デリケートゾーンの黒ずみが気になっている女性は多いようです。
VIOラインの脱毛をしてから、今まで気付いていなかった黒ずみが目立つようになった人もいるでしょう。
思春期を過ぎると女性ホルモンの影響を受けて、誰でも多少は黒ずんでくるのが普通です。
気にする必要はないとはいうものの、誰かと比べたり話し合ったりすることがない場所なので1人で悩みを抱えている女性も少なくありません。
やっぱり気になる…という人のために、この記事ではデリケートゾーンの黒ずみの原因や予防法・ケアの方法について解説します。
デリケート ゾーンの黒ずみの原因
- デリケート ゾーンの黒ずみの原因について教えてください。
- 性行為の回数が多いとデリケートゾーンが黒ずむとよくいわれていますが、これは関係ありません。
デリケートゾーンの黒ずみの原因は、メラニン色素が過剰に分泌されて起こる色素沈着です。
皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層に分かれていて、表面の層である表皮はケラチノサイト(表皮細胞)とメラノサイト(色素細胞)などでできています。
摩擦などの刺激があるとメラノサイトはメラニン色素を作り、メラノソームという袋に詰めてケラチノサイトへ送り出します。
表皮は一番下の基底層で毎日細胞分裂を行い上へ上へと押し上げられていくので、メラノソームを受け渡されたケラチノサイトが皮膚の表面に出ると黒ずんで見えるのです。
皮膚はターンオーバー(新陳代謝)によって最後は垢となり剥がれてしまうため、一時的に黒ずみがあっても時間がたてば元の肌の色に戻るはずです。
しかしターンオーバーが乱れて肌の生まれ変わりが遅れると、メラニン色素が排出されずに留まってしまいます。
ストレスや加齢などが原因でホルモンバランスが乱れると肌のターンオーバーも乱れて、色素沈着の可能性が高くなります。
メラニン色素の量は女性ホルモンの影響を受けやすく、妊娠などで女性ホルモンが増加すると黒ずみが起こりやすいです。
またメラニン色素の量には個人差があり、同じ行動をしていても黒ずみの濃さは異なります。
- 普段の生活でもなりやすい原因はありますか
- 普段の生活で黒ずみの原因となるのは、摩擦による刺激です。
刺激を受けるとメラノサイトが活発に働いて、メラニン色素を過剰に生成します。
これは摩擦から肌を守る作用によるものですが、長期間刺激を受け続けるとメラニン色素が表皮の下の真皮に沈着することもあります。
こうなると黒ずみの改善が難しくなる可能性があるので、普段から刺激を与えすぎないように気を付けましょう。
デリケートゾーンへの刺激として多いのが、下着による摩擦です。
身に着けている下着のサイズが小さかったり締め付けが強かったりすると、皮膚への摩擦が起こりやすくなります。
用を足した後にトイレットペーパーで強くこするのも、黒ずみができる原因です。
ほかにも生理用品によるかぶれや、ムダ毛処理などによる炎症で色素沈着が起きることもあります。
- 黒ずみがあることでほかの病気も引き起こされやすくなりますか
- デリケートゾーンの黒ずみは誰にでもあるものなので、特に気にする必要はありません。
しかし非常に稀なことですが、病気が原因で色素沈着が発生することがあるのです。
女性の外陰部にできる悪性腫瘍は外陰がんと呼ばれ、症状は外陰部に痛み・かゆみ・熱感があるほかに出血や色素沈着などがみられます。
高齢者に多い病気ですが、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因の場合は若い世代にも発症する可能性があるので注意が必要です。
外陰がんはいくつかの種類があり、扁平上皮がんが多いですが乳房外パジェット病(外陰部や肛門の周囲に発生する皮膚がん)やメラノーマ(悪性黒色腫)などもあります。
珍しいとされるがんのため発見が遅れることが多く、色素沈着以外にもしこりや湿疹などがあれば早めに病院を受診してください。
デリケート ゾーンの黒ずみ予防法
- デリケート ゾーンの黒ずみ予防法はどのようなものがありますか
- 黒ずみを完全に予防するのは難しいですが、できるだけ黒くしないための方法について解説します。
摩擦が原因で黒ずみが生じることが多いため、ショーツは締め付けないものを選ぶとよいでしょう。
ポリエステルなどの化学繊維ではなくシルクやコットンで作られたショーツは通気性がよく、蒸れを防ぐことができます。
タイトなジーンズやスキニーパンツではなく、ゆとりのある衣服の方が黒ずみの予防には適しています。
用を足した後はトイレットペーパーを動かさずに、そっと押さえて水分を吸い取るとデリケートゾーンに負担をかけません。生理用品はまめに取り替えて、蒸れやかゆみを防ぎましょう。
- 食生活の改善を行うと黒ずみは軽減されますか
- これを食べれば黒ずみが薄くなる、といった食べ物は残念ながらありません。
しかし肌のターンオーバーを正常にするためには、ホルモンバランスを整えることが重要です。
そのためには、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
肉や魚・大豆製品に含まれるタンパク質やメラニンの生成を抑える作用があるビタミンC、エストロゲンの代謝に関わるビタミンB6を積極的に摂るのもおすすめです。
無理なダイエットや偏食で必要な栄養素が摂取できないと、ホルモンバランスが乱れて黒ずみだけでなく生理不順や無月経の原因にもなります。
デリケート ゾーンの黒ずみのケア法
- デリケート ゾーンの黒ずみのケア法はありますか?
