普段視界に入らない部分であるだけに、目にしたときに形状が気になる部位が女性器ではないでしょうか。
自分で意識していなくても、「パートナーに指摘されたことがきっかけで強く意識するようになった」という人もいるでしょう。
その悩みを解決する方法のひとつに「女性器整形」があります。この記事では女性器整形の手術・費用・術後の注意事項などをご紹介します。 手術内容やクリニックを選ぶ際の参考になれば幸いです。
女性器整形とは?
女性器整形は、小陰唇やクリトリス包皮といった女性器の形を整える手術です。
性交渉上の問題がある場合・形状が気になる場合・かゆみや炎症などのトラブルの原因になっている場合などに検討されます。
体の中でもデリケートな部分であるため、手術の内容や術後起きる可能性があるトラブルについて、あらかじめ知っておくことが重要です。
女性器整形の種類
女性器には外性器と内性器がありますが、女性器整形の場合は主に外性器の手術となります。内性器の手術は膣縮小などごく一部です。
外性器にはいくつかの部位があり、それぞれ行う手術やその目的も異なります。
また、クリニックによっては部位の片側のみの手術を行っている場合もあります。
形にこだわりたい人は、片側手術に対応しているかどうかもクリニック選びの基準にしてみてください。
小陰唇縮小
膣口などの両側にあるビラビラした部分を小陰唇といい、人によって大きさや細かな形状が異なります。
性交渉の際に目立ちやすい部分でもあるため、パートナーに指摘されたことがきっかけで小陰唇縮小手術を考える人が多いようです。
小陰唇が大きいことによって生じる機能的な不都合はありませんが、体格やクリトリス包皮とのバランスが整っていると美しく見えます。
個々人に合わせて小陰唇の大きさをデザインし、切除して小さくするのが小陰唇縮小手術です。 この手術は、小陰唇の黒ずみ改善という面もあります。
小陰唇は思春期を過ぎると自然に色素沈着していきますが、黒ずみが強く気になる場合は小陰唇縮小手術で黒っぽさを抑えることができます。
また、小陰唇が大きく下着に擦れやすい人も小陰唇縮小手術が効果的です。
このように小陰唇縮小はさまざまな目的で行われるため、女性器整形手術の中でも希望者が多く、取り扱っているクリニックも多い手術です。
副皮切除
副皮は、クリトリス包皮の両サイドにある部分です。特に機能はない余分な皮であるため、だぶつきがある場合は切除しても問題ありません。
皮がだぶついていると洗い残しやすくなり、においの原因になることもあります。 副皮を切除することによって、衛生状態を保ちやすくなるといえます。
しかし、女性器は常在菌のはたらきによって弱酸性である状態が正常なので、においといっても薄く酸っぱいにおいは問題ありません。
それとは違った嫌なにおいの場合は副皮などの洗い残しが考えられます。
また、副皮が大きい人は小陰唇も大きいことが多いため、バランスを取るために両方とも手術することがあります。
元の状態・予算・デザインなどを考慮し、医師と相談した上でどうするか慎重に決めましょう。
クリトリス包茎(陰核包茎術)
クリトリス(陰核)は小陰唇の前、お腹に近い側にある突起した器官です。
子どものうちは包皮に包まれており、思春期後に少しずつ露出していきます。
人によって露出の度合いは異なり、ほとんど皮に包まれたままになる人もいます。これが「クリトリス包茎」です。
これを放置していると副皮同様ににおいや感染症の原因になることがあります。
また、クリトリス包茎によって性生活に支障をきたし、本人もパートナーも満足できないという悩みを抱えている人もいます。
余分な皮を切除し、適度にクリトリスを露出させる手術が陰核包茎術です。
クリトリス包皮も副皮や小陰唇と繋がっており、お互いに見た目が影響しているため、形にこだわりたい方は併せて手術をするかどうか決めましょう。
大陰唇肥大・縮小
大陰唇は小陰唇の両側にある膨らみ部分です。この膨らみは脂肪によるもので、そのため体型・体重・体脂肪率によって形に影響が出ます。
また、加齢・妊娠・出産などのライフイベントによってしわやたるみができることもあります。
機能的にはどのような形状でも問題はありませんが、下着やぴったりした形状のパンツを着たときなどに形が気になる場合は、手術を検討しても良いでしょう。
大陰唇肥大手術では脂肪もしくはヒアルロン酸を注入し、ふっくらとした形を作ります。
大陰唇縮小手術は、その逆に大陰唇を小さくして理想的な形状に仕上げるものです。余分な脂肪を吸引して形を整えます。
大陰唇縮小手術は、見た目を美しくする他に下着からはみ出してしまう状態を改善する意味合いでも行われます。
膣縮小
