豊胸手術は美容整形のなかで注目を集めている手術です。
短期間でボリュームのある美しい胸を手に入れられるといったメリットがありますが、定期的に診察を受けなければならないといったデメリットもあります。
また、豊胸手術をするにあたり、特に気になるのは費用ではないでしょうか。一般的に手術は費用が高い傾向にあるため、保険が適用されるかどうかで経済的な負担が大きく変わってきます。
そのため、豊胸手術を受ける前に、保険適用の有無を確認しておきたいところです。
そこで、今回の記事では豊胸手術の保険適用・費用について詳しく解説します。また、豊胸手術と比較されやすい乳房再建についても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
豊胸手術の方法やメリット・デメリット
- 豊胸手術にはどのような方法がありますか?
- 豊胸手術はプロテーゼ法・注入法に大別されます。プロテーゼ法は、シリコンプロテーゼを脇の下など目立ちにくいところを切開し、そこから挿入して豊胸する方法です。この方法で使用されるプロテーゼは、シリコンの袋に生理食塩水もしくはシリコンジェルが充填されているもので、乳房のような形で大きさが80〜400cc程度のものです。病院にもよりますが、豊富なサイズの種類があるところもあります。
近年では、中にあるシリコンジェルが流れ出にくいコヒーシブシリコンバックを用いられることが多いとされます。挿入するサイズをカスタマイズできるため、ご自身の希望する大きさの胸を手に入れられるでしょう。一方で、注入法は乳房を大きくするための物質を注射器を使用して注入する方法です。注入する物質はヒアルロン酸などが挙げられます。プロテーゼ法と比べると、手術時間がかからず手軽にできるため、時間に余裕のない方にとっては選択しやすい方法です。
また、自分の脂肪を注入する脂肪注入法もあります。これらの方法のメリット・デメリットを理解したうえで、医師と相談しながら十分に検討することが大切です。
- 豊胸手術のメリットを教えてください。
- 豊胸手術のメリットは、ご自身が望むような胸を短期間で手に入れられることです。
マッサージ・トレーニングなどを行うことでバストアップが見込まれますが、長期的に取り組む必要があります。豊胸手術を受けることで、このような努力をしなくても理想的な胸が手に入れられるのです。また、ボリュームのある美しい胸を手に入れたことで、自分の体に自信が持てるようになる方もいるでしょう。
- 豊胸手術にデメリットはありますか?
- 豊胸手術では通常の体にはない異物を入れるため、体に合わないこともあります。手術後に違和感を覚えたり痛みを感じたりしたら、早めに受診することが重要です。挿入したシリコンバックは何年か経過すると劣化したり破裂したりする可能性があるため、手に入れた胸を半永久的に維持するのが難しいとされます。
また、注入した脂肪は壊死するリスクがあります。そのため、手術後は定期的に診察し、必要に応じて再手術を行う場合があることに留意しておきましょう。さらに、豊胸手術の費用は高額であるため、経済的に負担があります。
手頃な価格を強調している病院もありますが、この価格にはすべての費用が含まれていなかったり、手術後の保証が十分ではなかったりします。契約する際に、高額な請求をされるなどトラブルにつながる可能性もあるため、注意が必要です。
- 豊胸手術を受ける際の注意点を教えてください。
- 美容整形の豊胸手術において手術の内容・使用する材料は、医師の裁量によって大きく変わります。そのため、病院によって手術の効果・トラブルの起こりやすさに差が出る可能性があります。
豊胸手術を受ける際は、受けようと思っている病院・その手術内容をよく確認しておくことが重要です。また、手術によるリスクを十分に理解したうえで、手術を受けるようにしましょう。
豊胸手術の保険適用や費用について
- 豊胸手術は保険適用になりますか?
- 豊胸手術は保険の適用外となります。健康保険が適用されるのは、病気や怪我によるものを治療するケースです。一般的に豊胸手術は美容目的で行われるものであるため、適用されません。
- 豊胸手術の費用相場はどのくらいですか?