- 最近ではデリケートゾーンのセルフケア用品が数多く市販されているので、好みのグッズを選んで楽しみながらお手入れすることが可能になりました。
短時間で黒ずみを改善したい人には、美容クリニックでの治療を試してみるのも一つの方法です。
美容クリニックで行う黒ずみのケアには、レーザー治療と医療用ピーリングがあります。
レーザー治療は黒ずみにレーザー光を照射することで、皮膚の表面を薄く除去し徐々に黒ずみを改善します。
顔にできるシミとは原因が違うので、粘膜にも照射できるデリケートゾーン専用のレーザー機器を使用するクリニックも多いです。
医療用ピーリングは酸性の薬剤を黒ずみの気になる部分に塗ることで、化学的に古い角質を取り除き皮膚の再生を促す施術です。
こちらも顔用ではなく、敏感な部分専用に作られたピーリング剤を使用します。この2つの治療方法は自由診療のため、クリニックによって治療費が異なります。
参考としてレーザー治療は1回につき11,000円~110,000円(税込)程度、5回セットで110,000円~420,000円(税込)程度です。
医療用ピーリングは1回につき15,000円(税込)程度、6回セットで84,000円(税込)程度となります。
- 施術後のダウンタイムは長くなりますか?
- 黒ずみを改善するレーザー治療のダウンタイムは、個人差がありますがほとんどありません。術後に痛みや赤みなどが出ることがありますが、数日程度で治まるでしょう。
- デリケート ゾーンの黒ずみケアのメリットは何ですか
- レーザー治療・医療用ピーリングともにメスを使わない施術なので、痛みや副作用が少なく傷が残ることもありません。施術時間が短く、術後は普段通りの日常生活を送ることができます。
- デリケート ゾーンの黒ずみケアのデメリットは何ですか
- 黒ずみの治療は保険適用外のため、治療費が高額になります。1度の施術で効果が出ることもありますがレーザー治療なら5~10回、ピーリングなら3~5回程度の施術が必要な場合が多いです。
- 生活全般で黒ずみを作らないための方法はありますか?
- デリケートゾーンの皮膚は薄く刺激によって黒ずみが起こりやすいので、できるだけ刺激を与えないようにすることが大切です。
洗う時はタオルやスポンジでこすらずに、石鹸を泡立てて指で撫でるように優しく洗ってください。
洗いすぎはよくありませんが、お湯で流すだけだと古い角質が落としきれずにくすみの原因となります。
肌の弱い人はデリケートゾーン専用石鹸を使用するのもおすすめです。
乾燥も黒ずみの原因となりますから、こちらも専用のクリームやオイルで保湿します。
カミソリや毛抜きでのムダ毛処理は、肌を傷つけて炎症を起こす可能性があるので避けましょう。
肌のターンオーバーを正常化するためには、必要な栄養素を摂取すること・十分な睡眠をとること・ストレスをためないことが効果的です。
編集部まとめ
デリケートゾーンの黒ずみは下着などの摩擦によってメラニン色素が過剰に作られることや、ターンオーバーの乱れからメラニン色素の排出が遅れ古い角質が残ることが主な原因です。
黒ずみを予防するためには、摩擦による刺激を避けることが重要です。下着の締め付けや生理用品の蒸れにも心を配りましょう。
できてしまった黒ずみには、レーザー治療や医療用ピーリングで対処する方法もあります。セルフケアと比べて効果があることが多いので、悩んでいる人は取扱いのある美容クリニックなどにご相談ください。
しかし治療を受けて元の肌の色に戻っても、刺激を与え続ければ再び黒ずみができることも考えられます。
日々の生活習慣で黒ずみの予防とケアを行っていくことが必要となるでしょう。
参考文献