新着記事

注目のトピック

豊胸

豊胸術(バストアップ)で切らない方法はある?メリット・デメリットを解説

豊胸 切らない

豊かなバストに憧れる一方で、胸部にメスを入れるのに抵抗がある人は少なくありません。また多様性が注目される現在では、豊胸術(バストアップ)の需要も増えています。

そうしたなかで気になるのが、切らないバストアップです。効果の程度・持続期間・メリット・デメリットを解説していきます。

豊胸術(バストアップ)で切らない方法

ブラジャー

胸部にメスを入れることがない豊胸術としては、以下の2つが考えられます。いずれも、バストへの注入物によってサイズを大きくする方法です。

  • 脂肪注入による豊胸
  • ヒアルロン酸注入による豊胸

それぞれ、どのようにしてバストアップを行っているのでしょうか。術式について、簡単に説明していきます。

脂肪注入による豊胸

脂肪はバスト周辺だけではなく、さまざまな部位にあります。胸部以外から脂肪を取り出し、バストに注入することで豊胸を行うのがこの術式です。

バストを大きくしたいと思っている人のなかには、バスト以外の部位に脂肪が付くことが悩みだという人もいるかもしれません。お腹や太ももに付いている脂肪が、バストに付いてくれればいいのにと思ったことがある人は少なくないでしょう。

脂肪注入による豊胸は、そのようなみなさんの希望をかなえる術式です。バストアップと同時に、お腹や太ももの気になる脂肪を減らせます。痩せたい部分だけ痩せることが、術式によって可能になるからです。

注入するのは自分の脂肪ですから、拒否反応が起きるリスクもありません。

最近では自分の脂肪幹細胞を抽出したうえで培養し、胸部に注入する再生医療も行われるようになっています。抽出する脂肪幹細胞が少なく、さらに負担が抑えられるメリットがあるためです。

ヒアルロン酸注入による豊胸

ヒアルロン酸は糖質の一種で、保水性に優れています。目や皮膚などに含まれており、関節内では潤滑油のような役割を果たしています。

このヒアルロン酸を胸部に注入し、バストアップを図ろうという術式です。ヒアルロン酸の注入は注射器によって行うため、胸部にメスを入れるようなことがありません。

かつてはシリコン樹脂やポリアクリルアミドハイドロジェル(PAAG)のような非吸収性充填剤を注入する豊胸術もありました。しかし、弊害が大きいため現在ではこの術式は行われていません。

ヒアルロン酸は非吸収性充填剤とは違い、人体に含まれている物質です。整形外科分野では、ヒアルロン酸を関節に注入してスムーズに動くようにする術式も行われています。安全性については、決して低いわけではないのです。

ただし、日本形成外科学会はヒアルロン酸注入による豊胸術について否定的な立場を取っています。非吸収性充填剤の注入が人体に悪影響をもたらした臨床例があり、反省の意味を込めて「安易に受けるべきではない」としているのです。

豊胸術(バストアップ)で切らないメリット

注射器

切らない豊胸術のメリットとしては、以下のようなものが考えられます。特に、大がかりな手術が不要で、体に負担がかからないことは特筆すべき点です。

  • 大がかりな手術が必要ない
  • 左右差を解消できる
  • ダウンタイムが短い
  • 傷跡が残りにくい
  • 術後の痛みが少ない
  • 脂肪注入の場合は自分の脂肪を使用できる
  • 自然な仕上がりでバレにくい

バストの左右差の解消・仕上がりの自然さといったクオリティー面での問題が起きにくいという点も、着目すべき点だといえます。

大がかりな手術が必要ない

美容注射を受ける女性

豊胸術で広く行われている術式に、シリコンバッグプロテーゼ法と呼ばれるものがあります。これは胸部にシリコン樹脂が入った専用のバッグを埋め込み、バストアップを図るものです。

小さいとはいえないバッグを胸部に埋めるのですから、胸部を切開する手術が必要になるのです。基本的にこの手術は全身麻酔で行われるため、体に相応の負担が発生します。

また、全身麻酔の場合は呼吸が弱くなるため人工呼吸が必須です。このため、術式はどうしても大がかりなものにならざるを得ません。

切らない豊胸術の場合、バストにメスを入れないので全身麻酔は不要です。このため、大がかりな手術を行う必要はありません。ヒアルロン酸注入による豊胸術の場合は、バストにヒアルロン酸の注射を行うだけです。

脂肪注入術の場合はバストに持ってくる脂肪を抽出する必要があるので、ヒアルロン酸注入術と比べると手間は増えます。しかし、脂肪の抽出も注入も注射器やカニューレというチューブを使って行うため、大がかりな手術が不要という点では変わりません。

左右差を解消できる

バストサイズの左右差はほとんどの人にあるもので、サイズ差によって機能面で問題が生じるようなことはありません。ただ、左右のサイズ差がどうしても気になってしまうという心理も理解できます。

