ヒアルロン酸注射は、幅広い年代から注目されている美容整形です。
ヒアルロン酸はもともと体のなかにある成分のため、アレルギー反応などのリスクが少ないことや、注射のみで済むため身体への負担が少ないといったメリットがあります。
エイジングによる肌悩みが増えてきた方や切らずにしわ・たるみを改善したいと考えている方は、ヒアルロン酸注射を検討している方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、ヒアルロン酸注射を検討している方に向けて一般的な費用相場・効果・副作用・クリニックの選び方を解説していきます。
副作用・リスクについても正しく理解して、信頼できるクリニックを選んでください。
ヒアルロン酸注射の費用相場
若返り治療から輪郭形成まで、幅広いお悩みに対応していることがヒアルロン酸注射の特徴です。
注射だけで短時間で済む施術として注目を集めている美容整形でもあります。
また、メスを使った美容整形よりも費用が安く気軽に受けられるイメージをもつ方も多いと思いますが、実際の費用相場はご存知ですか。
ヒアルロン酸注射は、自由診療のためクリニックによって費用が大きく異なります。
さらに、ヒアルロン酸の種類・注入箇所・注入量によっても費用が異なるため、まずはヒアルロン酸注射の費用相場を各パーツごとにみていきましょう。
ヒアルロン酸注射で理想の顔のパーツを叶えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、ヒアルロン酸注入量の目安も紹介しますが、元々の顔立ちや理想によって最終的な注入量は目安より増減する場合もあることを理解しておきましょう。
おでこ・眉間
おでこ・眉間へのヒアルロン酸注射の費用相場は、1ccあたり約17,600〜132,000円(税込)です。
注入量はもともとのおでこのボリュームや理想によって個人差はありますが、目安としておでこで2〜5cc、眉間で1ccの注入量と考えるとよいでしょう。
目安の注入量と費用相場から考えるとおでこのヒアルロン酸注射には、約120,000〜660,000円(税込)の費用がかかることがわかります。
ほうれい線
ほうれい線へのヒアルロン酸注射の費用相場は、1ccあたり約17,600〜110,000円(税込)です。
そして、ほうれい線への注入量の目安は2〜3ccとなるため、約60,000〜330,000円(税込)が費用の目安となります。
唇
唇へのヒアルロン酸注射の費用相場は、1ccあたり約44,800〜132,000円(税込)です。
唇は注入量の目安は1ccとなります。
鼻
鼻へのヒアルロン酸注射の費用相場は、1ccあたり約39,600〜165,000円(税込)です。
唇と同様、鼻への注入量の目安は1ccとなります。
ヒアルロン酸注射の効果
ヒアルロン酸注射は、しわ・たるみ・ほうれい線・ゴルゴラインなどの治療に効果があります。
さらに、唇・鼻・おでこのボリュームを出し形を整えることができるため、若い世代にもおすすめの美容整形です。
また、ヒアルロン酸は1gで2〜6リットルを溜め込む高い保水力があるため、お肌のハリ・潤いも高まります。
肌のハリ・弾力を支え乾燥を防ぐ役割をもつヒアルロン酸を注入することで、エイジングケアや輪郭形成と同時に美肌効果も期待できることが、ヒアルロン酸注射の特徴です。
さらに、施術後からすぐに効果を実感できる即効性があるため、すぐに効果を感じたい方や一度の施術でしっかり効果を出したい方に向いています。
注入したヒアルロン酸は、約半年〜2年をかけて体内に自然と吸収されていくため、定期的にヒアルロン酸注射を行うことで効果を持続させることが可能です。
ヒアルロン酸注射で解決できる症状
ヒアルロン酸注射とは、加齢にボリュームが減ってしまった部位に肌のハリ・弾力・ボリュームアップを叶える施術です。
年齢を重ねるとともに肌の保水力・弾力が失われることで多くの肌悩みが現れますが、特に次の症状が改善できます。
- しわ
- たるみ・くぼみ
- ほうれい線
- 目の下のくま
ここでは、それぞれの症状と改善方法について詳しく紹介していきます。
しわの改善
ヒアルロン酸をしわの溝にそって注入することで、真皮から肌をもちあげてしわの改善が可能です。
