウンタイムが短く、通院負担が少ないことも魅力です。施術後は、注射をした箇所に筋肉痛のような痛みが残ることがありますが、数日たてば治まることが多いので日常生活に影響が出にくいといえるでしょう。ただし、施術後に内出血がおきたり一時的な腫れやむくみが出たりする場合もあるので、そうしたリスクについて知っておくことが大切です。クリニックでよく取り扱われている眼窩脂肪溶解注射の中には植物由来のものも多いので、アレルギーを持っている方や心配な方は事前に医師と相談しておきましょう。眼窩脂肪溶解注射は徐々に眼窩脂肪を溶かしていくものなので、術後すぐに目元がすっきりするわけではありません。術後経過などについては、クリニックのスタッフや施術を担当する医師に聞いて確認しておきましょう。
- 経結膜脱脂について教えてください。
- 経結膜脱脂とは、下まぶたの裏側から眼窩脂肪を除去する手術です。まぶたの裏から皮膚を切開するので、術後すぐでも傷跡が目立ちにくいのが特徴です。施術の流れとしては、眼窩脂肪溶解注射のときと同様にまずは麻酔から始めます。その後、痛みを感じなくなったことを確認してから下まぶたの裏側を少しだけ切開し、そこから脂肪を取り出します。施術時間は30~90分程度で、入院等も必要ないので日帰りで受けることができます。麻酔が引いた後に痛みを感じたり、内出血、腫れが生じたりすることもありますが、通常1~2週間程度でそうした症状は落ち着きます。洗顔やメイクは当日から可能です。
- 眼窩脂肪移動術(ハムラ法・裏ハムラ法)について教えてください。
- 眼窩脂肪移動術(ハムラ法・裏ハムラ法)とは、たるみのひどい部分の脂肪を目の下にある溝に移動させる手術です。ハムラ法は、下まぶたの表側を切開して、余分な皮膚を切除し、眼窩脂肪を移動させてくぼみやたるみ、膨らみを改善する方法です。一方で、裏ハムラ法は、下まぶたの裏側(経結膜側)を切開し、眼窩脂肪を移動させてくぼみと膨らみを同時に改善する方法です。裏ハムラ法は、まぶたの裏側から施術を行うので、顔の表面に傷跡が残ることはありません。経結膜脱脂と同じようなリスクと副作用に加え、人によっては三白眼になることもあるので、施術前によく医師と相談することが大切です。
眼窩脂肪を目立ちにくくする方法
ここまで外科手術による眼窩脂肪のなくし方を紹介しましたが、眼窩脂肪をなくすのではなく目立ちにくくするという観点では自宅でできる工夫やケアも存在します。手術に抵抗がある方は、まずはここで紹介する方法から始めてみてください。
- 手術せずに眼窩脂肪を目立ちにくくする方法を教えてください。
- 額やこめかみをやさしく揉みほぐしたり、ホットタオルなどで目元を温めたりすると良いでしょう。血流やリンパの流れを促進し、目元にハリを持たせることで、眼窩脂肪によるたるみやふくらみが少し目立たなくなることが期待できます。なお、先述した通り、目元への刺激は、たるみやふくらみを助長してしまうことがあるので、マッサージなどを行う際には目元を直接触るのではなく、肌に負担の少ない方法で行えるものを実践するように心がけましょう。また、日頃の丁寧なスキンケアや紫外線予防も大切です。一度目立ってきてしまった眼窩脂肪をなくすことは難しいですが、進行を食い止めたり、予防したりするためにもこうしたことに気を付けて生活してみてください。ただし、これらの方法は一時的に目元の腫れや疲れを和らげる効果がありますが、直接的に眼窩脂肪を減少させることには繋がらない点には注意が必要です。根本的に眼窩脂肪を減少させるためには、先述したいずれかの外科手術が必要です。
編集部まとめ
眼窩脂肪が及ぼす目元への影響に加え、除去方法についてもお伝えしましたが、理解は深めていただけたでしょうか。日頃のスキンケアが大切なのはもちろんですが、気になりだしたら美容施術に詳しい医師に相談することが大切です。顔の印象を大きく変える目元はとてもデリケートです。信頼できる医師を見つけ、自分に合った方法で綺麗な目元を手に入れましょう。