さまざまな美容施術の中でも、ヒアルロン酸注入は比較的ポピュラーな施術であり、耳にしたことがあるという方も多いでしょう。 特に、しわへの効果が期待できることから、年齢を重ねるにつれて目立つようになるほうれい線への注入を検討しているかもしれません。 ここでは、ほうれい線へのヒアルロン酸注入に関する効果やメリット・デメリット、気になる痛みについてなどを解説します。
ヒアルロン酸注入のほうれい線へのメリット・効果
エイジングケアの一環として、ヒアルロン酸注入という方法を聞いたことがある方は大勢いるかと思います。まずは、ほうれい線にヒアルロン酸を注入する場合、どういった効果が期待できるのか、そのメリットから見ていきましょう。
- ヒアルロン酸をほうれい線に入れるとどういった効果が得られますか?
- ヒアルロン酸の効果によりふっくら感が生まれ、ほうれい線が目立たなくなる効果が期待できます。 ヒアルロン酸は、もともと体内にある物質の一つであり、保水力が高いという特徴があります。ヒアルロン酸注入とは、そのような特徴のあるヒアルロン酸をたるみやしわが気になる箇所に注入することで、肌に水分を蓄え、ふっくらとさせる施術のことです。 ヒアルロン酸注入とは、加齢に伴う頭蓋骨や皮下組織のボリューム減少に対して投与を行い物理的に減少を補うことでほうれい線を目立たなくさせる施術のことです。
必ずしも気になる箇所への注入になるとは限らず、ボリュームロスが起きている頬骨などにも投与することがあります。 ヒアルロン酸を注入した部分はふっくらとハリが出るため、たるみやしわが目立たなくなるという効果があります。メリットとしては、短い時間で施術を受けることができ、即効性が期待できる点が挙げられます。 注入箇所の数や注入量にもよりますが、施術時間は5分から15分程度であることが多く、施術後には変化を実感できる場合がほとんどです。また、切開などを必要としないため、ダウンタイムが短い点もメリットとなっています。
- ヒアルロン酸の効果はどの程度持ちますか?
- 個人差がありますが、だいたい半年から1年半ほどです。注入したヒアルロン酸は、時間をかけて徐々に体内に吸収されていくため、ヒアルロン酸注入の効果の持続期間は、半年から一年半ほどとなっています。 この期間は、ヒアルロン酸の種類や注入量などによって異なります。また、初めて注入するのかそうではないのかによっても異なり、個人差があるため注意が必要です。ほうれい線を長く目立たないようにしたい場合には、繰り返しの注入が必要になるでしょう。
ヒアルロン酸注入のほうれい線へのデメリット・副作用
次に、ヒアルロン酸注入を行うことのデメリットや副作用を説明します。
- ほうれい線へのヒアルロン酸注入でデメリットはありますか?
- 施術の回数を重ねたり、注入量が多くなると、膨らんで見えたり不自然に見えることがあります。 ヒアルロン酸を注入する場合には、自然な仕上がりになるよう適度な量、回数で施術を行うことが大切です。 例えば、完璧にしわやたるみをなくしたいと思い、何度も注入を重ねていくと、口周りがのっぺりとした印象になってしまったり、笑った時にほうれい線が膨らんで見えるようになることがあります。
ヒアルロン酸を「足していく」施術のため、あまりにやりすぎると小顔からは遠ざかるということも覚えておきましょう。施術のし過ぎには注意が必要です。 また、顔全体でのバランスも考えておく必要があります。例えば、ほうれい線のみにヒアルロン酸注入を行ったことで、目の下などにあるそのほかのたるみや影が目立つようになってしまうということもあります。
- ヒアルロン酸注入による副作用はありますか?