しわは、小じわ・表情じわ・真皮じわと大きく3つにわけられます。小じわは、目元・口元の皮膚が薄い部分にできる細かいしわです。
表情じわは、表情筋を動かしたときにできるしわで、目尻・眉間・口元・おでこなどに現れます。
そして、真皮層まで深く刻まれてしまったしわが真皮じわです。乾燥・紫外線・加齢が原因で、これらを放置するとさらにしわが深く刻まれてしまいます。
ヒアルロン酸注射では、気になる部分にダイレクトに注入できるため、どのタイプのしわでも施術後すぐに効果を実感できます。
たるみ・くぼみの改善
年齢とともにヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンが減少すると、肌のハリが失われ、たるみ・くぼみにつながります。
さらに、骨・筋肉・皮下組織も年齢とともに減少することも肌のボリュームロスの原因です。
すると、肌表面の皮膚は余ってしまい重力に逆らえず頬・目の周りのたるみや目の下・こめかみのくぼみとなります。
これらのたるみ・くぼみは、ヒアルロン酸を注入することで改善が可能です。
ヒアルロン酸を真皮層や骨膜上に注入することで肌を内側からもちあげて、減少してしまった肌のボリュームを蘇らせます。
ほうれい線の解消
鼻の横から口元にできるほうれい線は、深いほど老けた印象を与えます。
このほうれい線の溝に沿って、ヒアルロン酸を真皮層や骨膜上に注入し内側から肌をもちあげて改善することが可能です。
そして、しわを埋めるのではなく、肌の奥からボリュームを出してしわを目立たなくさせることがほうれい線に対するヒアルロン酸注射で大切になります。
しわの凹みにのみヒアルロン酸を注入すると、ミミズ腫れなどの失敗の原因となるためクリニック選びには注意してください。
ヒアルロン酸注射で、ほうれい線の溝を均一に埋めて目立たなくすることで、若々しい印象を取り戻すことができるでしょう。
目の下のくま改善
目の下のたるみ・くぼみが原因でできる黒くまは、ヒアルロン酸注射で改善できます。
血行不良でできる青くま・色素沈着でできる茶くまと違い、黒くまは目の周りの筋肉・靭帯の衰えが原因です。
目の下の脂肪を支えている筋肉が衰えることで、その脂肪が前に出て膨らんで見えます。
そして、膨らみ出た脂肪の下がくぼんでいるため、その影がくまに見えていることが黒くまの仕組みです。
目の下の影となっているくぼみの部分にヒアルロン酸を注入することで、目の下の膨らみと凹みの差をなくして黒くまを改善します。
目の下のくまが気になる方は、目の下のたるみがないかをチェックして適切な施術を選択しましょう。
ヒアルロン酸注射の副作用
さまざまなエイジング悩みを改善できるヒアルロン酸注射は、メスを使う美容整形と比べると副作用・リスクが少ないといわれています。
しかし、注射針を刺してヒアルロン酸製剤を注入するため、副作用がまったくないわけではありません。
ヒアルロン酸注射の施術を受けるか悩んでいる方や不安を感じている方は、ヒアルロン酸注射の副作用を正しく理解しておきましょう。
そのうえでヒアルロン酸注射にチャレンジするか、よく考えてみてください。
痛み
ヒアルロン酸を注射するときに注射の痛みがありますが、ごくわずかで我慢できる程度です。
また、注射前に麻酔を行うため施術中の痛みが軽減できます。それでも注射の痛みが極端に苦手な場合は、事前に医師に相談してみてください。
なお、注射箇所に痛みが出るのは、麻酔が切れた後です。触ると鈍い痛みを感じる場合がありますが、約1〜2週間で落ち着きます。
内出血
注射針を刺すため、針が血管を傷つけて内出血を起こす可能性があります。
特に目元・口元の皮膚の薄い部位は、内出血が起こりやすい部位です。
早くて2〜3日、長く続いても数週間で落ち着くため、それまではメイクでカバーすることをおすすめします。
腫れ
ヒアルロン酸注射では、針を刺すことで組織内でむくみが起こり腫れる場合がありますが、メイクでカバーできる程度です。
しかし、赤み・熱感がともなう腫れの場合はアレルギーや感染を起こしている可能性があります。
施術数日〜数ヶ月後に症状が現れた場合は早めにクリニックを受診してください。
アレルギー
ヒアルロン酸は、もともと体内にある成分のためアレルギー反応を起こす可能性が低いとされています。