脂肪やヒアルロン酸を注入する豊胸術の場合、バストの左右差の解消も可能です。注入量を細かく変え、微妙な調整をすることが可能だからです。

前述したシリコンバッグプロテーゼ法でも、バッグのサイズを変えることで左右差の調整はできます。ただ、シリコンバッグのサイズはある程度は決まっており細かい調整は難しいでしょう。左右のバストの差が微妙である場合、対応が厳しいこともあります。

少しであっても、サイズ差が気になる人は気になります。可能な限り両方のバストの差をなくしたいという人にとって、細かい調整のできる注入術は強い味方なのです。

ダウンタイムが短い

胸に手を当てる女性

シリコンバッグプロテーゼ法は術式によっては2ヵ月程は痛みが生じるなど、ダウンタイムは長くなってしまいます。

これに対して切らない豊胸術は注射器やカニューレを使って行われるので、ダウンタイムは短めです。ただし、ダウンタイムそのものは存在しています。

ヒアルロン酸注入術で1週間程度脂肪注入術で2週間から1ヵ月です。脂肪注入術の場合は脂肪を吸い出した部位にもダウンタイムが生じることもあり、ヒアルロン酸注入術より負担は大きくなります。

傷跡が残りにくい

ヒアルロン酸注入術は注射器による注入のみなので、施術による傷跡が残るようなことはありません

脂肪注入術の場合、カニューレを使った場合はわきの下に傷跡が残ることもありますが大きいものではありません。これに対してシリコンバッグプロテーゼ法は、バッグ挿入の際にわきの下・乳輪周辺・バスト下部を切開します。

医療機関の技量が高ければ、傷跡はほとんど気にならないレベルです。それでも傷跡が残ること自体が嫌だという心理を考えれば、切らない豊胸術のメリットは大きいといえます。

術後の痛みが少ない

切らない豊胸術でも、施術後の痛みそのものは生じます。胸部の痛みはヒアルロン酸注入術・脂肪注入術とも1週間程度ですが、強いものではありません。

ただし、脂肪注入術は脂肪を抽出した部位の痛みは2週間から1ヵ月程度残ります。これに対してシリコンバッグプロテーゼ法は術式にもよりますが、3日間程度は笑うことすらできないレベルの痛みが生じます。

痛みが落ち着くまでに必要な期間は、2ヵ月程度です。これと比較すれば、切らない豊胸術の痛みは少ないといえるでしょう。

脂肪注入の場合は自分の脂肪を使用できる

お腹のぜい肉をつまむ女性

脂肪注入術の場合、使用するのは自分の脂肪です。再生医療の場合でも、自分の脂肪幹細胞を培養したうえで使用します。

このため、拒否反応が起きるようなことはありません。脂肪を抽出する場所は、太ももやお腹などできれば脂肪が付いてほしくない部位です。

脂肪を抽出して減らすことができれば、部分痩せも期待できます。

自然な仕上がりでバレにくい

シリコンバッグプロテーゼ法の場合、体質によってはリップリングが生じることがあります。胸の一部に不自然なしわ・凹凸が生じるもので、皮下脂肪が薄いやせ型の人に起きやすいのが問題点です。

また、術式によってはリップリングが生じやすいものもあります。切らない豊胸術はバッグのような固形物を挿入しないため、リップリングが起きることはありません。

シリコンバッグプロテーゼ法と比較すると自然な仕上がりになりますが、触り心地という点ではヒアルロン酸注入術・脂肪注入術で差があります。

脂肪注入術は自分の脂肪を使うため、触り心地は自然です。一方、ヒアルロン酸注入術は脂肪注入術と比べて硬めの仕上がりになる傾向があります。

豊胸術(バストアップ)で切らないデメリット

頭をおさえる女性

ここまで見るとよいことずくめの切らない豊胸術ですが、デメリットもあります。以下のように、うまく生着しないリスクがあることなどがデメリットです。

  • うまく生着しないケースもある
  • しこりができることがある
  • 大幅なサイズアップは望めない
  • 感染が起こるケースがある

感染が起きるケースなどを考えると、切らない豊胸術でも術後のアフターケアは重要になってきます。

うまく生着しないケースもある

脂肪注入術は、注入した脂肪が胸部に生着することを狙った術式です。しかし、注入した時点での脂肪細胞には血管が通っていないため、すべて生着するとは限りません。

脂肪が生着しないと、後述するしこりや感染の原因となります。ただし、脂肪の生着率を高める方法はあります。生着に必要な酸素・栄養分を十分に供給することです。

酸素の供給を減らさないため、喫煙をはじめとする血行悪化の原因となる行為はタブーです。また、栄養分を十分に供給するためにダイエットも推奨できません。

しこりができることがある

脂肪注入術で生着しなかった脂肪は、腫瘤を形成してしまうことがあります。これがしこりのできる原因です。

しこりが石灰化すると、マンモグラフィーや超音波検査においても乳がんとの判別が難しくなるのが大きな問題点です。

一方、ヒアルロン酸注入術でもしこりができることがあります。しこりが自覚できないレベルのこともあり、このときにマンモグラフィー検査を受けると炎症を引き起こしかねません。そのため、しこりが発生している場合、マンモグラフィー検査は推奨できないです。