- 赤みや腫れのほか、まれに血行障害やアレルギーが出る場合もあります。 副作用としては、針を刺した部分やヒアルロン酸を注入した部分に、赤みや腫れが生じることがあります。ほとんどの場合は数日で治まりますが、症状がひどい場合や長期間続く場合には医師に相談をしましょう。
また、重い副作用・合併症としては、血行障害やアレルギー反応が挙げられます。血行障害はヒアルロン酸が動脈に入ってしまった場合に起こるもので、最悪の場合は皮膚の壊死や失明につながることがあります。 アレルギー症状や血行障害はその後の生活に大きく影響する場合があるので、何か異変が現れた時は即座に医療機関を受診しましょう。また、そのようなリスクを減らすために、カウンセリングで医師の経験や治療技術をしっかりと見極めることも大切です。
ほうれい線へのヒアルロン酸注入の施術
次に、ほうれい線へのヒアルロン酸注入をする場合の流れについて説明します。
- ヒアルロン酸注入の流れを教えてください
- カウンセリングから始まり、注入量を決定し、要望に合わせて適切な場所に注入していきます。 まずは、カウンセリングを行い、どのような仕上がりデザインにするのか、そのためにはどの種類のヒアルロン酸をどのくらい注入するのかを決めます。 希望する施術後のイメージはもちろん、麻酔を希望する場合はその旨も伝えましょう。施術時は、麻酔を使用する場合は事前にクリーム状の麻酔などを注入箇所に施します。その後、ヒアルロン酸をゆっくり注入していきます。希望するデザインになっているか、また左右差はないかなどを確認し、問題がなければ施術は完了です。
- ヒアルロン酸をほうれい線に入れる際、麻酔は可能ですか?
- 可能です。 ヒアルロン酸注入を行っている多くのクリニックでは、麻酔に対応しています。ほとんどの場合、クリーム状の麻酔を用いるため、注射の痛みはなく麻酔を受けられます。クリニックによって、麻酔代込みの費用設定になっている場合と、施術料金に別途麻酔代が必要になる場合がありますので、事前にしっかりと確認をしておきましょう。また、施術時の痛みを軽減するためには、麻酔を使用するだけでなく、技術力の高い医師を選ぶことが大切です。
ヒアルロン酸注入後に気を付けたいポイント
次に、ヒアルロン酸を注入した後に気を付けておきたいポイントを説明します。
- ヒアルロン酸をほうれい線に注入した後は腫れたり痛みはありますか?
- 数日の間、腫れや痛みがでる場合があります。 ヒアルロン酸はもともと体内にある成分のため、副作用やアレルギー反応が起きにくく、ダウンタイムも短いのが特徴です。ただし、ダウンタイムが全くないというわけではありません。 ダウンタイム中に起こる可能性がある症状としては、腫れや痛み、内出血やむくみなどがあります。このうち、腫れや痛みに関しては、2~3日で自然と消えていくことがほとんどで、内出血やむくみは長くても2週間程度で治まります。もしこの期間以上に症状が出ている場合は、何かしらの異常が出ている可能性があるので、早めに医師に相談をしましょう。
- ヒアルロン酸をほうれい線に注入した後、日常のケアで気を付けることはありますか?
- 血行が良くなるような行動は避け、医師の指示に従いましょう。 前述したダウンタイムの発生や長期化を防ぐために、血行が良くなるような行動は避けることが大切です。施術後数時間は激しい運動や入浴などは避け、施術後1カ月ほどはマッサージやエステも控えましょう。また、感染症リスクなどを避けるために、施術箇所の周辺は触ったりこすったりしないように気を付ける必要があります。さらに、タオルを巻いた保冷剤などで施術箇所を冷やすようにすると、内出血のリスクを軽減することができます。
ヒアルロン酸注入以外のほうれい線ケア
最後に、ヒアルロン酸注入以外のほうれい線の施術に関して説明します。
- ヒアルロン酸注入以外でほうれい線を目立たなくする方法は?
- ハイフや糸リフトなどが検討対象となります。 ハイフは、表情筋筋膜まで届く波長の超音波を照射することで肌を引き締め、たるみを目立たなくさせる施術です。糸リフトは、特殊な糸を体内に挿入し気になる箇所を引っ張り上げることで、たるみを改善させる方法です。糸は徐々に体内に吸収されていくという特徴を持っています。
- たるみが強い場合に適した施術はありますか?
- フェイスリフトという施術があります。 切開を伴う方法ではありますが、皮膚の余分な部分を切除して引き上げる方法のため、たるみが強い場合や、広範囲に渡っている場合に適しています。外科手術が必要なため、ダウンタイムは比較的長くなり、傷が目立たなくなるまでは早くて3か月、だいたい半年から1年程度かかります。
まとめ
ほうれい線でお悩みの方へ向けて、ヒアルロン酸注入による施術や、そのほかの施術方法をご紹介しました。ヒアルロン酸注入は、ほかの施術方法に比べてダウンタイムが短く、体の負担も小さいといったため、気軽に受けやすい施術と感じる人が多いかもしれません。ただし、どのような施術にもメリットとデメリット、リスクがあります。よく理解を深めたうえで、自身に合う施術を選びましょう。
参考文献