「ヒアルロン酸」と「ボトックス」の名前は聞いたことがあるけど、実はどちらもよく分からないという方は多いのではないでしょうか。美容に関心がある方なら、一度は気になったことがあると思われます。
本記事ではヒアルロン酸とボトックスの違いについて以下の点を中心にご紹介します。
- ヒアルロン酸とボトックスとは
- ヒアルロン酸とボトックスの違い
- ヒアルロン酸とボトックスの注意点
ヒアルロン酸とボトックスの違いについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
ヒアルロン酸とボトックスの基礎知識
ヒアルロン酸とボトックス、成分の違いは何でしょうか?どのように使用され、どのような効果があるのでしょうか?
以下では、ヒアルロン酸とボトックスの基礎知識をわかりやすく解説します。
ヒアルロン酸とは
ヒヒアルロン酸は、人体内に存在する保湿成分です。皮膚や関節、眼球などで潤いを維持し、肌に弾力や保湿力を与える重要な成分です。
ヒアルロン酸は水分を保持する働きがあり、これが肌のハリやツヤにつながります。
美容の観点からは、細かい小じわや深いほうれい線、マリオネットラインなどの肌のトラブルに対して改善が期待できます。
ボトックスとは
ボトックス(ボツリヌストキシン)は、ボツリヌス菌由来のタンパク質で、生理食塩水で希釈したものを皮内や筋肉に注入する美容施術を指します。
ボツリヌストキシンは神経伝達物質の分泌を抑制し、過剰な筋肉の活動を抑えるといわれています。
ボトックス注射は、表情筋の動きを一時的に抑制し、主に額や眉間、目尻のシワを目立たなくさせる効果が期待できます。
施術では、ボトックスを微細な針で筋肉に注入することにより、筋肉の過度な収縮を和らげ、顔の表情ラインを滑らかに整えることを目的としています。
ヒアルロン酸とボトックスの違いについて
ヒアルロン酸とボトックスは、どちらもシワやくぼみを目立たなくさせるのに役立つといわれる施術ですが、適応する箇所や症状は異なります。
それぞれの特徴と適応について見ていきましょう。
効果の適応
ヒアルロン酸は、肌の潤いを保ち、ハリと弾力を与えることが期待できます。そのため、加齢によるシワやくぼみが気になる方におすすめです。
目周りのシワやくぼみ、ほうれい線を目立ちにくくすることで若々しい印象が期待できます。 また、ヒアルロン酸の硬度や量を調整することで、額に丸みを出したり、ゴルゴラインが目立ちにくくなったりする可能性もあります。
ボトックスは、表情筋によるシワが目立ちにくくなる可能性があります。そのため、表情の変化に伴うシワが気になる方におすすめです。
また、筋肉の発達によるエラの張りを改善したい方にもおすすめです。
そのほか歯ぎしりや食いしばり、肩こり、ワキの多汗症にも改善が期待できます。
効果が出るタイミング
ヒアルロン酸注入では、施術直後から実感しやすく、注入されたヒアルロン酸が皮膚の凹みを補完し、小じわやくぼみが目立ちにくくなります。
即効性を期待できる点がヒアルロン酸注入の魅力の一つであり、肌のハリや潤いを迅速に取り戻すことが期待されます。
一方で、ボトックス注射は変化が現れるまでに数日かかります。
施術直後は変化が見られず、数日後から徐々に筋肉の過剰な活動を抑制し、シワによる凹みが目立たなくなり始まるといわれています。
例えば、顔のシワに対するボトックス注射では、約3〜7日後に変化が現れるとされています。
エラの張りに対する場合は、約3週間〜1カ月後から改善が期待でき、輪郭が引き締まっていく様子が見受けられます。
このように、ヒアルロン酸注入は即効性が期待でき、注入後すぐに肌の変化を実感できる一方で、ボトックス注射は変化が徐々に現れます。
持続する期間
ヒアルロン酸注入の場合、約4〜6ヶ月の持続が期待されますが、個人差があり、種類や体質によっては2〜3年以上持続することもあります。
施術を継続する場合は、おおよそ4カ月〜6カ月に1回程度の施術が推奨されています。持続的に肌に潤いやハリを与えることで、若々しい印象の維持につながります。
一方で、ボトックス注射の持続期間は施術箇所により異なります。
額や目周りなどの顔におけるボトックス注射の場合、約3〜4カ月の持続が期待されます。
エラの張りに対する施術は約4〜6カ月、ワキにおけるボトックス注射は約6カ月の持続が見込まれます。
ただし、これも個人差があり、継続的な効果を望むならば、おおよそ6カ月に1回程度の頻度で施術を受けることがおすすめです。
このように、ヒアルロン酸注入は短い期間での保湿やハリの補完のため定期的なケアが求められる一方で、ボトックス注射は筋肉の動きを一時的に制御し、持続期間がやや長めになる傾向があります。
ヒアルロン酸の注意点
ヒアルロン酸の注入を考える前に、知っておくべき注意点は何でしょうか?