膣は経血やおりものの排出器官であり、分娩時には胎児の産道にもなる内性器です。
膣縮小手術では、膣口や膣壁の形を整えます。出産後や加齢をはじめ、何らかの原因で膣の緩みに悩んでいる人向けの手術です。
性生活上での問題の他、「湯船に浸かったときお湯が入ってしまう」という理由で膣縮小手術を受ける人もいます。
処女膜の再生・喪失
処女膜は膣口を守る役割の器官です。「膜」とついていますが、完全に塞がっているわけではありません。おりものや経血を排出するために小さな穴が開いています。
性交渉や激しいスポーツなどによって処女膜は自然に喪失しますが、何らかの理由によって再生したい場合には処女膜再生手術を検討しましょう。
また、性交痛・処女膜強靭症・処女膜閉鎖症といった症状による弊害の解決策として、処女膜喪失(切開)手術というものもあります。
特に処女膜強靭症・処女膜閉鎖症の場合はおりものや経血がスムーズに排出できなくなっている状態です。
そのため、そのまま放置していると子宮内膜症や不妊症に繋がるおそれが出てきます。
このケースでは他の女性器整形手術と少々異なり、思春期に発見されて手術を検討することがほとんどです。
女性器整形の費用相場
女性器整形手術は自由診療のため、健康保険の適用外となっています。料金が気になる方も多いのではないでしょうか。
多くのクリニックでは医療ローンやクレジットカードの分割払いが使用可能になっており、Webサイトに料金が明示されています。
あらかじめ費用を確認しておき、術後に「料金を払えない」ということがないようにしましょう。大まかな費用の相場は次の通りです。
- 小陰唇縮小(片側) 約157,000円(税込)
- 小陰唇縮小(両側) 約227,000円(税込)
- 副皮切除(片側) 約126,000円(税込)
- 副皮切除(両側) 約191,000円(税込)
- クリトリス包茎(陰核包茎術) 約152,000円(税込)
- 大陰唇肥大 約312,000円(税込)
- 大陰唇縮小 約343,000円(税込)
- 膣縮小 約274,000円(税込)
- 処女膜の再生・喪失 約191,000円(税込)
クリニックによっては、複数部位を手術する人に対して割引制度を用意していることもあります。
その他に会員価格・チケット・ポイント制などのお得な価格設定をしている場合もあるので、料金表を細かくチェックしましょう。
特に複数部位の手術を検討している人は、そのようなクリニックを検討するのも良いでしょう。
女性器整形がおすすめの人
性行為や衛生的に支障がない限り、女性器はどのような形であっても問題ありません。
では、女性器整形はどのような人に向いている手術なのでしょうか。
性器の形に自信が持てず性交渉に積極的になれない
女性器整形手術を考えた理由のうち、たびたびみられるのがパートナーの発言によるものです。
「パートナーに性器の形を指摘された」「過去の恋人にきつい言い方で指摘されて、性交渉や恋愛に積極的になれなくなってしまった」などがあります。
女性器はデリケートな部分であり、誰にでも見せるものではないため、ひとりで悩んでいる人も多いでしょう。
性交渉に積極的になるきっかけとして手術を受けるのも一案です。
性器が下着からはみ出たり擦れたりする
先天的な性器の形状によって、女性器が下着からはみ出してしまう場合があります。
衛生的な問題にも繋がりますので、抵抗がなければ女性器整形手術を検討しても良いでしょう。
一般人同士では少々言いづらい・表現しにくい悩みですが、手術内容やデザインについて医師としっかり相談しましょう。
「手術を受けたのに、まだ下着からはみ出してしまう」となった場合、さらに手術が必要になり費用がかさむおそれがあります。
性器のかゆみや炎症が気になる
包皮のだぶつきなどによってかゆみや炎症が起きている場合、女性器整形手術によって改善する可能性があります。
しかし、形状ではなく腟カンジダ症などの感染症が原因でかゆみ・炎症が起きている場合もあるため、必ずしも「手術をすればかゆみ・炎症がなくなる」とはいいきれません。
これらの症状の解決策として女性器整形を考えている場合は、美容外科や形成外科だけでなく、婦人科の診察も受けたほうが良いでしょう。
その上で女性器整形手術を受けるかどうか決めてください。
女性器整形で起こり得るリスク
女性器整形に限らず、手術には何らかのリスクが伴います。
女性器整形の場合はどのようなリスクがあるのか、あらかじめ知っておきましょう。
リスクというと恐ろしいもののように感じる方もいるかもしれませんが、術前・術後の生活イメージを明確にすることにも繋がりますので、非常に重要です。
医師へイメージが伝わりきらず理想の形にならなかった
