「クリトリス包茎の手術ってなぜするのか知りたい」
「術後の日常生活への影響はどうなのかな」
クリトリス包茎が原因となる匂いや不感症に悩む女性は多いでしょう。
しかしクリトリス包茎だからといって、必ず手術しなければいけないものではありません。しかし、パートナーに指摘されたり、気を遣われているかもと考えてしまったりすれば日常生活にも影響が出てしまうでしょう。
この記事では、クリトリス包茎や手術について、メリットやリスクなどを解説します。クリトリス包茎手術に悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
クリトリス包茎とは
クリトリス(陰核)は、女性器の小陰唇の上部にあり、包皮と呼ばれる皮膚に覆われています。
包皮の厚さや大きさには個人差はあり、刺激を受けてもクリトリスが見えない場合はクリトリス包茎である可能性があります。
クリトリス包茎となる原因のほとんどは先天的なものです。しかし、小陰唇の肥大が原因でクリトリス包茎となっている場合もあり、その際には小陰唇縮小の手術を同時に行うこともあります。
セルフチェックする場合は、手を清潔な状態にして、以下の手順で行います。手でむいてクリトリスが見える場合は仮性包茎、むけない場合は真性包茎と呼ばれます。
- 指をクリトリスの両側におく
- おいた指を左右に広げる
- 指をお腹側へ引き上げる
クリトリス包茎そのものは病気などではないため、手術しなければいけない状態ではありません。悩まれている方の多くは、匂いが気になっているようです。
現時点でのパートナーや周りの方への配慮以外にも、自身が介護される状態になった時のことを考えた結果という方もいらっしゃいます。
クリトリス包茎手術(陰核包皮切除)とはどのような治療法?
クリトリス包茎手術は、クリトリスに覆いかぶさっている部分の包皮を切除することになります。
切除する大きさは、クリトリスが半分から3分の1程度見えるようにします。完全に切除することも可能ですが、痛みで歩くことが困難になったり、性交渉中の感度が落ちたりするため、適度に残すことが一般的です。
基本的に施術は30分程度で終わり、大きな痛みはなく身体への負担は小さいため、施術前後の入院はありません。
また切除するため縫合を行いますが、溶ける糸などを使用していれば、通院や抜糸も不要です。多くの方は日常生活への影響も少なく、1か月程度で元通りの生活を送れます。
しかし、通院が不要であるということは、自己管理を適切にする必要があります。主に運動やトイレ、入浴などです。
それでも、クリトリス包茎手術を行う多くのメリットがあるため、悩んでいる方は検討してみてください。
クリトリス包茎手術の効果・メリット
クリトリス包茎手術によって、以下の効果やメリットがあります。
- デリケートゾーンが臭わなくなる
- デリケートゾーンが炎症を起こしにくくなる
- 見た目が改善できる
- 感度が上がる
- 擦れによる痛みが減る
症状の原因がクリトリス包茎ではないケースもありますが、自身では気付いていない症状が改善することもあります。それぞれ見ていきましょう。
デリケートゾーンが臭わなくなる
クリトリス包茎手術を行うことで、恥垢が溜まりにくくなるため、デリケートソ-ンが臭わなくなります。
デリケートゾーンの匂いは人それぞれ異なりますが、以下の特徴がある場合は、恥垢が溜まっていることが原因であることが多いです。
- 生臭い
- ツンとする
- 尿のような臭い
これらの匂いは体液に雑菌が混ざることによって発生しているため、不衛生な状態でもあります。手術を行ったからといって、恥垢が溜まらなくなるわけではありません。
しかし、クリトリス包茎の時よりも、きちんと洗うことが可能になります。パートナーからの指摘はもちろんのこと、自身でも匂いに悩むということもなくなるでしょう。
デリケートゾーンが炎症を起こしにくくなる
クリトリス包茎手術を行うとクリトリス周りを洗いやすくなるため、炎症は起こりにくくなります。クリトリス包茎は恥垢が溜まりやすく、長期間放置していると炎症を起こす可能性があります。
包皮に覆われていると十分な洗浄ができず、かゆみが出るまで炎症に気付かない場合もあるでしょう。