しかし、稀にヒアルロン酸注射によるアレルギー反応の報告があることも事実です。
ヒアルロン酸注射によるアレルギー反応は、ヒアルロン酸製剤を作る過程で含まれたたんぱく質・架橋剤といった添加物に対するアレルギー反応だと考えられています。
そのため、添加物の量などの品質管理がきっちりとしているヒアルロン酸であればアレルギー反応を起こす可能性は低いです。
それでも心配な場合は、施術前に腕などでアレルギー反応が起こらないかチェックできるため、医師に相談してみてください。
もし、施術後にアレルギー反応が起こった場合は、ヒアルロン酸溶解注射で治療可能なので早めにクリニックを受診しましょう。
しこり
ヒアルロン酸を注入した数日〜数週間に注入箇所がしこりのようになることがありますが、大きな問題ではありません。
通常ヒアルロン酸注射によるしこりは、時間が経つと自然に解消します。
しかし、数週間〜数ヶ月後にしこりとして現れて痛み・腫れも併発している場合は注意が必要です。
この場合、遅発性結節という細菌感染やアレルギー反応が原因で症状が出ている可能性があります。
次のような場合は遅発性結節が起こりやすいので、事前に確認しておきましょう。
- 自己免疫疾患がある方
- 重度のアトピー性疾患がある方
- 皮膚に近い位置や筋肉内への注入
- 未熟な医師による注入
- 不純物が多いヒアルロン酸
- 未認可のヒアルロン酸
遅発性結節が起こった場合もアレルギー反応と同様、ヒアルロン酸溶解注射で治療します。
ヒアルロン酸注射でおすすめのクリニックの選び方
ヒアルロン酸注射は、技術・知識のある医師が行えばリスクが少ない美容整形です。
しかし、前述したように不適切な位置への注入・不純物が多いヒアルロン酸の使用などはアレルギー反応・遅発性結節のリスクにつながります。
ヒアルロン酸注射で失敗しないために、クリニックを選ぶときは次のことに注意してみてください。
- 経験・実績の豊富な医師を選ぶ
- 安全性の高いヒアルロン酸を使用している
例えば、ホームページで症例写真・医師の紹介・医師の実績が紹介されているか確認してみましょう。
また、どのヒアルロン酸を使用しているのか、その安全性についても詳しく記載されているかも大切です。
これらが記載されていないクリニックは、避けるべきでしょう。
さらに、カウンセリングのときに施術について丁寧な説明を受けられるか、質問に正確に答えてもらえるかなどもクリニック選びのポイントです。
ヒアルロン酸注射に関するよくある質問について
ヒアルロン酸注射のよくある質問と答えを次にまとめました。
ダウンタイムの期間に関しては、ヒアルロン酸注射のダウンタイムはほとんどありません。
腫れ・内出血が出る場合がありますが、メイクで隠せる程度なのでほぼないと考えて差し支えありません。
ヒアルロン酸注射の施術時間に関しては、注入部位により変わりますが、約10〜15分です。 ヒアルロン酸注射後のメイクに関しては、施術後すぐに可能です。
注射による跡や赤みもメイクでカバーできるため、翌日仕事を休む必要もありません。
ヒアルロン酸注射後、マッサージやエステは可能かとの質問も多くあります。
マッサージは可能ですが、ヒアルロン酸の吸収が早まる可能性があるため避けることがおすすめです。
エステは、内出血などの症状がなければ約1週間後から受けられます。 ヒアルロン酸注射の効果の持続期間に関しては、一般的に約半年〜1年です。
1回目と比べると2回目以降は持続期間が長くなります。ヒアルロン酸の吸収スピードは個人差があるため、医師とよく相談してください。
まとめ
ヒアルロン酸注射は、エイジングケアから輪郭形成まで、幅広いお悩みの改善ができる美容整形です。
メスを使わず短時間で済む施術のため、ダウンタイム・副作用が少ないことで注目を集めています。
また、安い費用設定をしているクリニックもあり、気軽にチャレンジする方も少なくないでしょう。
しかし、クリニック選びに失敗するとアレルギー反応・遅発性結節といったリスクもあります。
さらに、ヒアルロン酸注射は自由診療のためクリニックによって費用は大きく異なりますが、費用だけでクリニック選びを行うことは避けましょう。
実績や経験豊富な医師が施術を行っていること・安全性の高いヒアルロン酸が使われていることなどが確認できるクリニックを選ぶことがおすすめです。
参考文献