おでこ・額にしわがよることが気になる場合、改善する方法はあるのでしょうか。
目や口元のしわにヒアルロン酸を注入しますが、おでこ・額への使用も注目を集めています。
手軽にできる美容整形として注目されているヒアルロン酸注入ですが、おでこへ使用することでボリュームを出したり、しわを伸ばすことができるのです。
この記事では、おでこ・額へのヒアルロン酸の注入についてのメリット・デメリットについてを説明します。
記事の後半では、ボトックス注射・糸リフトとの違いについても記載しています。
額のしわが気になり美容医療を検討していて、それぞれの施術について知りたい人は参考にしてみてください。
おでこ・額へのヒアルロン酸注入について
おでこ・額へヒアルロン酸注入することで、立体感のある丸いおでこになることができます。ふっくらとして丸いおでこになることで、若々しく女性らしい印象になります。
ヒアルロン酸はもともと体内にあるものなので注入によるアレルギーが起こる可能性が低く使いやすいです。また、保湿性があり、肌の弾力・ハリを保つために必要な物質です。
おでこの形状を変えたいときにも有用で、ハリを出し、しわを伸ばして目立たないようにします。
おでこへのヒアルロン酸注入の目的は大きく分けて2つあります。
- しわを改善するためのエイジングケアとしての施術
- 丸く美しいおでこにするための美容整形としての施術
一度、ヒアルロン酸を注射することでどちらの目的も達成することができるのです。施術後のダウンタイムがほぼなく、手軽にしわを改善して美しいおでこを目指せます。
おでこ・額へのヒアルロン酸注入は、丸くつるんとしたおでこにしたい人以外にもハリのあるおでこにしたい・前髪をあげたヘアスタイルをしてみたい人にもおすすめです。
おでこ・額にしわができてしまう原因は?
年齢を重ねると、おでこ・額にしわができてしまったり、丸みがなくなりおでこに凹凸ができてしまったりすることがあります。
加齢による皮膚の変化と聞くと、まず思い浮かぶのはしわ・たるみです。しかし、加齢によりおでこの脂肪が減ってくることで凹凸ができて額が骨ばってきてしまうという加齢変化もあります。
おでこ・額のしわの原因は加齢のほかにどのようなものがあるのでしょうか。日常生活において注意できることはあるのでしょうか。
おでこ・額のしわの原因と考えられているものには以下のものがあります。
- 紫外線
- 乾燥
- 表情の癖
ここでは、これら3つのしわの原因について説明します。
紫外線
紫外線により皮膚がダメージを受けることがしわの原因となる場合があります。紫外線は光老化という皮膚の老化現象を引き起こすのです。
エラスチン・コラーゲンといった皮膚の弾力線維が重力に逆らいきれなくなり、しわが生じます。
しわを予防するためには、日焼け止めやUVカット効果のある洋服・帽子などを使用して紫外線から皮膚を守ることが重要です。紫外線対策は夏だけでなく、年間を通して行う必要があります。
紫外線・加齢によってできるしわは構造じわ・大じわと呼ばれるものです。表情を変えなくても顔にしわが刻まれた状態です。
乾燥
皮膚の乾燥によりダメージが重なるとしわができることがあります。乾燥によるしわは肌表面の表皮の浅いしわで、ちりめんじわ・小じわともいわれるしわのことです。
顔のなかでは目元や頬に出ることが多いしわです。加齢とともに表皮の角質細胞中に含まれるヒアルロン酸・コラーゲンや細胞同士をつなぐ細胞間脂質が減少します。
これにより、保湿力が徐々に失われていくことで乾燥じわが現れるのです。
表情の癖
表情に癖があり同じ表情を何度も繰り返していると跡が付き、表情を戻してもしわが元に戻らなくなってしまうことがあります。
表情を作るときにできるしわのことを表情じわといい、目尻・眉間・額・鼻根部などに現れることが多いです。
最初は一時的なもので、時間が経つと元に戻りますが加齢に伴い構造じわという大じわに進行してしまうことがあるので注意が必要です。
おでこにヒアルロン酸注入を行うメリット