女性器にかゆみがあると性病の可能性を考え不安になってしまいます。不衛生な状態で感染のリスクが高まる感染症は以下の通りです。
- クラミジア
- カンジダ症
- 細菌性膣炎
かゆみがあるからといって感染したということにはなりませんが、清潔を保つことは大切です。施術を行いかゆみが解消されれば、不安も解消されます。
見た目が改善できる
クリトリス包茎手術を行えば、余った包皮を切除し、手術をした痕跡もわからなくなるため見た目が改善できます。
クリトリス包茎による見た目の問題としては、包皮が余っている状態のため、だらしなく見えることです。
他にも包皮が大きなクリトリスに見えてしまい悩んでいる方もいます。
パートナーからの指摘もありますが、自分で見た時もだらしなさやバランスの悪さによって精神的な負担も大きくなってしまうでしょう。
施術を行うことで、整った包皮になれば、自分自身に自信を持つことにもつながります。
感度が上がる
クリトリス包茎手術によって、クリトリスで感じられる刺激が増えるため感度が上がります。クリトリス包茎は、クリトリスを覆う包皮によって刺激が遮られ感度が低下することがあります。
性交渉で必ずクリトリスに刺激を与える必要はないですが、刺激を与えた際の反応によってお互いの気持ちが盛り上がったりします。当たり前のことができないという状況は、不満や不安となり、何かのきっかけで関係の破綻につながるでしょう。
施術を行えば、包皮越しでは感じられなかった刺激を感じることができるようになります。気持ちのよい性交渉を行うためだけではなく、不満や不安を減らせるでしょう。
擦れによる痛みが減る
クリトリス包茎手術を行えば、クリトリスと包皮が擦れて感じる痛みを減らすことができます。
痛みを感じる原因は、クリトリス包茎によってクリトリスへの刺激が遮られるからです。通常はクリトリスに刺激を与えられると充血することで気持ちよくなるため、充血していない状態で刺激を与えられても痛みになってしまいます。
クリトリスは、神経が密集しているデリケートな部分であるため、刺激を与えればよいものではありません。性交渉中に痛みを感じれば、性交渉が苦手になってしまう原因になり、パートナーとの関係に影響が出てしまいます。
余分な包皮を切除することで、クリトリスに刺激が伝わるようになります。適切な反応ができるようになることで、パートナーとのよりよい関係を築くことができるでしょう。
クリトリス包茎手術の流れ
クリトリス包茎手術そのものは、30分程度で終わります。入院や通院も基本不要なため、準備が整っていれば1日の中で行うことも可能です。
カウンセリング
クリトリス包茎手術の前に、担当医師がカウンセリングを行ないます。患者さんが納得した上で手術を行えるようになっています。
具体的には、以下のことについて決めたり、説明したりします。
- 希望の形や大きさを基にしたデザインについて
- 施術後のケアについて
- 他の方の症例の確認
- 小陰唇の縮小の手術を同時に行うか
カウンセリングの結果、手術が不要になったり、一旦検討したりするケースもあります。
手術前・手術中
カウンセリング後に手術が可能であれば、そのままクリトリス包茎手術を行ないます。生理中でも手術は膣部分ではないため基本は可能ですが、感染症のリスクから避ける医師が多いです。
クリトリス包茎手術では、局所麻酔を行います。全身麻酔ではないため、身体への負担も少なくなります。
麻酔がかかったことを確認したら、余分な包皮の切除を行い事前に決めたデザインになるように縫合していきます。
手術後
クリトリス包茎手術後には、血は出ますが歩いて帰宅できます。ナプキンを着用していただくため、外から見てわかるような状態にはなりません。
周りが気付くような腫れ方はしないため安心してください。抜糸が必要な場合などの施術内容によっては、通院が必要なケースもありますが、基本的に通院は不要です。
注意点としては、歩いて帰宅は可能ですが、患部に刺激を与えるような自転車やバイクを運転しないようにしてください。
クリトリス包茎手術後の注意点
クリトリス包茎手術後は、入院は不要ですが元通りの生活を送れるまでは1か月程度かかります。その間は、以下について自己管理していただく必要があります。
- 入浴
- トイレ
- 運動
- 性交渉
