年齢を重ねるにつれて上まぶたの皮膚のハリが失われ、上まぶたがくぼんでくるケースが増えてきます。上まぶたがくぼんでくると、実年齢よりも老けて見られてしまいがちです。
上まぶたのくぼみを改善するにはいくつか施術方法があり、ヒアルロン酸や脂肪を注入する方法や脂肪を移植する方法があります。
しかし脂肪移植のような切開を必要とする手術は避けたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
ヒアルロン酸を使用する施術は、目のくぼみを改善する方法として気軽に受けられるものとして知られてきています。
この記事ではヒアルロン酸を用いる施術ではどの程度改善できるのかを、メリットや注意点とあわせて説明していきます。
上まぶたの目のくぼみはヒアルロン酸で改善できる?
上まぶたの目のくぼみが引き起こされる原因は、上まぶたの脂肪が痩せてしまいくぼんで見えてしまうケースと、眼瞼下垂で脂肪が目の奥の方の位置にずれてしまうケースの二つが挙げられるでしょう。
眼瞼下垂が原因の場合は切開を伴う手術が必要ですが、上まぶたの脂肪が少なくなり目のくぼみが引き起こされている場合は、ヒアルロン酸や脂肪を注入する方法で改善が見られます。
ただし脂肪注入の場合はご自身の体の他の部位から脂肪を採取し注入することになるので、脂肪を採取するために多少の切開が必要です。
しかし、ヒアルロン酸注入はご自身の体を傷つけない方法のため、気軽に受けられる施術方法といえるでしょう。
ヒアルロン酸は人間の体に備わっている皮膚構成成分の一つで、皮膚の水分を保つための働きも持っています。皮膚のハリに必要なヒアルロン酸は加齢とともに減少していくものです。
体内にも存在するヒアルロン酸を脂肪が痩せてしまった部分に注入することで、皮膚のたるみなどが改善されます。
ヒアルロン酸を上まぶたの目のくぼんだ部分に直接注入することで皮膚にハリや弾力が蘇り、しわ・たるみ・くぼみが持ち上がり、平らに見えるような作用が働きます。
上まぶたの目のくぼみ改善にヒアルロン酸を使うメリット
最近では、上まぶたの目のくぼみの施術方法としてまず挙げられるのが、ヒアルロン酸の注入です。
手軽に受けられる方法とはいえ目元の施術になるので、実際に施術を受けるかどうかは慎重になる方もいらっしゃるかもしれません。
上まぶたの目のくぼみの改善方法はいくつか存在する中で、ヒアルロン酸を使うメリットはどのような点が挙げられるのでしょうか。
ここではヒアルロン酸を使用するメリットについて説明していきます。
即効性が高い
ヒアルロン酸注入のメリットとして挙げられるのは、即効性の高さです。
上まぶたの目のくぼんだ部分にヒアルロン酸を直接注入するので、1回の施術でもはっきりとした効果が現れやすいのが特徴です。
また即効性があるのと同時に、注入したヒアルロン酸の効果は6ヶ月程度持続されるので、頻繁に治療を受ける必要がない点もメリットとして挙げられるでしょう。
安全性が高い
ヒアルロン酸は元々人間の体内にある成分の一つです。外から注入するとはいえヒアルロン酸は人間の体にとって異物ではないため、体への安全性が高いことが特徴です。
アレルギーを起こす確率は殆どゼロに等しく、また医療用や美容医療で用いられるヒアルロン酸は非動物性で作られたものなので、感染症の心配もありません。
注入したヒアルロン酸は6ヶ月程度で体内に吸収されていきますが、元々皮膚を構成する成分のため体への負担がない施術方法といえます。
ダウンタイムが少ない
美容医療系の施術を受ける際に気になるのが、ダウンタイムがどの程度続くかという点でしょう。ヒアルロン酸の注入はダウンタイムが少ない施術です。
注射針を入れる際やヒアルロン酸を注入する際に多少の痛みは感じられますが、ダウンタイムとして施術箇所の違和感や触れた時の硬さは1週間程度で消えていきます。
稀に、内出血が生じますが、1〜2週間程度で消えて痕も残りません。
施術時間が比較的短い
上まぶたへのヒアルロン酸注入の施術時間は5〜10分程度です。クリニックによっては20分程度要することもあるようですが、どれほど長くても30分程度で終了します。
体への負担がかからない施術であるうえに、当日からメイクが可能でシャワーも浴びられます。
施術時間の短さから、上まぶたの目のくぼみを改善する方法の中では、日常生活に支障が出にくい方法といえるでしょう。
上まぶたの目のくぼみへのヒアルロン酸注入の注意点
上まぶたの目のくぼみを改善する方法の中で、即効性があり安全性も高い施術であるヒアルロン酸注入ですが、注意する点はもちろんあります。
メリットだけでなく、施術を受ける前に気をつける点があるかどうかを把握したうえで検討されるとよいでしょう。
ここではヒアルロン酸注入において注意する点を紹介していきます。
効果がずっと継続するわけではない
即効性があるヒアルロン酸注入ですが、ヒアルロン酸の性質上、効果は一定期間とされています。
ヒアルロン酸は注入後、6ヶ月程度で体内に吸収されていきます。そのため体内に吸収された後は、目のくぼみが目立つようになるでしょう。
ヒアルロン酸は元々人間の体にある成分なので体への悪影響はありませんが、上まぶたの目のくぼみに関しては、再度施術を行う必要が出てきます。
一度施術を受ければ効果が継続されるわけではないので、ご注意ください。