おでこにヒアルロン酸を注入することのメリットにはおでこのしわを伸ばしたり、おでこを丸くしたりすること以外に、以下のものがあります。
- 即効性がある
- ダウンタイムが短い
- 施術時間が短い
- 傷跡が残りにくい
- 状態に合わせて適切なヒアルロン酸を選べる
ここでは、これらのメリットについてそれぞれ解説します。
即効性がある
ヒアルロン酸注射は即効性があり、1回で手術直後から効果を感じられる施術です。
ヒアルロン酸を皮下に注入することで、真皮の内側から物理的に皮膚を持ち上げることになるため手術直後からふっくらした皮膚になるのです。
ダウンタイムが短い
ヒアルロン酸注射は、ダウンタイムの短い施術であるため、施術を受けたいけど仕事・学校などを長く休めないという人でも施術が可能です。
ダウンタイムには個人差がありますが、赤み・腫れ・痛み・むくみが2~3日生じることがあります。これらのダウンタイムは、術後の経過とともに次第に改善していく症状です。
また、施術直後にヒアルロン酸が硬く感じる場合もまれにありますが、2~3日程度で徐々になじんでくることがほとんどです。
施術時間が短い
ヒアルロン酸注射の施術時間はほかの施術と比べて短く、10分程度です。
短い時間で直接しわの部分に処置を行うことが可能で、その場でしわの改善を確認できます。
傷跡が残りにくい
ヒアルロン酸注射はメスを入れないため、傷跡もなく、人から気付かれる心配もありません。
注射針による施術であるため、跡は非常に小さくすぐに塞がります。注射針を刺す際には多少の痛みが生じますが、それ以外の痛みがない施術です。
痛みが不安な場合には、麻酔クリームを使って痛みを和らげることもできます。
状態に合わせて適切なヒアルロン酸を選べる
ヒアルロン酸にはいくつかの種類があるため、希望の仕上がり・施術部位・患者さんの状態によって適切なヒアルロン酸を選んで施術を受けることが可能です。
取り扱いのあるヒアルロン酸は、医療機関ごとに異なるのでどの種類のヒアルロン酸をどのくらいの量使用するかは医師と相談して決めましょう。
おでこにヒアルロン酸注入を行うデメリット
おでこへのヒアルロン酸注射にはメリットのほかにデメリットもあります。
ヒアルロン酸注射は、医師の技術力に関わらずデメリットが存在し、必ず希望通りの仕上がりになることは約束することができません。
おでこへのヒアルロン酸注射を行う場合には、メリットとデメリットをどちらもしっかり理解したうえで、納得してから施術を受けるようにしましょう。
ここでは、おでこへのヒアルロン酸注射のデメリットについて解説します。
効果は半永久的に持続するわけではない
ヒアルロン酸注射の持続時間は、施術部位・ヒアルロン酸の種類・注入量などによって異なりますが、6ヶ月から2年程度です。
効果は永久ではなく、徐々に吸収されて元の状態に戻ってしまうものです。このため、希望の状態を維持するためには繰り返し施術を受けることが必要となります。
内出血や腫れなどの副作用が出ることがある
ヒアルロン酸注射は副作用の少ない施術ではありますが、赤み・腫れ・むくみなどが2~3日現れることがあります。
また注射部位に内出血が生じることがあり、内出血が現れた場合、改善まで1~2週間程度かかる場合もあるのです。
また、まれに注入部の疼痛・発疹・かゆみなどの過敏性症状が出る場合があります。数日内で収まるものではありますが、副作用のリスクがある施術であることは間違いありません。
自由診療のため費用が高額になりがち
ヒアルロン酸注射をおでこに美容目的・エイジングケア目的で使用する場合には、自由診療の扱いで、保険適用にはなりません。このため費用が高額になることがあります。
おでこへのヒアルロン酸注射は自由診療なので、費用はクリニックごとに大きく異なります。金額については、施術を受ける予定のクリニックに問い合わせを行いましょう。
一例にはなりますが、ヒアルロン酸注射の費用相場は9,000円(税込)~280,000円(税込)程度です。参考にしてみてください。
ほかの施術方法との違いは?