以下で詳しく解説します。
副作用
ヒアルロン酸の副作用は、注入部位に赤みや腫れ、痛み、かゆみなどの炎症反応が起こることがあります。これらは、通常数日から数週間で自然に治まりますが、場合によっては長期間持続することもあります。
また、稀に、アレルギー反応や感染症、皮膚の壊死などの重篤な副作用が起こることもあります。
ヒアルロン酸の副作用を予防するためには、以下のことに注意しましょう。
- ヒアルロン酸の注入は、信頼できる医療機関で行うこと
- 注入前に、アレルギーの有無や持病、服用中の薬などを医師に伝えること
- 注入後は、注入部位を清潔に保ち、触ったりこすったりしないこと
- 注入後は、激しい運動や高温多湿の場所、日光の強い場所を避けること
施術後
ヒアルロン酸注入後のケアは、施術による変化を引き出し、副作用を防ぐために重要です。
以下に、施術後の主な注意点を挙げます。
- 触らない:施術後は、注入部位を触ったり、マッサージしたりすることは避けてください。ヒアルロン酸が移動する可能性があります。
- 高温を避ける:施術後数日間は、サウナや温泉などの高温の場所を避けてください。高温は血流を増加させ、腫れや痛みを悪化させる可能性があります。
- 運動を控える:施術後は、激しい運動を控えてください。運動による汗や血流の増加は、腫れや痛みを引き起こす可能性があります。
- 日焼けを避ける:施術後は、直射日光を避け、日焼け止めを使用してください。日焼けは肌を刺激し、炎症を引き起こす可能性があります。
ボトックスの注意点
ボトックスにはどのような注意点があるのでしょうか?
以下では、ボトックスの副作用と施術後に気を付けることについて詳しく解説します。
副作用
注入時の痛みは麻酔を使用することで軽減されますが、個人差があります。
施術後の腫れや内出血、むくみも一時的な症状で、約1週間ほどで治まります。
アレルギー反応はまれとされ、発生しても約1週間~1ヶ月で収まることがほとんどですが、症状が長引く場合は医師への相談が必要です。
また、ボトックス注射により顔の筋肉が緩むため、噛む力が一時的に弱まり、食事時に違和感を感じることがあります。
頭痛や倦怠感も筋肉の変化から生じ、通常は数日で治まりますが、異常な症状が見られる場合は医師に連絡するべきです。
左右非対称や表情のこわばり、皮膚のたるみが生じる可能性もあるため、信頼できる医師のもとでの施術が大切です。
施術後
以下に、ボトックス注射後の重要な留意事項を紹介します。
- 横にならない:ボトックス注射後は、施術後4時間程度は横にならず、特に寝る際には注意が必要です。横になることでボトックスが他の部位に流れ、変化が薄れるだけでなく、予期せぬ筋肉の収縮が妨げられて不自然な表情になる可能性があります。
- 飲酒を控える:施術当日は飲酒を避けましょう。飲酒により血流が良くなり体温が上昇すると、ボトックスの影響が薄れ、赤みや内出血が起こる場合があります。
- マッサージを避ける:施術後3日〜1週間は、強い力でのマッサージを避けることが重要です。強い刺激によりボトックスが周囲に流れる可能性があります。
- 高温を避ける:施術後は高温の場所、例えばサウナなどを避けましょう。高温で体温が上昇し血行が良くなると、赤みや腫れの引き金となり、また、同時にボツリヌストキシンが破壊されて効果時間が短くなってしまいます。
- 激しい運動を控える:施術後1週間程度は激しい運動を避けるべきです。激しい運動により体温が上昇し、血行が促進されることで赤みや腫れが生じる可能性があります。
施術できない対象
ボトックス注射は美容医療で一般的ですが、特定の状況下では施術が推奨されません。
妊娠中や授乳中の方は、ボトックスの安全性が確立されていないため、施術を避けるべきとされています。
同様に、65歳以上の方や全身性の神経・筋肉疾患がある方もボトックス施術を受けられない可能性があります。
また、3ヶ月以内に他のクリニックでボトックス注射を受けた方や、ボトックスに過敏反応を示したことがある方も慎重になる必要があります。
まとめ
ここまでヒアルロン酸とボトックスの違いについてお伝えしてきました。
ヒアルロン酸とボトックスの違いの要点をまとめると以下の通りです。
- ヒアルロン酸は皮膚の水分や弾力を保つ成分で、ボトックスは筋肉の動きを抑える成分
- ヒアルロン酸は表情を動かさなくてもできるシワに、ボトックスは表情を動かすときにできるシワが目立たなくなる可能性が期待できる
- ヒアルロン酸とボトックスは副作用やリスクが少ないとされているが、注入後に内出血や腫れなどが起こる可能性がある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。