目の下にくまがあると疲れた表情や老いたように映ります。目の下が茶褐色だったり目元にふくらみがあったり、くまの症状は個人差があり特徴的です。
また、高齢になるにつれて目元のたるみでくまが目立ってくるものです。くまを解消する方法は、美容医療機関を中心に治療法が確立されてきました。
なかでもヒアルロン酸注射の治療は安全性が高く効果に期待できます。本記事はヒアルロン酸注射の効果・治療方法・費用について詳しく説明しています。
くまの対処法が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目元のくまの原因やヒアルロン酸注射の効果
- 目元にくまができる原因を教えてください。
- 目元にくまができる主な原因は血流の滞りです。滞る理由は以下が挙げられます。
- 睡眠不足
- 過労
- ストレスの増加
- コンピューターによる目の酷使
- 加齢
目の下の皮膚は薄く血流が滞りやすい場所です。
冷え性の体質や日ごろの生活習慣で血流に滞りがあると目元も影響を受けます。特に睡眠不足・過労・ストレスの増加は、くまを悪化させます。
コンピューターやスマートフォンで目を酷使していると、一点に集中するために目の眼輪筋の動きが鈍り、血流が滞りやすくなるのです。年齢が上がると血流が滞りやすくなり、目元の筋肉が衰えて眼窩脂肪のふくらみでくまになるのです。
血流の滞りを改善するためにマッサージ・生活習慣の見直し・ストレス発散をしてみると、血行促進によりくまが改善することもあります。
- 目元のくまの種類について教えてください。
- くまは主に色に特徴があり、一般的な種類は大きく3つに分類できます。
- 茶くま
- 青くま
- 黒くま
茶くまは、メラニン色素により目の下に茶色の色素が沈着しているのが特徴です。
青くまは目の下の血流が悪く青味を帯びて見えます。
黒くまは、加齢による目の下のたるみ・ふくらみの影で黒く見えるのが特徴です。
3種類のくまに共通するのは、血流の滞り・メラニン色素の沈着が大きく影響していることです。血流が滞るとヘモグロビンの酸素飽和度が低下を引き起こし、ヘモグロビンの酸化・還元により目の下の血色に変化をあたえます。
くまを改善するにはセルフケアが大切で、規則正しい生活と血行を良くするマッサージが効果的でしょう。
しかし、茶くまの人はメラニン色素が反応しないよう過度な摩擦は控えてください。黒くまの人はセルフケアでは眼窩脂肪のふくらみが消えにくいため、ヒアルロン酸注射の治療で改善が期待できます。
3種類のくまはセルフケアで努力をしても改善しないことがあり、その場合は美容医療のくま治療で改善が見込まれます。
- 目元へのヒアルロン酸注射の効果を教えてください。
- ヒアルロン酸は水分量が豊富で肌を保湿する優れた製剤です。目元のくま周辺にヒアルロン酸注射をすると、短時間で肌が潤うことで皮膚を持ち上げ目の下を目立たなくする効果があります。
ヒアルロン酸注射は注入方法によって微細な調整から大きな調整まで可能なため、くまの形状や個人の気になる箇所を補正できます。またヒアルロン酸注射は、アレルギー反応を引き起こすリスクが小さく、もともと真皮組織に存在する物質です。
そのため、効果の持続期間が過ぎたら体内に自然と吸収します。人体に害を及ぼさない成分はメリットといえるでしょう。
特に目の下がたるみ影になる黒くまのタイプは、ヒアルロン酸注射の効果が期待できます。
- ヒアルロン注射にデメリットはありますか?
- ヒアルロン酸注射は、注射をした当初の状態から時間の経過で元に戻っていくので永久的な効果はありません。効果を持続させるには、定期的に注射を打つ必要があります。
ヒアルロン酸注射は安全性が高い方だといわれていますが、副作用はあります。発赤・腫れ・痛み・むくみが代表的な反応です。
また、ヒアルロン酸注射でアレルギーが起こる場合もあり、起こるタイミングに注意が必要です。注射した直後に起こる即時型アレルギーと、数日~数ヶ月後に起こる遅延型アレルギーがあります。
アレルギーが起こると、ヒアルロン酸溶解注射を行い、症状が残る場合は抗アレルギー薬を投与します。
そのほかヒアルロン酸注射を血管内に誤注入されて塞栓症を引き起こしたり、皮膚壊死・失明などの合併症を引き起こしたりする事例がありました。
しかし、合併症の事例により顔面内の危険部位とそうでない部位が明らかにされつつあります。
合併症を起こしたときの対処法はありますが、時間の経過で重くなる症状に即時対応するには、注入治療技術の豊富な経験が必要です。
目元のくまにヒアルロン酸注射の診療科や治療
- 目元のくまへのヒアルロン酸注射はどこで受けられますか?