おでこのしわの改善・希望の形への美容整形を希望してヒアルロン酸注射を検討するとき、同じような目的で行われるほかの施術もあります。
これらの施術とヒアルロン酸注射の違いを理解したうえで、医師と相談してどの施術を受けるかを決めましょう。
ここでは、ヒアルロン酸注射とボトックス注射・糸リフトとの違いについて解説します。
ボトックス注射との違い
おでこへのボトックス注射は、眉間やおでこのしわの改善を目的に行われる施術です。
ボトックス注射は、ボツリヌス菌が作る神経毒であるボツリヌストキシンを注射します。
筋肉・皮膚の浅い部分にボトックス注射を行うことで、表情筋の過剰な動きを和らげてしわを軽減するのです。
ボトックス注射の効果は、4ヶ月から6ヶ月程度持続します。また、定期的に注射をしなかったとしても、元の状態より悪くなることはありません。
ボトックス注射は、注射の施術で短時間で手軽に受けられるというメリットがあります。
デメリットは、内出血・腫れが出る場合がある点や注入時に痛みが出る施術であるという点です。
また、まれに効果が過剰に現れて施術部位に違和感を覚えることがあります。この違和感は術後の経過とともに解消しますが、落ち着くまでに3ヶ月程度かかる場合があるのです。
さらに、効果は半年程度でなくなるため、施術後の状態を保ちたい場合には、再度施術を受ける必要があります。
ボトックス注射には、筋肉の動きを緩める作用があるため表情じわに用いられます。一方、ヒアルロン酸注射は深いしわや表情を動かさなくてもできるしわに有効です。
施術に関しては、自己判断をすることは難しいので、自分の悩みを医師に相談して適切な施術を選択してもらうといいでしょう。
おでこへのボトックス注射は、自由診療であるため費用はクリニックごとに異なります。このため費用については、施術を検討しているクリニックにお問い合わせください。
一例ではありますが、おでこへのボトックス注射の費用は、3,500円(税込)〜77,000円(税込)程度です。参考にしてみてください。
糸リフトとの違い
糸リフトはおでこの横じわ・眉間の縦じわの改善にも使用することが可能です。
髪の毛より細い吸収糸を挿入することで、自然なリフトアップ効果を示します。糸は6ヶ月から8ヶ月で吸収されるため、そのころから効果が薄れてきて、1年程度で効果がなくなります。
糸リフトに使用される吸収糸は、古くから医療現場で使用されているものです。このため、安全性が証明されていて8ヶ月で完全に吸収されて、体内に残ることはないことがわかっています。
挿入した吸収糸の周りに、線維化細胞であるコラーゲン・エラスチンを生成するためリフトアップ効果とともに肌質改善効果もある治療です。肌質改善効果は1年程度継続します。
糸リフトは、注射で針の穴から挿入するため傷跡は残らず、短時間で施術ができることがメリットです。
デメリットとしては、局所麻酔を使用しますが麻酔が切れた後に痛みが出ることや内出血・腫れなどが出ることがあるという点が挙げられます。内出血は、3週間以内には引いてくる症状です。
また、注入部位にチクチクした痛み・違和感を覚えることがありますが、1週間程度で改善します。
糸リフトとヒアルロン酸の違いは、糸リフトは物理的にしわ・たるみを引き上げる施術であるという点です。
おでこへの糸リフトは自由診療であるため、費用についてはクリニックごとに異なります。
糸リフトを受ける際の費用が気になる場合には、施術を検討しているクリニックにお問い合わせください。
一例ではありますが、糸リフトの費用相場は33,000円(税込)〜187,000円(税込)程度です。参考にしてみてください。
理想通りの仕上がりにならなかった場合に元に戻す方法は?
ヒアルロン酸注射を行ったけれど、どうしても仕上がりに満足できなかった場合は、元に戻すことが可能です。
ヒアルロン酸分解酵素であるヒアルロニダーゼという薬剤があるので、この薬剤を用いてヒアルロン酸を分解します。
ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸のみに反応して分解する酵素です。細胞間にあるヒアルロン酸を加水分解し、粘度を低下させていきます。
注入量によって異なりますが、注入後1週間以内にはヒアルロン酸を吸収して元の状態に戻ります。注入量がかなり多い場合では、2回以上の施術が必要となる場合があるのです。
ヒアルロニダーゼはダウンタイムの少ない施術で、赤み・腫れが出ることがありますが、数日で改善します。
費用については一例となりますが、ヒアルロニダーゼの施術にかかる費用は10,780円(税込)~38,500円(税込)程度です。
自由診療の費用は医療機関ごとに異なりますので、費用については施術を受ける予定のクリニックにお問い合わせください。
まとめ
ヒアルロン酸注射をおでこに注入することで、しわを改善したり、額を丸くしたりして若々しく女性らしい印象になることが可能です。
ヒアルロン酸注射は、施術時間・ダウンタイムが短く、手軽に受けられる美容医療です。
しかし、効果は永久に続くものではないため、効果を保つためには定期的に施術を受ける必要があります。
また、個人差がありますが腫れ・内出血などの副作用が起こることがあります。
美容医療にはメリット・デメリットが存在するため、その両方をしっかり理解したうえで施術を受けるかを判断するようにしてください。
施術を受けるクリニックを探す際には、費用が安いことも大切ですが、信頼できるクリニックを見つけることが重要です。
必ず希望通りの仕上がりになることが約束されるわけではないので、施術について理解し、納得したうえで施術を受けましょう。
参考文献