大幅なサイズアップは望めない

胸に手を当てる女性

医療機関の説明によると、切らない豊胸術で期待できる効果は1カップから2カップ程度です。これに対して、シリコンバッグプロテーゼ法の場合は3カップのバストアップが見込めます。

切らない豊胸術で比較すると、ヒアルロン酸注入術より脂肪注入術の方が効果が高いとされています。ヒアルロン酸注入術での豊胸は1カップが限界ですが、脂肪注入術なら2カップも期待できるのです。

感染が起こるケースがある

脂肪注入術の場合、すべての脂肪が生着するわけではありません。生着しなかった脂肪は、しこりになることがあります。

また、過度な脂肪量の注入によって感染症が起こるケースもあるようです。脂肪に十分な酸素が行き届かないと、脂肪が壊死することがあります。その壊死した組織に菌が増殖し、感染症の原因となります。

多くの場合はしこりとして現れますが、免疫力がない方は感染症を引き起こすでしょう。

炎症を防ぐためには、前述のように生活習慣の改善によって脂肪の生着率を高めることが重要です。

ヒアルロン酸注入術でもしこりがあるときにマンモグラフィー検査を行い、炎症の原因となるケースがあります。ヒアルロン酸注入術後にマンモグラフィー検査が推奨されないのは、炎症を防ぐためです。

切らない豊胸術(バストアップ)の持続期間は?

スポーツウェアの女性

ヒアルロン酸注入術の場合は、豊胸効果は長くても2年程となります。ヒアルロン酸は体内に存在する物質なので危険性がない半面、徐々に体内で分解されてしまうためです。

これに対して脂肪注入術の場合、もともと自分の体内にあった脂肪を胸部に移植しているため効果は半永久的となります。ただし、すべての脂肪がバストに生着するわけではありません。

脂肪注入による切らない豊胸術(バストアップ)はダイエットでサイズダウンする?

胸に手を当てる女性

脂肪注入術は、バストの脂肪細胞そのものを注入によって増やす術式です。そしてダイエットそのものでは脂肪細胞が減ることはなく、脂肪細胞のサイズが小さくなるだけです。

このため、脂肪注入術とダイエットには直接的な関係はありません。ただし、ダイエットは脂肪注入術による脂肪細胞の生着率に影響します

脂肪注入術の術後は、注入された脂肪に血管が通っていません。脂肪を生着させるためには、酸素・栄養分が必要です。ダイエットはこの栄養分の不足につながり、脂肪の生着の阻害要因になりかねません。

これにより術後の脂肪の生着率がさがってしまうため、脂肪注入術を受ける際のダイエットは厳禁とされています。

なお、脂肪注入術の術後に少しバストサイズが小さくなります。これは注入した脂肪が完全に定着しないためで、少し小さくなった時点が完成形です。

その他の豊胸術(バストアップ)の種類

医療器具

切らない豊胸術以外には、切る豊胸術としてシリコンバッグプロテーゼ法があります。わき・乳輪周辺・乳房下部を切開し、シリコン樹脂が入った専用のバッグを埋め込むものです。

埋め込む場所は乳腺下・大胸筋筋膜下・大胸筋下の3つがあります。乳腺下に埋め込む場合はリップリングが生じやすい半面、負担は小さくなります。

一方、大胸筋下の場合は術後の負担が大きいですが、リップリングが生じにくいです。このため、カップサイズが小さい人に大きなバッグを入れられます。

切らない豊胸術より大きな効果が期待できますが、術後に傷跡が残るという点がデメリットです。

まとめ

ブリーフィングをするドクターとナース

切らない豊胸術には術後の負担が小さい・細かい調整が可能などさまざまなメリットがあります。なかでも、術後に傷跡が残りにくいというのは大きなメリットです。

半面、ヒアルロン酸注入術は効果が永続的でないというデメリットがあります。脂肪注入術は生着率が100%でないため、しこりや炎症の原因となりかねません。効果についても、切る豊胸術を上回るものではありません。

切らない豊胸術・切る豊胸術は一長一短です。希望のバストサイズや術後の負担などを考え、医療機関と綿密に相談したうえで術式を選択すべきです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

記事をもっと見る
  • この記事の監修医師
  • 他の監修記事
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

  1. 鼻にヒアルロン酸注射したときのダウンタイムの症状を解説|メリットとデメリットも説明します

  2. 顎にヒアルロン酸を入れたら横顔はきれいになる?顎のヒアルロン酸で得られる効果や注意点・失敗例もご紹介

  3. 鼻にヒアルロン酸を入れてもバレない?ヒアルロン酸がバレる原因と後悔しないためのポイントを解説

RELATED

PAGE TOP

電話コンシェルジュ専用番号

電話コンシェルジュで地域の名医を紹介します。

受付時間 平日:9時~18時
お電話でご案内できます!
0120-022-340