患者さんと医師とのコミュニケーションがうまく行かず、術後に「理想と違った形になってしまった」というケースが稀にみられるようです。
決して安くはない金額をかけるものであり、すぐにやり直すことも難しい手術ですから、事前に医師とよく話し合っておきましょう。
理想的な形を追求する場合、手術部位が複数箇所になり、費用が高くなることもあります。
デザイン・費用・術後の注意事項などを照らし合わせて、納得できるまで医師と相談しましょう。
出血や痛みが生じた
女性器整形手術後に血が出たり、痛みが起こる場合があります。
軽度な場合は問題ありませんが、数日続く場合や鎮痛剤が効きづらい場合は、速やかに手術を受けた病院へ連絡して指示を仰ぎましょう。
女性器は排泄器官と隣接しているため、傷口から別のトラブルに発展する可能性もあります。
後々の悪影響を防ぐためにも、ためらわずに病院へ連絡しましょう。
傷跡が残ってしまった
近年の女性器整形手術については縫い方の工夫・溶ける糸を使用するなど、傷跡が残りにくい方法が出てきています。
傷跡が残るかどうか心配な方は、特に傷跡が目立ちにくい術式を扱っているクリニックの中から通いやすいところを選ぶと良いでしょう。
感染症に感染してしまった
女性器はもともと自浄機能を持っていますが、手術後はいつもより衛生状態に気を配りましょう。
ただし、気にし過ぎて石けんや水でゴシゴシと洗ってしまうのも厳禁です。
それも体が本来持っている自浄機能を弱めてしまうおそれがあります。 排泄の後の拭き取り・消毒を適度に行うなど、自浄機能に影響を及ぼさない範囲にしましょう。
どうしたら良いかわかりにくい場合は、必ず手術を受けたクリニックへ確認してください。
女性器整形後の過ごし方
無事に女性器整形手術が終わった後は、いくつかの注意事項があります。
ここでは一般的な注意事項を説明しますが、術後のトラブルを防ぐために必ず担当医や看護師にも確認しましょう。
手術前に確認しておくことで、先々の予定も立てやすくなります。
術後は安静を心がける
施術後は出血・腫れ・痛みなどを防ぐため、安静にする期間が必要です。これを「ダウンタイム」と呼んでいます。
抜糸やダウンタイムによる負担を軽減した術式を用意しているクリニックもありますので、クリニック選びの基準のひとつにしても良いでしょう。
女性器整形手術の場合は運動や性行為を控えるべき期間でもあるため、スケジュール調整やパートナーの理解を得ることも大切です。
クリニックや術式によって術後の通院の有無も異なりますので、その点も加味して計画しておきましょう。
医療機関から受けた注意事項を守る
女性器は非常にデリケートな器官です。
体の他の部位と異なり、排泄器官とも近いため、術後はより衛生状態にも気を配らなければなりません。
そのため女性器整形手術後には、運動・性行為の他に、シャワー・入浴・ビデの使用・飲酒などに制限がかかります。
手術部位や内容によって制限がかかる期間は異なるため、看護師や医師の説明に従って静かに過ごしましょう。
クリニックによっては、公式Webサイトで術後の注意事項についても触れていることがありますので、診察前でも確認できます。
その上で手術後にトラブルが起きたり、疑問を感じたりした場合は速やかに手術を受けた病院へ問い合わせましょう。
まとめ
この記事では、女性器整形手術の種類・費用・注意事項などについてご紹介しました。
女性器整形手術は、小陰唇・大陰唇・クリトリス・膣・副皮などを理想的な形状にするための手術が大部分を占めています。
手術を検討するきっかけは、においやかゆみ・炎症の解決策・パートナーからの指摘によって形状が気にかかったことなどです。
費用は手術部位・術式によって異なりますが、一箇所あたり約15万円〜40万円(税込)が目安となっています。
医療ローン・クレジットカードの分割払い・クリニックごとの割引制度などを利用して、無理なく支払えるかどうかも考えておきましょう。
同時に複数箇所を手術する場合の割引を用意しているクリニックもあります。
デザインにこだわりたい方にとってはクリニック選びの決め手になるでしょう。
手術を受けた後は、衛生状態と安静に気をつけて過ごしてください。
ダウンタイム中はシャワー・入浴・運動などに制限がかかるため、手術日前によく確認しておき、先々の予定を立てておきましょう。
術後の激しい運動や性交渉の可否については、手術の種類によって避けるべき時期の長さが異なります。
また術後に出血や傷跡などが気になる場合は、速やかに手術を受けた病院へ連絡し、指示を受けるようにしてください。
女性器はデリケートな部位なので、後日のトラブルを防ぐためにも、術前術後ともに医師との連携が必要不可欠です。
参考文献