- 豊胸手術の費用相場は、50万〜150万円(税込)と幅があり、手術の種類によって費用が異なります。シリコンバックを挿入する手術の場合は50万〜100万円(税込)程度、脂肪を注入する場合は50万〜150万円(税込)程度です。
どの手術も高額であるため経済的に負担がかかりますが、支払いを分割できる医療ローンのある病院もあります。経済的に厳しくても豊胸手術をしたい方は、医療ローンの利用を検討すると良いでしょう。
- 豊胸手術の修正には保険が適用されますか?
- 豊胸手術の修正においても、保険が適用されません。なぜなら、豊胸手術の修正は病気や怪我によるものではないからです。なお、「豊胸手術したけど、シリコンバックを除去したい」といった自己都合だけではなく、シリコンバックの劣化・破損によるものでも保険は適用されません。
いかなる理由であっても豊胸手術は保険が適用されないため、豊胸手術をする際には追加で手術が必要になる可能性を考慮すると良いでしょう。
乳がん全摘出後などの乳房再建の保険適用
- 乳房再建の方法にはどのようなものがありますか?
- 乳房再建とは、乳房にある腫瘍を切除することで失われた乳房を新しく作り直す手術です。乳房再建の方法には、以下の2つの方法があります。
- 自分の体の一部を使用して再建する方法
- 人工物を使用して再建する方法
自分の体の一部を使用して再建する方法には、背中から採取して再建する方法、腹部から採取して再建する方法の2つが一般的です。それぞれの方法では、皮膚・脂肪・筋肉に酸素や栄養が行き渡るよう血管がつながった状態で胸部に移動させます。これらの方法は体の一部を使用するため自然な形状を維持しやすいですが、体に傷ができてしまう・手術時間が長いといったように体に負担がかかる手術といえるでしょう。
一方で、人工物を使用して再建する方法では、シリコンインプラントという人工物を胸部に挿入することで再建します。体を傷つけなくて済む・手術時間が短いといったメリットがある反面、感染症のリスクがある・将来的に人工物を入れ替える必要があるといったようなデメリットもあります。乳房再建の方法を選ぶ際には、年齢・職業・切除の範囲・乳房の大きさのバランスなどを考慮することが必要です。
- 乳房再建で保険が適用されるのはどのようなケースですか?
- これまで、乳房再建で保険適用されるのは自分の体の一部を使用することによる乳房再建のみでしたが、2013年から条件付きで人工物による乳房再建も適用されるようになりました。
人工物による乳房再建のうち、エキスパンダーという皮膚拡張器・シリコンでできた人工乳房を使用する場合に適用されます。実際に保険適用できるかどうかは、ご自身が受診する病院で確認することをおすすめします。
- 美容整形の豊胸手術と乳房再建の違いについて教えてください。
- 美容整形の豊胸手術と乳房再建は全く異なります。まず、美容整形の豊胸手術は今ある自分の胸にシリコンなどを追加することでより大きくしたり美しい形状にしたりする手術です。一方で、乳房再建は乳がんで乳房を切除した際に、元の乳房に近い状態に戻すために行う手術です。
どちらも体の一部もしくは人工物で胸を大きくする手術ですが、目的・手術内容が違います。また、保険適用の可否にも違いがあり、美容整形の豊胸手術は保険が適用されないのに対して、乳房再建は保険が適用されます。
編集部まとめ
美容整形の中でも注目を集めている豊胸手術は、短期間で理想的な胸を手に入れられます。
しかし、手術を受けることで体に悪影響を及ぼす可能性があるほか、手術費用が高いため経済的な負担が大きいでしょう。
豊胸手術は美容目的で行われるものであり、保険が適用されません。そのため、病気・怪我による手術よりも資金に余裕がないと手術を受けるのが難しいといえます。
また、胸を大きくする手術には乳房再建というものがあり、乳房再建は一部を除いて保険が適用されます。
基本的に乳がんによって乳房を切除した場合に行われる手術であるため、美容整形の豊胸手術とは異なる手術であることを認識しておくと良いでしょう。
参考文献