傷の治るスピードは個人差があるため2週間程度で回復する方もいますが、自己判断だけで元通りの生活に戻して失敗するケースもあるため気を付けましょう。
入浴
患部の清潔さを保つことは重要ですが、入浴に関してはクリトリス包茎手術してから2週間程度は避けてください。
血行がよくなると傷口が開く可能性があり、浴槽の中に漂う雑菌が付く可能性もあり危険です。シャワー浴であれば翌日から可能なため、患部を刺激を与えないように洗い流す程度で洗浄しましょう。
また、10日程度は石鹸が傷にしみる可能性があるため、控えた方が無難です。
トイレ
施術後2週間は、清潔を保つために、トイレの後は患部の消毒をお願いします。
また、トイレットペーパーなどでこすらず、ウォシュレットを使用してください。しかし、刺激を与えないように水圧には気を付けましょう。
運動
手術をした当日に歩いて帰宅できますが、激しい運動や患部を刺激する自転車などに乗るのは、施術後1か月程度控えてください。
血行がよくなれば腫れて、患部を刺激すれば傷口が開く可能性があります。1か月経過した後も、少しずつ身体を動かして、腫れや痛みがないか確認しながら運動するようにしましょう。
しかし、施術の内容や運動の種類によっては1週間程度で可能ということもあるため、どうしても早い段階で運動が必要であれば担当医師に相談してください。
性交渉
性交渉も運動と同じで、施術後1か月程度は控えてください。
女性器を刺激しないキスや胸などへの愛撫などであれば早い段階から可能ですが、興奮して身体全身の血行がよくなり過ぎる場合は、患部が腫れることもあるため気を付けてください。
仕事として性交渉がある場合も、患部を激しく刺激したり、本番行為があったりするなら休むようにしましょう。
クリトリス包茎手術のリスク
クリトリス包茎手術は、身体への負担が少ないですが以下のリスクがあります。
- 痛み・腫れ
- 出血・感染症
- 仕上がりの左右差
痛み・腫れ
クリトリス包茎手術中に関しては麻酔を行うため、注射による痛み以外は感じません。しかし、麻酔が切れると痛みが出てきますが、歩けなくなるほどではないので安心してください。
痛みのピークは施術後3日間位になりますが、痛み止めが処方されるため、日常生活に支障が出ることはない方がほとんどです。
また腫れは1週間程度出ますが、時間が経過すれば徐々に消えていくため、心配の必要はありません。多少腫れが残っている程度なら、性交渉に支障はありません。
出血・感染症
クリトリス包茎手術後に出血が伴うのは、通常のことであるため心配はいりません。
施術後1週間位まではにじむ程度の出血がありますが、ガーゼやナプキンを当てて対処していただくことになります。
出血がある状態で不衛生だと感染症のリスクが上がるため、トイレや入浴などの際には清潔を保つことを意識してください。
もし多量の出血があれば担当医師に連絡するようにしていただければ大丈夫です。
仕上がりの左右差
人の身体は左右非対称にできているため、どのように手術を行っても仕上がりに左右差が生じます。あらかじめご了承をお願いします。
左右非対称であっても、手術をしたこともわからないような自然な仕上がりとなるため安心してください。
まとめ
クリトリス包茎は必ず手術しなければいけないというものではありません。
しかしパートナーとの性交渉で、匂いや不感症・痛みが伴うなどの原因となっていれば、2人の関係性に影響が出てしまいます。
また恥垢が溜まると不衛生になり、介護してもらう際のケアを軽減するために手術を検討する方もいるため、多くの方に関係のあることです。
クリトリス包皮切除の手術は身体への負担が少ないため、施術後そのまま帰宅することができ、日常生活を送ることができます。
パートナーや家族に黙って手術を受けることもできるため、悩んでいるならカウンセリングを受け検討してみてください。
しかし、身体への負担が少ないとはいっても、施術後の適切な自己管理ができなければ感染症などのリスクがあるため気を付けましょう。
トイレ後に不衛生にならないようにしたり、激しい運動などで患部を刺激したりしないようにすることが必要です。
施術後の自己管理の大変さやリスクを踏まえても、ストレスを抱え続けてしまう方がつらい場合もあるため、ぜひ1人で抱え込まないようにしてください。
参考文献