- くま治療は日常生活に大きな支障をきたすものではないため自費診療となります。
ヒアルロン酸注射のくま治療は、美容皮膚科・美容外科など美容医療のクリニックで受けられます。ヒアルロン酸注射で保険適用されるのは膝関節症など痛みを緩和する一部の疾患です。
くま治療は外科手術の治療があるので、クリニックのホームページでヒアルロン酸注射の施術をしているクリニックかどうかを確認しましょう。
- 目元のくまへのヒアルロン酸注射の治療方法を教えてください。
- 治療前のカウンセリングで目元の注入箇所を医師と決めます。注入予定の部分をマーキングし、施術後のイメージを共有してから治療開始です。
注射の痛みを緩和するために、目の下・目の周辺に局所麻酔を打ちます。麻酔が効いてきたら、くまの窪みと頬との段差にヒアルロン酸注射によって段差を目立たなくします。
目の下は皮膚が薄いため、粒子の細かいヒアルロン酸製剤を用いて極細針の注射器でわずかなヒアルロン酸製剤を目の下に数か所注入して治療は終了です。
注射後の目元の印象が予想していない結果であれば、ヒアルロン酸を分解する酵素が入った注射で元に戻す処置が可能です。
- 治療にかかる時間はどのくらいですか?
- 目元のくまの症状によりますが、両目の下にヒアルロン酸注射で施術する所要時間は約10〜20分です。細かく注入するときは両目の下に1時間ほどかかるでしょう。ヒアルロン酸注射後は患部を冷やす・軟膏をつけるという処置を行いダウンタイムを軽くするようケアします。
目元のくまにヒアルロン酸注射を行う際の注意点や費用
- 治療を受ける際の注意点を教えてください
- ヒアルロン酸注射は、目の下の薄い皮膚に毛細血管が張り巡らされた敏感な場所に注入をします。わずかな単位の注入で表情の印象が大きくかわるため、医師の高い技術が求められます。
そのため、クリニック選びは重要なポイントです。いくつかチェックポイントを挙げてみました。- 注入治療の経験が豊富
- 施術の副作用・リスクを説明
- ヒアルロン酸製剤の管理が徹底されている
- 万全なアフターケア体制
チェックポイントはほんの一例です。
美容医療クリニックのくま治療には、他院修正を治療メニューにしているクリニックが多く存在します。それは、目元のくま治療に不満を持ち転院してくる方が少なからずいるからです。
費用面を優先にクリ二ックを選びがちですが、後悔しないように技術力・注入治療経験の面に目を向けて検討しましょう。
- 効果はどのくらい持続しますか?
- ヒアルロン酸注射の効果は半年〜1年ほど持続するといわれています。注射後から時間をかけて体内に吸収していくため、当初の目元デザインが時間の経過で崩れていくでしょう。
持続期間の後は体内に吸収されていないヒアルロン酸製剤はまだ目元に残っていますが、当初の皮膚を持ち上げる水分量が減少しているため効果は失われています。
- ヒアルロン酸注射の費用はどのくらいですか?
- ヒアルロン酸注射の費用はクリニックで設定金額が異なります。ヒアルロン酸製剤1ccにつき20,000円前後(税込)という費用設定や、治療全体で60,000円〜160,000円前後(税込)と費用の幅が広い治療法です。
高額設定の内訳に注入技術料金や麻酔などが含まれていたり、使い切れないヒアルロン酸製剤1本の代金が含まれていたりします。
ヒアルロン酸製剤の種類は豊富で、海外の有名なヒアルロン酸製剤を目元の部位別に複数使い分けるクリニックも存在するため、製剤の価格に応じた費用設定がされています。
編集部まとめ
くまの原因や特徴とくま治療におけるヒアルロン酸注射の効果を説明しました。くまは血流の滞りが主な原因とされています。
セルフケアで目元のくまが解消せず困っている方は、ヒアルロン酸注射の治療を検討してみてはいかがでしょうか。
ヒアルロン酸注射は美容医療初心者でも利用しやすい治療法です。クリニック選びに迷うのであれば、複数のクリニックに相談して決めると良いでしょう。
くま治療は自費診療のため費用の幅が広く、安価な設定でクリニックを選びがちです。
しかし、ヒアルロン酸注射の治療はリスクが少なからずあるため、技術が高く信頼のおける医師・クリニックを選ぶように心がけてください。
参考文献