目の下のたるみが大きくなってしまう恐れ
注入したヒアルロン酸の量が多かったり、ヒアルロン酸が均等に広がっていなかったりすると、施術箇所以外にも影響を及ぼす恐れがあります。
特に目の周りの皮膚は薄いので、施術箇所以外に影響が出る場合もあるでしょう。
目の下のたるみが大きくなるケースもあるので、気になる方は施術前に医師と相談することをおすすめします。
クリニックによって仕上がりが異なる
ヒアルロン酸注入といっても、クリニックによって使用する製剤や医師のテクニックによって仕上がりが違ってきます。
納得いく仕上がりを期待されるようであれば、顔や目元のバランスを見て、ヒアルロン酸の注入法や分量を決定するようなクリニックを選ばれるとよいでしょう。
医師の実績がどの程度あるかも判断基準になるので、クリニックのHP等で確認することもおすすめします。
施術を受けられない人もいる
ヒアルロン酸注入は体に負担がかからず安全性も高い方法ですが、施術を受けられない方もいらっしゃいます。
- 重度の感染症にかかっている方
- 免疫抑制剤を使用している方
- 重度の糖尿病にかかっている方
- 免疫力が落ちている方
- 妊娠中の方
- 授乳中の方
ヒアルロン酸は体内に残っても影響がない成分のうえ、次第に吸収されていきます。しかし、施術に際して多少の痛みを感じられる場合があります。
また上記の症状を患っている場合や、妊娠中・授乳中といった体のホルモンバランスが敏感になっている場合にヒアルロン酸注入の施術を行う安全性の確立はなされていません。
上記に該当する場合で施術を検討されているようでしたら、医師に相談されることをおすすめします。
上まぶたの目のくぼみへのヒアルロン酸注入後の対処方法
施術後の対処方法によって効果の持続性に違いが出たり、施術箇所の状態に影響を及ぼしたりするのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
上まぶたの目のくぼみにヒアルロン酸を注入する施術はダウンタイムが少なく手軽に受けられるとはいえ、注意すべき点はあります。
ここからはヒアルロン酸注入後に気をつけて対処する点について説明していきます。
患部に触らない
ヒアルロン酸注入は日常生活に支障をきたさない施術方法なので、すぐに普段どおりの生活を送っていただいて問題ありません。
施術当日のシャワーや洗顔も可能ですが、患部にはなるべく触らないようにするとよいでしょう。
特に施術直後に患部へのマッサージや圧をかけるような行為は控えてください。患部が変形したり、内出血を起こしたりする恐れもありますので、しばらくは注意が必要です。
まぶたへのメイクを控える
ヒアルロン酸注入では施術当日からメイクが可能ですが、患部であるまぶたへのメイクはしばらく控えることをおすすめします。
ヒアルロン酸が定着するまで2週間程度かかる場合があります。
アイメイクやクレンジングの際にまぶたへ摩擦が生じると、定着までは変形する恐れもあるでしょう。まぶたへのメイクは様子を見ながら再開するとよいでしょう。
異常を感じたら早めにクリニックに相談する
ヒアルロン酸注入はトラブルの少ない施術方法ですが、稀に異常を感じるケースが発生することもあります。
強い赤みや腫れが出たり、患部が熱を持ったりするようであればアレルギー症状の可能性も疑われるでしょう。
また、ヒアルロン酸を注入することで血流が滞ってしまい、皮膚が赤や紫色に変色し痛みを伴うこともあります。
血流の悪化による皮膚状態の変化は、酷くなると皮膚の壊死を招く恐れもあります。通常のダウンタイムよりも症状が長引く場合や異常を感じたら、すぐにクリニックへ相談するとよいでしょう。
上まぶたの目のくぼみにヒアルロン酸注入した効果の持続時間は?
せっかく上まぶたの目のくぼみにヒアルロン酸を注入したのならば、どのくらい効果が持続するか気になるでしょう。
効果の持続時間は皮膚の性質や注入方法によって異なるので、個人差が生じてしまいます。
ヒアルロン酸の特性としては6ヶ月程度で体内に吸収されることが殆どです。
目のくぼみにヒアルロン酸を注入した場合の効果の持続時間は大体6ヶ月から1年程度とされていますが、2年程度ヒアルロン酸が残る施術を行うクリニックもあります。
クリニックや注入方法によって持続時間の差が生じ、この目安よりも短い場合もあれば長い場合もあります。
ヒアルロン酸が完全になくなってしまうと、目のくぼみは施術前の元の状態に戻ってしまうので、効果を持続させるのであればヒアルロン酸の追加注入が必要でしょう。
ただ、その場合の間隔や注入量は医師と相談して決めることになります。
まとめ
ここまで上まぶたの目のくぼみへヒアルロン酸を注入する施術についてご紹介してきました。
ヒアルロン酸注入は切開を行わずダウンタイムも少ないので、美容医療を初めて受ける方にとってもハードルが低い施術ともいえるでしょう。
メリットも多く施術に際しての制約も比較的少ないとはいえ、リスクが全くないともいえません。
ヒアルロン酸注入で上まぶたの目のくぼみの改善を検討されている方はメリットとあわせて、注意点を事前に知っておくとよいでしょう。
上まぶたの目のくぼみの悩みを解消されたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
参考文献